2015年度 東アジアにおける史跡・文化と観光開発の諸問題について

 1960年代の日本に始まる高度経済成長は、その後、台湾、香港、韓国、中国と東アジア各国・地域で起こり、国民所得は増加した。これに伴い、観光客が急増し、観光開発が急速に進んだ。

 本研究は、東アジア各国・地域において、観光開発と密接に関係し正負両面から大きな影響を受ける有形・無形の文化(史跡、民俗・民族、生活文化等)、および、観光スポットで語られる歴史性に着目し、個々の地域・ケースを検証し、その比較を通じて、東アジアの社会・文化の変貌を巨視的に捉え直そうとするものである。

 辛亥革命、老舎等、近代中国を代表する歴史的事件や人物が、如何なる地域で如何に語られているかについて、観光空間という視点を用い、その実態と意味を明らかにした。また、経済発展著しい中国西北の新疆ウイグル自治区における観光開発について、観光業者等にインタビューを行い、当地にある日本では未知の地酒・ムサッレスの製法を紹介した。さらに、台湾中部における観光開発が当地の言語に与える影響(新語の発生)、玉とそれをめぐる観光開発(製造、販売、博物館での展示等)の実態について明らかにした。

 

◎松田 徹 外国語学部・教授
 堤 和彦 外国語学部・准教授
 汪 義翔 東京理科大学理工学部教養・専任講師
 阿不都熱西提 阿不都勒提甫 モラロジー研究所社会科学研究室