2016年度 中国社会・産業構造の変革と伝統文化の再構築

 中国は今、発展途上国からの転換を図る重大な局面に立たされている。ルイス転換点も越えた現在、GDPの増加率が7%を下回ることも予想され、従来型の量を重視した成長から質を重視した成長に転換し、賃金の上昇を吸収しつつ、国際的競争力を高めることが要求されている

しかし、そのためには、国有企業による独占を打破し、市場の自由化とイノベーションを一層推進し、IT化の加速やサービス業の発展に力を注ぐことが求められる。金利や為替の自由化、民間活力の導入も喫緊の課題である。その一方で共産党の一党独裁を維持するための情報統制という、市場化に正面から逆行する政策も取らざるを得ず、環境汚染に対する国民の不満、就職難に対する国民の不安にも対処しなければならない。また、急速に進む高齢化への対策も急務で、少子化と核家族化の影響で特に農村の高齢者のケアが置き去りにされ、農村は崩壊に瀕し、伝統文化が猛スピードで消滅し始めている。医療や教育の不均衡も顕在化している。

本研究はこういった中国が抱える問題を掘り下げ、分析することを目的とする

 

◎陳 玉雄  経済学部・准教授
 三潴 正道 外国語学部・特任教授
 宮下 和大 外国語学部・助教
 金子 伸一 外国語学部・非常勤講師