「21世紀の教育を考える」を総合テーマにした平成15年度麗澤大学文化講演会は5月24日、中曽根康弘元総理を講師に幕を開けた。会場は満員の盛況で、受講者は真剣に聴講。最近、「総選挙の争点は教育だ」との元総理の発言がニュースで流されたこともあり、マスコミ各社も多数詰めかけ、これまでにない盛り上がりを見せた。
テーマは「政治の本質と政局」。中曽根康弘元総理は自らが政治家として歩いてきた道筋の中で、体験した大きな政局の転換を簡潔に解きほぐした。日米講和条約締結の終戦直後、バカヤロー解散を行った吉田内閣時代、原子力の平和利用に取り組んだ科学技術庁長官時代、佐藤内閣の沖縄返還問題、小泉現政権などについて、時にエピソードを交えながら話した。そうした歴史を振り返り「政治は生きている。時には前提や既成のものでは通用しないときがある。そうした危機時をわたってくるのが政治家の本領。結果で勝負するものだ」と、熱く語った。また教育については「21世紀の政治の重要な一つ。これまでの経済国家から教育国家に変えなけばいけない。教育国家宰相が必要だ」とも述べた。
この後、松本健一麗澤大学教授と対談。「憲法改正の作者は国民。国民を守るための憲法を国民が作る」「世界の中でアイデンティティーを持っていないのは日本ぐらいのもの。若い人にはアイデンティティーを持ち、自国の歴史文化を愛する美しい日本人になってほしい」など憲法、教育基本法改正など中心に話した。会場は、中曽根元総理の予定を上回る熱のこもった講演、対談に大きな拍手が送られた。
中曽根元総理はこの後、新築された創立者・廣池千九郎記念講堂を廣池幹堂理事長の案内で見学した。講演の冒頭でも「廣池千九郎先生が、群馬県水上温泉の先の湯檜曽で道徳科学をお書きになっていた頃、お話を伺ったことがある」と縁があったことを述べていただけに、展示された創立者の研究業績など興味深く見入っていた。
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