2012年度 欧米市場における金融派生商品取引の研究

2008年のリーマンショックを契機として、金融派生商品取引に対する金融関係当局の眼は厳しいものとなっている。いわゆるデリバリティブ取引は単にこれまでのような金利為替などの先物、スワップといった取引にとどまらず、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)等の新しいリスクの転嫁、変形を含むものにまで発展、進化している。こうした新たなタイプの金融取引はバランスシート上に表示されることが困難であり、伝統的なバランスシート規制の中では対応が難しくなっている。欧米各国では、こうした事態に対し、新たな市場監視を企図する動きが出ているが、実務上の困難さや金融機関側からの反対論も強く、その実現は難行が予想される。本研究では、金融派生商品取引市場の現状を可能な限り、概観し問題への処方の在り方についての議論を整理する。

◎佐久間 裕秋  経済学部・教授