国際経済学部成相修教授が講演
2007.11.13

麗澤オープンカレッジの平成19年度後期第3回特別講演会が11月10日に開かれ、本学国際経済学部教授・麗澤オープンカレッジ長の成相修教授が『日本人の「対外戦略力」を問う!』と題して講演。当日は雨天にもかかわらず、204名が熱心に聴講しました。 
成相教授は、経済企画庁に勤務した1970年代からの経験を踏まえ、世界経済の変化と、それに対する日本の対応について話しを進めました。 
日本は1970年代に石油ショックなど大きな外的なショックを受けたが、トヨタを始めとする機械産業がコスト削減等に取り組み、生産を拡大してきたように、この時代は、政府の対応よりも企業の努力によって危機を克服してきた、と述べました。そして、その後の80年代後半から90年代初頭の日本の政策の失敗に触れ、アメリカがITや金融によって世界経済の構造を変えて発展したのに対し、不良債権問題の本質を見誤ったことにより、経済全体の悪影響を増幅させたことについて、日銀、銀行、大蔵省、アメリカ政府の問題を絡めて持論を展開しました。 
また小泉政権における政策について、2002年以降、経済の回復と成長があったと言われるが、円安・低金利・財政赤字存続という状況で、製造業が中心となっての回復であり、小泉改革について、世間における評価には誤解がある。金融面においても竹中路線に対する悪いイメージがあるが、りそな銀行への公的資金注入によって、日本の金融機関に対する信頼回復の契機となったこともあり、竹中元大臣は、市場原理主義者ではないと述べました。 
外資の導入についても、日本人は嫌悪感を持つが、外資が入ってくるほどの企業価値がないといけない。外資の活用が活性化と競争力につながるので、出るだけではなく入ってくることを目指すことが重要である。同時に日本の銀行の本質が変わっていないことを指摘しました。 
最後に国際協力の今後のありかたについて、JICAでの国際協力の経験を基に、日本人だけでなく、現地の専門家の活用が不可欠であり、お金を出すだけではなく、共に活動するための人材の育成が急務である。戦後60年余、一貫して日本が追求してきた、「平和、経済発展、豊かさの実現、そして国際貢献」。この路線と伝統には、世界に類を見ない一貫性と誠実さがあった。この戦後の「伝統」を環境の変化に柔軟に対応しながら守り、強化することこそが我々の責務であると、熱く語り、締めくくりました。