【開催報告】ノンフィクションライター・編集者の最相葉月氏による講演

麗澤大学比較文明文化研究センターでは、諸文明・諸文化の共生と交流を深めようとすることを目的とし、知的財産の社会貢献活動の一環として、毎年、学内外の講師を招いてのセミナーや研究会を企画・開催しています。今年度からは【文明と文化シリーズ】としてなお一層充実した内容を企画いたしました。

第一回目は4月26日、「心のケア 阪神淡路から東日本大震災へ」をテーマに、ノンフィクションライター・編集者の最相 葉月氏を講師に迎えて行われ、参加者は熱心に聴講していました。
最相氏は、東日本大震災に際し、被災地での取材活動から得た経験を自身の阪神淡路大震災での被災経験と交えながら、被災者、支援者、被災者であり支援者でもある者の立場から災害時の心のケア、PTSD、惨事ストレス等心身に与える影響について話をされました。東日本大震災においては、宮城県で支援活動を行った兵庫県チームを例に挙げ、兵庫県チームが阪神淡路大震災の被災経験から相手の立場に立った支援を行っていることに言及しました。「すべき」ではなく、「しないほうがいい、してほしくない」と思っていることを助言し、現場での支援から後方支援へのシフトなど地域体制を崩さない支援の仕方を理想的なケースであったと述べられました。

「心のケア」では、被災地へ支援やボランティアへ行った人々の受ける「惨事ストレス」の危険にも言及しました。災害地等へボランティアや支援にいく際には、「相応の覚悟、状況を理解すること、惨事ストレスを周知することが必要」と、惨事ストレスの重大性を語られました。
質疑応答では、NPO法人で活動をしている本学の竹内啓二経済学部教授の、「被災者と関わる際のアドバイスを」に対して、「心のケアは専門家にも難しい。被災者は患者ではない。細く長くそばにいてあげるしかないのではないか」、自衛隊など行政組織に対する国の「惨事ストレス」対策の有無についても、「整いはじめた」と答えられました。

次回は、6月28日(木)15時より、関川 夏央 氏(作家)をお迎えし、「子規の明るさと漱石の沈鬱」をテーマに開催いたします。

司会の松本センター長

司会の松本センター長

講師の最相葉月氏

講師の最相葉月氏

講演する最相氏

講演する最相氏

講演に聞き入る参加者

講演に聞き入る参加者