2016年度 「エコノミズムとは何か、それをいかに超えるか」

 現代の主流派経済学理論を支えている基本的な思考枠組を「エコノミズム」と呼ぶ。それはひとつのイデオロギーとして捉えることができる。経済システムの自律性信仰は他の社会システムからの自律のみならず、他の社会システムに対する優越感を助長し、自己利益追求の是認は利己主義や公益無視の正当化に結びつくほか、需要と供給から構成される市場概念は、経済主体の支え合いといった他の側面があることへの注目を回避し、効率重視は幸福感や生活の質にマイナスの影響を与えうるといった弊害がある。この「エコノミズム」は、どのように乗り越えることができるのか。 3年ほど前からこのテーマについて研究を進めてきて、ようやく全体像を示すことができるようなところまで到達した。エコノミズムを構成する 4 つの要素とそれぞれについて発生する弊害、そして、それぞれに対する処方笈を示す道筋が見えてきた。今後は、これを英語の形にして海外に発信する計画である。申請するプロジェクトは、そのうちの一部を構成するものである。


◎梅田 徹  外国語学部・教授