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2008/04/17

新入生の皆さんへ

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。まずは、麗澤大学の教職員と在学生を代表し、皆さんの入学を心から歓迎します。
さて、今日から いよいよ楽しい大学生活がスタートします。これからの4年間は、皆さんが将来どのようなキャリアにつくのか、どのような分野で社会に貢献するのか、人生の 方向性を見据えて準備をする大切な期間になります。卒業後に実社会で働くにしても、あるいは大学院に進学してさらに学問を追求するにしても、その基礎固め をするのは、これからの大学生活に他なりません。柔らかい頭脳で、スポンジのようにいろいろなことを吸収できるこの時代に、何を学んだか、そしてどのよう に自分の品性を高めたかが、その後の人生を左右するといっても過言ではないでしょう。
私事で恐縮ですが、昨年の4月、麗澤大学学長に就任した 時に、大学院時代の恩師より一幅の短冊をいただきました。それには自筆で「壮にして学ばば、老いて衰えず」と書いてありました。皆さんもご存じのように、 幕末の儒学者、佐藤一斎の有名な言葉です(『言志四録』)。壮年になると、社会的地位に安住したり、多忙な仕事にかまけたりして、ついつい学ぶことが疎か になりがちです。恩師のメッセージは「公私ともに忙しいときほど、しっかりと学びなさい」ということだと思います。この言葉は、その前後に「少くして学ば ば、壮にして為すあり」、「老いて学ばば、死して朽ちず」とあるように、壮年にかぎらず、常に学ぶことの大切さを伝えているようです。
苦しい 受験勉強が終わって、ほっと一息ついている人がいるでしょう。中には大学で思いっきり遊んでやろうと計画を立てている人もいるかもしれません。しかしなが ら、いかに遊びが人生にとって重要な要素だとしても、それを理由に学びを中断するのは、いかがなものでしょうか。学びは、受験勉強をもって、あるいは大学 卒業をもって終るものではありません。私たちが生きて行く限り、一生涯、続けてゆくべきものです。溶高炉は一端火を消すと、再び鉄が溶けるようになるまで 膨大な時間と手間がかかるように、知的活動における「中断」は、致命的な障害をもたらすことにもなりかねません。
学ぶことは決して苦しいこと ではありません。それどころか、知的好奇心がある限り、また主体的に学ぼうとする意欲がある限り、心から楽しめる活動と言えるでしょう。今までそのような 経験がないという人には、きっかけが必要かもしれません。それには、知的生活を楽しんでいる良き師と出会うのも一案です。幸い麗澤大学には、教育熱心で、 学問的にも優れた業績をあげている先生が大勢おります。
「麗澤」とは中国の古典の『易経』の「象(しょう)に曰(いわ)く。麗(つ)ける澤 (さわ)は兌(よろこ)びなり。君子以て朋友と講習す」からとった言葉で、「並んでいる沢が互いに潤し合う姿は喜ばしい。立派な人間になろうとする者が志 を同じくする友と切磋琢磨する姿は素晴らしい」という意味ですが、それは教師と学生との関係にもあてはまるのではないでしょうか。この麗澤で、皆さんが 「学びとは兌(よろこ)びなり」と心から言える出会いがあることを祈ってやみません。