2012年度 日本の投資不動産市場の構造分析

不動産市場は、不動産の「利用市場」と「資産市場」からなる。利用市場は建物床の新設・更新を通じてストックが形成され床重要との均衡で床賃料が形成される市場である。資産市場は床賃料を期待収益率で資本還元することで資産価格を形成し、建物コストとの対比で不動産のGo/NoGoが決定される市場である。結果は建物床の新設・更新として再び利用市場につながっていく。単純に俯瞰するとこうした描写になるが現実はそう単純ではない。とりわけ不動産の資産市場における期待収益率の形成要因をめぐる構造分析は相対的に手薄である。本研究は投資不動産に焦点を当て不動産の資産市場の構造を系統的に明らかにすることを目的とする。以下のサブテーマをあげて遂行する。
(1) トータルリターンでみた不動産とほかの資産関連構造の国内外差異分析
(2) マクロ経済・金融要因が不動産及びほかの資産のトータルリターンに及ぼす影響分析
(3) 投資用不動産の減価要因の分析及び賃料水準にもたらす影響分析
(4) 鑑定評価ベースの不動産インデックスが持つ平準化問題の含意の再検討
(5) 同時期における鑑定評価価格と実勢売買価格との乖離要因の分析
(6) 不動産ポートフォリオのパフォーマンス評価分析
(7) マルチ・アセット・ポートフォリオにおけるオプティマイザーとしての不動産の評価分析
(8) 収益形成要因の確率過程モデルによる投資不動産の価値評価の新たな方法

◎高辻 秀興  経済学部・教授
籠 義樹   経済学部・教授
清水 千弘  経済学部・教授
小野 宏哉  経済学部・教授
鈴木 英晃  Investment Property Databank Ltd.UK本社
・データアナリスト
西岡 敏郎  Investment Property Databank Japan Ltd.・マネージング・ダイレクター
大越 利之  (財)土地総合研究所
[協]Keith G. Mckinnell Tongji University,  Shanghai・Director of The Real
Estate Academy in China