【周年記念行事】モラル・サイエンス国際会議を開催
2009.9.4

平成21年8月24日(月)~26日(水)、モラロジー研究所との共催(国際比較文明学会、日本道徳教育学会、地球システム・倫理学会協賛)による「第2回モラル・サイエンス国際会議」(統一テーマ「倫理道徳の理論と実践:モラロジーにおける廣池千九郎の業績の評価」)を廣池千九郎記念講堂で開催しました。
今回の国際会議は、世界8ヶ国から倫理道徳の専門家が集い、モラロジーを提唱した廣池千九郎の業績を論じ合う中から、人類が共に目指すべき倫理道徳を見出そうとするものです。
今日、私たちは世界の平和、人類社会の持続的発展という目標を実現するために、民族・宗教・文化の違いを超える新しい倫理道徳を共有する必要に迫られています。こうした人類共通の課題の解決に貢献すべく、モラロジー研究所では平成14(2002)年「グローバル時代のコモン・モラリティの探求」のテーマで第1回モラル・サイエンス国際会議を開催しました。今回はその2回目となる国際会議です。

初日は、まずモラロジー研究所、廣池学園理事長・廣池幹堂氏が開会挨拶を行い、「モラロジーは倫理・道徳の学問的研究の発展を目指すものでありますので、今回は内外の著名な学者の皆様から忌憚のないご批判やご意見をいただきますよう心から念願するものであります。ご参加の皆様の活発な学問的討論を経て、モラロジーが人類共通の財産として、人類の道徳的向上に資することになれば、望外の幸せと存じます」と述べました。
その後、第1日目のセッションが「廣池千九郎―その生涯と思想」と題して行われ、海外4名、国内4名の発表者がそれぞれの視点から同世代人との対比や時代的背景などを踏まえて発言。会場からの質問も受けて、廣池千九郎の思想と生涯について積極的な討論が行われました。


第2日目(25日)のセッションは「『道徳科学の論文』に関する考察」と題して行われました。『道徳科学の論文』は廣池千九郎が昭和3年に刊行(初版)し、その中で新科学モラロジーを提唱しています。発表(海外6名、国内5名)では『論文』内容の中心的テーマである「正義」「慈悲」「伝統」などについて、西欧の視点から、歴史や教育の視点から、また比較文明の視点などから巨視的・試論的な発言があり、討論の場でも大いに盛り上がりました。


最終日(26日)は、午前に「21世紀社会におけるモラロジーの展開」と題して海外から2名、国内から2名が発表、午後は「モラロジー研究前進への提言」と題する全体討論が行われました。午前の発表では、道徳と宗教との関係、異文化・異民族間に通底する価値などについて発言。午後の全体討論では「21世紀版『道徳科学の論文』について」「現代世界の諸問題の解決に向けて」「今後の国際的なネットワークづくり」などの視点から、発表者のみならず参加者からも多くの意見が出され、今後の課題を明確にするなど貴重な討論会となりました。

討論会の終わりに、岩佐信道・モラロジー研究所道徳科学研究センター長は「廣池千九郎の創建したモラロジーは、私ども研究所のものではなく、モラロジーを必要とする世界の人々のもの」「モラロジーや廣池千九郎の業績に関する国際会議は緒についたばかり」「今回、真摯に研究・発表してくださった海外の専門家の方々の力を借りて、21世紀版『道徳科学の論文』の刊行をめざしたい」と述べました。

最後に麗澤大学・中山理学長が挨拶に立ち、発表者ならびに参加者全員に深い感謝の念を表すとともに、「われわれは『道徳の力』を信じて、今後の学究活動をより充実したものにしていきたい」と締めくくり、三日間にわたる国際会議の幕を閉じました。