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2008/05/07

新緑の囁きを聴きながら

れいたくキャンパスプラザでのラウンジコンサート

去る5月3日、廣池学園れいたくキャンパスプラザで開催された「ラウンジコンサート~新緑の季節に~」へお誘いをうけた。それは、まさに「新緑の季節に」というテーマにふさわしいコンサートで、楽しい音楽の夕べを満喫できた。

コンサートは二部構成で、前半がピアノ演奏、後半がピアノとチェロの演奏だった。ピアノの演奏者は児玉さや佳さん、曲目はショパンの作品10-9、グラナ ドスの詩的なワルツ、メンデルスゾーンの厳格な変奏曲。最後の曲は、メンデルスゾーンの他の作品と比べると、数少ないロマン派変奏曲であり、その名曲の特 徴である技巧性を再認識されてくれた演奏だった。

中でも印象的だったのは、ご本人がライフワークだとおっしゃる即興演奏。まず「廣池 学園の新緑」をイメージした曲を演奏した後、会場からテーマを募集し、そのイメージを即興でメロディーにするという趣向だ。「子供」という題を受けた演奏 が見事だったので、私も一つお願いすることにした。私がかねてから興味を持っている文学作品にイタリアの詩人ダンテ(13~4世紀)の長編叙事詩『神曲』 があるけれども、その代表的な挿絵のひとつとして有名なのが、19世紀のフランスの画家、ポール・ギュスターヴ・ドレによるエッチングである。そこでドレ による「天国篇」の挿絵の一枚、至高天においてダンテがベアトリーチェとともに天上の純白の薔薇の周りに集う天使たちを眺めている情景をイメージして演奏 してもらうことにした。やや凝り過ぎたお願いだったにもかかわらず、実にすばらしい即興演奏だった。

後半は、ピアノとチェロの演奏 で、ドイツの後期ロマン派を代表する天才作曲家、リヒャルト・ゲオルク・シュトラウスのチェロソナタより第一楽章が演奏された。チェロの名奏者の佐藤智孝 さんは、楽器の演奏だけでなく、トークもすこぶる流暢で、演奏曲の聴きどころについて解説。息のあったピアノとチェロの演奏とユーモアを交えたトークのお 陰で、実に和やかで楽しいコンサートになった。クラッシックの後は、映画『オペラ座の怪人』より“Think of Me”、『タイタニック』でセリーヌ・ディオンが歌った主題歌 “My Heart Will Go on”、そしてカーペンターズの名曲“Yesterday Once More”とポピュラー音楽の演奏が続いた。

「音楽を通して国 際交流をしたい。麗澤の学生さんにもぜひ演奏を聴いてほしい」という佐藤さんの言葉を胸に、会場を後にした。家内と桜並木を散歩していたら、若葉の香を運 ぶ夜風が実に心地よく感じられた。きっと、風薫る新緑の季節とマッチしたコンサートが、そのような自然の恩恵を味わう気持ちにさせてくれたのであろう。今 後も、れいたくキャンパスプラザでは、同様のコンサートイベントが定期的に主催されるそうなので、大いに期待したい。

演奏に聴き入る観客

演奏に聴き入る観客

児玉さや佳(ピアノ)・佐藤智孝(チェロ)

児玉さや佳(ピアノ)・佐藤智孝(チェロ)