2月25日 尹 敏鎬 氏による日韓関係の公開研究会を開催【開催報告】

2月25日 16:30~18:00の約2時間、「日韓関係の新たな100年に向けて-日韓併合100周年の2010年に考えること-」と題し、本学の経済学部非常勤講師であり、米州開発銀行アジア事務所 事業研究情報の総括を担当している 尹 敏鎬 氏による公開研究会を開催しました。 
尹講師は8世紀の新羅の頃からの日韓関係を、詳細な分析を踏まえて論じました。1965年の日韓基本条約制定以来新しい日韓関係に入った後も、両国の政権の対外政策によって、両国の関係が揺れ動いてきたことを指摘され、これらを踏まえて、以下の点を強調されました。 
・ 1979年の朴大統領の暗殺直後に成立した全大統領が誕生した直後に日系企業が韓国からの撤退をおこなうなど最悪期であったが、中曽根総理の訪韓と全大統領との個人的信頼関係の確立が関係改善につながった。 
・ その後金泳三大統領時代の前半までは、韓国から見れば「良好な」日韓関係が続いた。アジア危機の年であった97年ころから悪化しはじめ、98年には日韓漁業協定の破棄にいたった。 
・ 小泉政権の下では、教科書問題などが日本側から提起されたために、再び関係が悪化した。2002年のワールドカップの日韓共催が関係改善のきっかけとなった。 
・ 金大中、ノムヒョンの二人の大統領は対国内向けに、日本に対して強硬路線をとった。2008年に誕生した李明博大統領は、日韓シャトル外交の復活、成熟したパートナーシップの形成を謳っている。しかし、日本の民主党政権の基本姿勢を慎重に見守っているのが現状である。 
・ 歴史教科書と竹島問題が変わらぬ日韓のテーマである。教科書問題は日本側の偏った情報提供者が問題を複雑にしている。韓国国民の心をつかんでいないことが最大の問題である。竹島には3名の韓国人が住んでいる。李政権は、韓国側の過剰な反応を抑える姿勢である。 
・ 一方で、実利に基づく日韓の経済・人的・文化交流が進んでいることは、新しい日韓の時代を示唆している。貿易関係も韓国の輸出に占める日本のシェアは7%程度に低下しているが、輸入に占める日本の地位は依然として16%程度と高い。サムソン製の携帯のなかにある半導体チップは日本製である。日本の素材供給が前提になっている。 
・ 今後の日韓関係の視点として、未来志向にたって、日韓両国が世界の中での経済大国であるという認識にたってリーダーシップを発揮すること、韓半島の問題解決には米中両国がカギを握っていること、日韓共同体に向けた取り組みとして日韓トンネルの開通を提案することなどが結論として示されました。

 

尹 講師

尹 講師

プロジェクト代表者:成相教授

プロジェクト代表者:成相教授