川窪啓資 教授が最終講義
2009.2.23

今年3月で定年を迎えられる川窪啓資教授(外国語学部教授、大学院言語教育研究科教授、比較文明文化研究センター長)の最終講義が2月6日(金)15時か ら1501教室にて行われました。会場には大学院生や教職員など多くの人々がつめかけ、「ホーソーン(アメリカ文学)とトインビー(比較文明)を巡って」 と題する講義に聴き入っていました。
講義に先立ち石塚言語教育研究科長から「川窪先生は1935年に高知市に生まれ、東京大学文学部卒業、麗 澤高校英語教諭として廣池学園における教師生活をスタート。廣池学園に勤続50年。この間、外国語学部学部長・国際比較文明学会副会長・日本ホーソーン協 会会長等を歴任。著書に『トインビーから比較文明へ』『ホーソーンの軌跡』等があり、『緋文字』で有名なホーソーンの研究で文学博士の学位を得られた」と 川窪教授の経歴と業績が紹介されました。
引き続き、川窪教授の講義が行われ、土佐高校時代に鶴見祐輔の『新英雄待望論』を読んでトインビーの 『歴史の研究』を知ったこと、両親が学んでいた『道徳科学の概要』(廣池千英講述)を高校卒業までに繰り返し読んだこと、東大生の時にモラロジー(道徳科 学)研究所二代所長廣池千英先生の私邸を訪問したこと、その一週間後に廣池学園で慈悲の権化のごとき山本恒次博士にお目にかかったこと、昭和の剣聖と謳わ れた持田盛二範士に東大剣道部で稽古をつけて頂いたこと、学生の時にトインビー博士の講演やインドの首相ネルーの火のような熱弁を間近で聴き感銘を受けた こと、これらが川窪先生のその後の活動の原動力になったことが語られました。東大生の頃には「郷里の土佐に帰るのに、汽車に乗って27時間もかかった」と の話には会場にどよめきが起こりました。
麗澤大学講師の時に、廣池千太郎学長(当時)がトインビー博士にモラロジーを紹介されるということ で、ロンドンのトインビー博士邸訪問に通訳として随行したこと、若い頃にはトインビーの大著『歴史の研究』の読解に明け暮れたことが語られました。ご専門 のことでは、ローマ帝国の滅亡・高等宗教・『緋文字』・『白鯨』・極めて知的なトインビーと廣池千九郎博士の「最高道徳」等々について、長年の研究に裏打 ちされた多くの知見が披瀝されました。
最後に、廣池千九郎博士以来の伝統家への謝辞、恩師山本恒次博士・山本新先生・A.Turner, M. Melko, R.W. Wescott、伊東俊太郎博士等に対する謝辞が述べられました。
司会を担当した汪義翔・比較文明文化研究センター特別研究員から、お礼の言葉と「先生にはいつまでもお元気で著作活動をお続け頂きたい」との締めくくりの 挨拶がありました。講義を受けた院生は、「若い頃は、人生には無限の可能性があるなどと夢想していたが、人は誰でもある時点では一つの道を進むしかないこ とを悟るのである」(川窪教授の文章)に深く考えさせられたと感想を話していました。
講義終了後、教えを受けた学生・大学院生や教職員代表から川窪教授に花束が贈呈され、先生を囲んでの記念撮影が行われました。
(記:言語教育研究科長・石塚茂清)

石塚言語研究科長より川窪教授の紹介

川窪教授の熱心な講義

感謝を込めて

学生達に囲まれて

長い間ありがとうございました