1. ホーム>
  2. 未分類>
  3. 比較文明文化研究センター第3回セミナー「我が国の防衛について」

2007/07/13

比較文明文化研究センター第3回セミナー「我が国の防衛について」

去る6月30日、麗澤大学で恒例の比較文明文化研究センターセミ ナーが開催された。今回は初代防衛相の久間章生氏を招いての講演会であった。いつものセミナーと同じように、本学の学生、大学院生、一般の市民の方々が熱 心に耳を傾る中、75分の講演と45分の質疑応答のプログラムは特に問題なく終了したように思えた。

ところが、その日のうちに、久間章 生氏の長崎原爆投下についての発言だけがマスコミで大々的に取り上げられ、瞬く間に大きな波紋が広がった。結局、久間氏はその責任をとり、防衛相を辞任さ れたわけだが、このような事態となったことに対し、セミナー開催校としても非常に残念に思っている。

その後、「どうしてあのような講演 をさせたのか」とか、「原爆投下の解説は間違っている」などの声も若干ながら大学に寄せられ、改めて本学のセミナー開催の趣旨とはかけ離れた印象をお持ち の方もいることが分かった。ここで本学のセミナーについてご説明し、ご理解をいただく必要があると思う次第である。

原爆投下について申 し上げれば、長崎の場合も広島の場合と同様に、どのような政治的理由があれ、人道上、決して容認できないgenocide(大量殺戮・ジェノサイド)であ ることは言をまたない。被爆された方々の耐えがたいご苦労を思うと、今でも心の痛みを禁じえないし、世界の平和、人類の安心と幸福を願わずにはいられな い。

本学の比較文明文化研究センターは、21世紀の人類の文明文化のあり方を考えることを目的として、平成7(1995)年に設立され た。世界は現在、さまざまな面で、平和を揺るがすような危機に直面し、多民族、多言語、多宗教、多文化、多文明間で衝突と混乱が続いている。それを直視 し、それに基づいて現状を分析、解明して、広く世界の平和に寄与しようというのが同センターの目的である。方法論的には、多文明、多文化、多言語の存在を 尊重し、自然科学、社会科学、人文科学、総合の立場から、研究を進めている。

このような理念のもと、比較文明文化研究センターは平成7(1995)年の設立以来、毎年内外の講師を招いてセミナーを開催し、一般にも公開してきた。平成19(2007)年度の統一テーマは「平和研究」であり、以下のような5回のセミナーによって構成されている。

第1回 川窪啓資(麗澤大学教授)「比較文明と平和研究」
第2回 サイモン・マーティン  (University of Pennsylvania Museum, Research Specialist in Maya Epigraphy)「戦争と古代マヤ文明」
第3回 久間章生(前防衛相)「我が国の防衛について」
第4回 北岡伸一(東京大学教授)「これからの日本の安全保障」
第5回 阿曽村邦昭(吉備国際大学大学院教授)「平和構築と開発」

今回も平和は国防と表裏一体であるとの認識から、久間氏に講演を依頼し、大筋としてはテーマに沿った講演内容であったと理解している。今後も同センターでは多文明・多文化共存共生の理念のもと、さらにセミナーなどの学術・啓蒙活動を展開していきたいと考えている。