賃貸住宅事業における所有者と不動産業者とのパートナーシップに関する研究

代表者:経済学部・教授 高辻 秀興

 わが国の賃貸住宅市場は、若年期ライフステージの一時居住とその他の単身者等住居とを支えている。少子化が進み若年期コーホートの人口規模が縮小すればマクロの需要規模は縮小する。一方、高齢社会の今日では相続不動産を活用した個人所有の賃貸住宅供給が拡大の方向にある。この不一致は将来的に空家として顕在化し個人の賃貸住宅経営の破たんにつながる。ひいては市街地の逆蚕食を生じかねない。そこで、不動産業者がパートナーとして賃貸住宅事業に参加し、専門的知見を活かして空家の発生を食い止める戦略を講ずることが有効な方策ではないかと考える。本研究は、不動産の所有者と不動産業者とのパートナーシップ(共同事業)によって賃貸住宅経営を行うときの経営的成立性を分析するとともに、いく種類かの事業方式に応じた両者の間のリターンとリスクの配分契約の適切なあり方について分析し考察することを目的としている。内容的には、賃貸住宅市場の需給ギャップの把握、賃貸住宅経営の多様な戦略とリアルオプション分析、不動産所有者と不動産事業者とのリターン・リスクの適切な配分契約のあり方について考察する。

◎高辻 秀興 経済学部・教授