東大公共政策大学院客員教授、日本創成会議議長の増田 寛也 氏が講演
2015.6.18

第二部では石黒 博 柏市副市長、成相カレッジ長を交えてのパネル・ディスカッションも開催

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平成27年度麗澤オープンカレッジ特別講演会(後援:千葉県教育委員会、柏・流山・松戸・我孫子・野田各市教育委員会および柏商工会議所)の前期第2回目が6月13日(土)に開催となり、増田寛也氏(東大公共政策大学院客員教授、日本創成会議議長)を迎え「2040年地方消滅? ~地方創生が日本を変える~」と題して講演を行いました。当日は257名の方々が会場を埋め、熱心に聴講されました。当日は、第一部として増田講師による基調講演で、第二部として石黒 博 柏市副市長、成相カレッジ長を交えたパネル・ディスカッションを行いました。

第一部の基調講演では、増田氏は建設省都市局、岩手県知事、総務大臣を歴任された経験を踏まえ、国力の基本となる人口を原点において日本の将来を考えることが重要であることを示されました。増田氏は「国立社会保障・人口問題研究所(通称:社人研)の最新データによると、過去140年間で9,000万人ほど増加していた日本の人口が、今後90年間で同程度の人口減少が予想されている」と厳しい現実に触れられました。

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さらに「出生率2.07が日本の人口安定化のボーダーラインだが、2014年は1.42であったため年間3万人が減少し、出生率の低下と都市部への一極集中により、900の自治体が人口減少する。だからこそ少子化対策は本腰を入れて取り組まなければならない」とデータを基にした具体的な内容は、非常に説得力のあるものでした。続いて、フランスの事例を示して「減少のペースを緩やかにする社会を創る必要がある」として、世界的に成熟社会は人口減少が課題になっていること、育児環境のみならず日本の働く環境・女性のキャリア形成など、社会的な価値観の変化に対応していかなければならないと示唆されました。

最後に、「人口減少の時代を迎えた今、人口増を目指すのではなく、人口減を前提にして社会全体の仕組みを整え、暮らしやすい世の中にしていくこと。また、定年後のセカンドライフをどう過ごしていくか早めに考えていくことも大事」と会場に投げかけられました。

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第二部のパネル・ディスカッションでは、石黒副市長から「柏市の地方創生について」と題したプレゼンテーションが行われ、柏市の人口推移を基に市の人口減少社会への対策や取り組みを紹介されました。東京のベットタウンとして栄えた柏市の人口も、2025年をピークに減少傾向に転ずる想定で、「就労率が高い柏は、高齢者になっても生きがいをもって働ける場所の創出を検討している。“支えられる側”から“支える側”への人材や仕組みをつくっていきたい」と示されました。

増田氏からは「就労目的で柏市に流入してきた市民が、リタイヤ後に一体感をもたらすための政策がポイントとなる。多様な経験者は大きな資源で、このような方々に社会に対してどのように活躍してもらえるかがカギ。多世代交流やCCRC(継続的なケア付きリタイヤメントコミュニティ)を促進する仕掛けが必要で、柏ならできるのではないか」と提示されました。

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石黒副市長は「地域に住んでいる人が地域を考えるようなコミュニティ力が高まることが、安心して住むことにつながる。地域の人たちに外に出てきてもらう多様な機会があるとよく、大学の公開講座もその一つであり、受講生がどう地域で活躍していくかに期待します」と続けられました。成相カレッジ長は「麗澤オープンカレッジは開設10年目となった。行政は政策を進めていき、市民やNPOがイノベーションを起こしていただきたい。また、このROCKの受講生にもぜひ社会に出て働きかけてほしい」と提言されました。

増田氏は最後に「我々の選択で未来は変えられます。それは一人ひとりのセカンドライフを見つめなおしていくことです」と希望を示され、人口減少・少子高齢化問題の深刻さを実感できた時間となり、盛大な拍手とともに講演会は締めくくられました。

次回、第3回目の特別講演会は、7/11(土)に山田 吉彦氏(東海大学海洋学部教授)をお招きして「東アジアにおける海洋安全保障 -日本の役割-」をテーマに開催します。詳細は麗澤オープンカレッジ(ROCK)のHPよりご確認ください。

http://rock.reitaku-u.ac.jp/news/detail/28/