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2015.02.18|最終更新日:2020.07.30|

防衛大臣・安全保障法制担当大臣の中谷 元 氏が講演

IMG_8427_2麗澤オープンカレッジ特別講演会(後援:千葉県教育委員会、柏・流山・松戸・我孫子・野田 各市教育委員会および柏商工会議所)の平成26年度後期第4回目が1月31日(土)に開催され、防衛大臣・安全保障法制担当大臣の中谷 元 氏が、テーマ「日本の安全保障」と題して講演されました。当日は255名の方々が来場し熱心に聴講されました。

なお中谷大臣の講演会は、当初は12月6日の第3回目を予定されていましたが、衆議院議員総選挙の時期と、第4回目に予定していた松本 健一 教授の訃報も重なったため、第4回目の1月31日に予定を変更しました。

中谷大臣は、12月24日に防衛大臣および安全保障法制担当大臣にご就任され、また、中東地域での日本人人質事件という国際的にも不安定な時期にもかかわらず、大変ご多忙なご公務の合間を縫って、本学に駆けつけていただきました。

中谷大臣は講演に先立ち、故 松本健一教授を偲ばれ、生前、教授から様々な教訓を授けられたエピソードをご紹介されました。松本教授からは、「ナショナリズムには、お互いの国が競争し合いながら、国同士が伸びていく"良いナショナリズム"と、悪口や批判をしたり、他の国を利用したりする"悪いナショナリズム"の2つがある。だから"悪いナショナリズム"を持たないようにしなければならないとの教えが、生涯忘れ得ぬ教訓となりました」と述べられました。

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中谷大臣は、スライドを使用されながら、幕末から明治・大正・昭和を経て、日本がどのような歴史を辿ってきたか、詳しく近現代史を説明されました。まずは幕末の志士・坂本龍馬の行跡について触れられました。龍馬は、現代でいうところの国際法である「万国公法」をいち早く取り入れたり、国家の基本方針を龍馬自身が起草したとされる「船中八策」をつくられたことを紹介されました。その後、明治維新から第2次世界大戦にいたるまでの歴史を、わかりやすく且つ、詳細に説明されました。

次に「集団的自衛権」について触れられました。集団的自衛権は、国連憲章(第51条)にも盛り込まれているとおり、国連に加盟するすべての国は「集団的自衛権」の権利を有しており、日本も例外ではないと説明されました。

中谷大臣は、やがて世界一の軍事大国となるであろう中国、長距離射程のミサイルを有している北朝鮮、次世代戦闘機や最新鋭の兵器を有するロシア等、我が国周辺の安全保障環境について説明の上、このように我が国を取り巻く安全保障環境がいっそう厳しさを増す中、国民の生命・安全を守るのが国の責務であることを強調されました。

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中谷大臣は来場者に「犯罪者から子供の安全を守るにはどうすればよいか?」と質問を投げかけられました。大臣は、「一人でいるよりも、集団登校をして皆で守り合うことが必要です」と言われ、これが集団的自衛権の考え方であり、抑止力としての日米同盟を維持・強化するとともに限定的な集団的自衛権の行使が憲法上認められることで、抑止力はますます高まっていくと説かれました。

中谷大臣は最後に、「一人の命を救うことは、世界を救うことに繋がります。国民の命、国家の平和、領土は断固として守ることが国家の使命です。外交と安全保障は、過去の歴史をみても、常に変わってきています。隙間・切れ目・スキがあれば、付け込まれます。あらゆる事態に対応することが必要です。安全保障に思考停止はありません」と力強く訴えられ、盛大な拍手とともに講演会を締めくくられました。