2015年度 百貨店の競争優位性と広告戦略

 本研究では、既存の流通・マーケティング研究において明確な定義すら存在しなかった、百貨店業態に関して、消費者視点から検証し、その実態を明らかにするものである。昨今議論されている「百貨店離れ」とはどのような要因が原因となっているのか、また今度の百貨店の競争優位性とはどのようなものなのか、を検討する。

調査の結果、消費者の認識において、百貨店と駅ビル・ファッションビルが近年同質化しているという一般的見解を反証する結果を提示することができた。加えて、インタビュー調査から、直近の大手百貨店が取り組んでいる戦略を、①「合理化(業務効率化)」戦略、②「総合ライフスタイル発信セレクトショップ化」戦略、③「コミュニティ(場)形成の劇場化」戦略の3類型に整理、掲示した。また、百貨店の新たな売場設計として注目されている、「モノ」ではなく「コト」消費に注力を置いた売場づくりの有用性を、書籍の1章という形で文章化した。

◎圓丸 哲麻 経済学部・准教授