ジャーナリスト・毎日新聞論説委員の福本 容子 氏が講演
2015.5.12

IMG_8777麗澤オープンカレッジ特別講演会(後援:千葉県教育委員会、柏・流山・松戸・我孫子・野田 各市教育委員会および柏商工会議所)の平成27年度前期第1回目が5月9日(土)に開催となり、ジャーナリスト・毎日新聞論説委員の福本 容子 氏が、テーマ「女性の能力を活かせない国・日本」と題して講演されました。当日は229名の方々が来場し熱心に聴講されました。

福本氏はまず、国会議員の中で女性の占める割合を国別に表し、日本は先進諸国の中でも最も低いランクであることを指摘。また、今年4月に行われた地方統一選挙においても、全89市の市長選の内、女性の市長が当選したのは4市に留まっており、氏は政治の分野で、日本は世界から遅れをとっていることを示唆されました。

次に、民間においては、日本経団連が発表した「女性活躍支援・推進等に関する追加調査結果」では、”約3割の企業に女性役員が1名以上登用され、約90%の企業には女性が管理職登用されている”との結果が公表されているものの、そのアンケートの回答率が26.8%であることから「信憑性が極めて低いのではないか」と、その公表されたデータの信頼性を疑ってしまうとの発言をされました。

さらに、安倍内閣は2020年までに指導的立場にいる女性を30%にする、いわゆる”にいまる・にいまる・さんまる”の目標を掲げてているにも関わらず、2014年度の政府調査においては、国家公務員は3.3%、民間企業においても7.5%にとどまっている現状で、残り5年で達成させる道は大変険しいとの指摘をされました。

IMG_8737福本氏は、「なぜ今、日本で”女性”が決定的に重要なのか」と会場に疑問を投げかけられました。日本経済が低迷し、社会保障費は増え続けて国家財政が悪化している昨今、「真犯人は人口減少にある」と指摘。それを解決するには、①人口を増やす、②移民(外国人労働者)を増やす、③女性の労働参入を増やす、の3つの方策しかないが、①は長期的な政策となり、②は様々な問題をはらみ社会的な理解を得るのは難しい。しかし、③については、すぐにでも実行することができるのではないか、と提言されました。そのためには、「女性や男性が育児休業等を取りやすい労働環境を整えることが大切です」と強く訴えられました。

また、「変化を阻む目に見えないバイアスがかかっている」と、女性の社会進出を拒む最も大きな障害があることを示唆。福本氏は、「バイアスとは偏見であり先入観であり、その意識を変えるには大変なエネルギーが必要となる」と述べられました。「例えば、電車のアナウンスが女性の声になった時、最初は違和感を感じた方が多かったと思いますが、今では当たり前なっているでしょう。そのように、男性社会であることが当たり前だと思われている”心の刷り込み”を取り除くには、たくさんの女性が社会に出て活躍し、その”数”が必要なのです」と解説されました。

最後に、国を挙げて女性の社会進出を推進しているノルウェーを例を出され、「まず政治・行政から女性の活躍する場を推進し、その後に民間に波及すべきです」と指摘されました。また、すでに100カ国以上で導入されているクオータ制を日本でも導入すべきであると提案され、盛大な拍手とともに講演会を締めくくられました。