【開催報告】『坂の上の雲』を比較文明文化で考えるシンポジウム

「『坂の上の雲』を比較文明文化で考える」を総合テーマとする麗澤大学比較文明文化研究センターが主催するシンポジウムが11月27日に本学で開かれ、比較文明文化研究センター長で麗澤大学の松本健一教授による基調講演と学外の専門家を招いたパネル討論が行われ、240名が熱心に聴講しました。

シンポジウムは、まず初めに、松本教授による「『坂の上の雲』と明治の国民国家」と題した基調講演から始まりました。松本教授は、「司馬遼太郎は日露戦争をどう捉えて、どう書こうとしていたのか。『坂の上の雲』は戦争小説だと言われることもあるが、そうではない。明治23年に憲法が施行され、選挙も行われる。国民一人一人がその分野の歯車を回し、その小さな歯車が大きな歯車を回し、日本の国家を回していたのである。国民が一つになれば、その国が発展できるという思いは、明治の青年の青春であり、日本の青春であった。『坂の上の雲』はそれに対する応援歌であったと思う」などと指摘されました。

基調講演の後、ロシア科学アカデミー東洋学研究所主任研究員で拓殖大学客員教授のワシーリー・モロジャコフ氏と歌人の佐伯裕子氏を交えたパネル討論が行われました。

ワシーリー氏は、「『坂の上の雲』はトルストイの『戦争と平和』のような戦争の中の人間というものを描いていると思われる」などと話され、歴史学者から見た視点について話されました。
佐伯氏は、「『坂の上の雲』は男の文学の感じがする」と述べられ、女性側から見た戦争について、樋口一葉・与謝野晶子・平塚雷鳥などを紹介されて話されました。
松本教授は、佐伯氏の話を踏まえ、「現代の若い女性は考えが違ってきている。歴史に興味を持つ若い女性が多くなったが、坂本龍馬に興味があるというので、その時代なら龍馬の奥さんになりたいかと問うたところ、『龍馬になりたい』と答えた」などと話され、会場からも笑いが起こりました。

パネル討論の後の質疑応答の時間では、時間終了まで活発な意見交換が行われ、専門家の深い知見に基づく示唆に富んだ内容が参加者の心をひきつけ、非常に実りの多い時間となりました。

講演する松本教授

講演する松本教授

司会の立木教授

司会の立木教授

多くの聴講者

多くの聴講者

講演する松本教授

講演する松本教授

熱心に聴講

熱心に聴講

パネル討論

パネル討論

パネリストのお二人

パネリストのお二人

ワシーリー氏

ワシーリー氏

パネリストのお二人

パネリストのお二人

佐伯氏

佐伯氏

パネル討論

パネル討論

笑顔で

笑顔で