元駐インド・中国大使谷野作太郎氏が講演
2007.10.1

麗澤オープンカレッジの平成19年度後期第1回特別講演会が9月29日開かれ、元駐インド・中国大使の(財)日中友好会館副会長、谷野作太郎氏が「中国・インド万華鏡~アジアの二つの大国に使(つかい)して~」と題して講演。福田新総理が誕生し総理との親交がマスコミでも報道された矢先で、雨天にもかかわらず222人の人たちが熱心に聴講しました。 
谷野氏は、経済誌等で盛んに取り上げられる中国、インドの経済成長の側面について、自身の経験を交え熱く語りました。 
中国製品抜きで日本の生活は成り立たなくなってきている通り、中国は世界第3位の貿易大国、外貨準備世界第1位となっており、この背景として旺盛な企業家精神を持つ豊富で優秀な若い人材、モノ造りの巧みさ、共産党一党独裁による物事達成のスピード感、安価にして良質な経済インフラ等をあげています。反面、頻発する知的財産の侵害や三権分立の存在しない未熟な司法、急速に迫り来る少子高齢化社会をあげ、大国中国としての自覚とマナーがこれからの中国に問われると発言されました。 
インドについては、理数系における起業家精神旺盛な優秀な若い人材が多く、また人口構成が素晴らしく、若年労働者人口が豊富で、消費の安定的拡大の面からもプラスである。IT、医療の技術も抜きんでており、ソフトウェアの輸出は過去10年間で40倍の伸びで、総輸出の3分の1を占めるほどになった。弱点として、インフラ整備の問題をかかえる製造業、巨大な貧困層、カースト制度などの社会問題をあげています。日本に対しても強い親日感情があり、日本が一番好きというという人が多いものの、対外関係の主要関心は依然として、米、中、ロシア、パキスタンであり、日印関係には感情と現実との間のアンバランスがあると発言されました。 
対中、対インドのビジネス心得としては、しっかりした事前調査、契約を行い、異文化、異なる環境に順応できる人材を派遣し、現地の人をトップに置く等、権限の委譲をすることが重要であるとの考えを示されました。 
日本にとって、両国との良好な関係のためにも、青年交流などの推進も重要である。異文化に対する拒絶感を無くすためには、英語力が不可欠で、小学校からの英語教育は国語力を低下させるとの意見もあるが、両方しっかり身につけさせる教育が必要であると、締めくくりました。