外国語学部黒須里美教授が講演
2007.10.22

麗澤オープンカレッジの平成19年度後期第2回特別講演会が10月20日開かれ、本学外国語学部の黒須里美教授が「結婚の危機、日本の危機?」と題して講演。当日は好天にも恵まれ、202人が熱心に聴講しました。 
黒須教授は冒頭、会場にマイクを向け、結婚に対する意識について質問し、参加型の形式で講演を始めました。結婚するのが普通で、それが当然のように継続してきた1970年前後の「結婚の黄金時代」と呼ばれた時代がありましたが、現在は、晩婚化・未婚化、家庭内離婚、熟年離婚などが増えています。それを長期的・人口学的視点から考えたいと述べました。 
世界の人口学者の中には、日本の人口が減るのは良いが、激しい少子化と高齢化により、人口バランスが崩れるのが問題と指摘する声もあります。現在の平均婚姻年齢は、男性で30歳過ぎ、女性で29歳過ぎとなっており、スウェーデンとほぼ同じであるが、こちらは55%が結婚時に子供がいるというデータもあり、同じ年齢構成であっても、事情が異なると述べました。 
1990年以降、未婚率が増加しており、結婚する、しないが、個人の問題から社会の問題となってきました。以前はお見合いによる結婚のチャンスが多くあったが、現在は減少し、かつ女性のライフスタイルの多様化や親と同居のシングル貴族の増加など、結婚をめぐる急速な変化がでてきたとのことです。 
歴史人口学の研究において、徳川時代末期の農村の宗門改帳、人別改帳をデータベース化しているが、世代ごとの記録が詳細に残されており、当時の様子を知ることができる。ある農民女性の一生を例にとり、結婚、離婚、再婚が当たり前の時代であり、当時は飢饉等もあり不安定な時代なため、生き残るため、より良い人を選ぶ必要から、離婚、再婚を繰り返していたと考えられると述べました。
18世紀後半から続く、皆が結婚するという「皆婚社会」が終焉を迎え、一般的に普通だと感じていた「結婚の黄金時代」のライフスタイルは極めて特異性のある一時代だったと言え、この時代のモデルは通用しなくなってきている。晩婚、非婚が増えていくことになるが、結婚しないライフプランも受け容れる社会のシステムが必要であると講演を締めくくりました。

講演する黒須里美教授

聴講したゼミ生に質問

受講生に結婚について質問

質疑に応える黒須教授