政策研究大学院大学客員教授の白石隆氏が講演
2009.5.16

麗澤大学開学50周年を記念した麗澤オープンカレッジ平成21年度前期特別講演会の第1回目が5月16日に開かれ、331名が熱心に聴講しました。
講演に先立ち、麗澤オープンカレッジ長の成相教授から白石氏のプロフィールについて紹介され、政策研究大学院大学客員教授の白石隆氏が「日本はアジア地域秩序形成にいかに関与するか」と題して講演されました。
白石氏は、はじめまず、東アジアの今後の長期的な趨勢の理解と、それを踏まえて日本としては「どのような国を作るか」「どのようなアイデンティティを持つか」が大切であるとの認識を示されました。長期的な趨勢の一つは「人の動き」で、東アジアの各国における今後数十年間に都市に住む人の割合の変化や都市に住む人の中での購買力のある中産階級に属する人の割合が飛躍的に増加して力をつけていくこと、一方、それによって拡大する都市と農村の格差および都市の内部格差について、日本をはじめとする各国の状況を踏まえて説明がなされました。
また、人の動きは一国の中では収まらず、国境を越えた動きがあることも指摘されました。経済的には各国が相互に関連しあい、今後の経済成長においては相互依存が強まるとの認識を、中国の経済成長における他国からの投資や貿易の状況をもとに示しました。このような経済的相互依存の結果、中国は「責任ある大国」(Responsible stakeholder)としての行動が求められるとも説明されました。
一方、東アジアの安全保障においては、経済的な相互依存とは異なり、中国を取り込む枠組みが形成されず、経済と安全保障間の緊張が継続し、ヨーロッパの歴史事例とは異なっているとの認識を示されました。
最後に、日本のアジア政策の課題は、東アジアにおける経済の相互依存と安全保障における緊張をマネージすることにあることを強調して講演を締めくくられました。
今回の講演では、ヨーロッパ、アジアにおける歴史上の変遷事例や将来に向けての経済的な指標の変化が網羅されて大変理解しやすい充実した講演となりました。講演終了後の質疑の時間では、多くの専門的な視点に立った質問があり、聴講者との活発な意見交換が行われ、第1回目が終了しました。

挨拶する成相カレッジ長

講演する白石氏

講演する白石氏

多くの聴講者

熱心に聴講

質疑に答える白石氏