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2009/03/11

これからの麗澤大学の学部教育

―開学50周年を迎えて―

平成21年度は、麗澤大学が開学50周年を迎えることになる。今年が、過去への感謝、現在への満足、未来への希望を覚えるような一年であること望むばかり だ。50年といえば、「人間五十年 化天の内をくらぶれば 夢幻のごとくなり」と織田信長も述べているように、一つの区切りとなりうる時間のスパンであ る。

事実、この50年で日本の大学を取り巻く環境も夢幻のごとく急激な変貌を遂げた。日本社会は20世紀型工業社会からグローバル化 する知識基盤社会へと移行し、大学教育もエリート段階からユニバーサル段階に達したといわれている。昨今、自立した「21世紀型市民」の養成が大学教育に 声高に求められるのも、このような時代の変化に対応した質の高い教育が必要とされるからだろう。いうまでもなく、この21世紀型市民に不可欠なのは、専門 的知識だけでなく、国際的通用性を備えた幅広い教養や高い公共性・倫理性である。

このような時代の要請に応えるため、麗澤大学は、グ ローバル・リテラシーに裏付けられた学識と、世界の人々から信頼される品性を備えた人材を養成することをその教育目標に掲げてきたが、これからの麗澤大学 はどのような道をすすむべきだろうか。新年度から両学部の舵取りをする学部長に、それぞれの視点から、将来ヴィジョンと熱い思いを語ってもらうことにしよ う。

(1)外国語学部(奥野 保明学部長)

①教育方針
外国語学部の教育目標 は、地球上の多様な言語・文化・思想が衝突し、混乱が深まる危険性が認められる情勢にあって、互いの相違点を認め合い、助け合ってゆく社会を築くために貢 献しようとする21世紀型市民、国際的教養人の育成にある。そして「多言語・多文化総合カリキュラム」設定のねらいは、急速なグローバル化と激しい社会の 変動に対処できる柔軟性と実行力、生涯教育の視点に立った価値観と精神力をバックボーンとして、コミュニケーションの手段となる英語・外国語の運用能力を 鍛え、自ら考え、行動し、問題を平和的に解決する手段や方法を身に付けさせることにある。

②求める学士力
現代社会の要請と 将来の進路・キャリアを視野に入れた<主専攻>と<副専攻>を中心とする学習と研修に加え、世界に広がる提携校への留学、海外語学研修やボランティア実 習、地域社会とも連携した社会活動等を通じて、21世紀の国際社会で積極的に活動するための幅広い教養と専門性をしっかり身に付けてもらいたい。心豊かな 社会を築くために、良き伝統を受け継ぎ、それに何らかの創造を加えて、次の世代に渡すべく共に努力する麗澤の校風を堅持しよう。

③キャリア・ポリシー
国際機関・異国の地で各国の調和と発展のために働く者、英語教育・日本語教育に携わり次の世代を育てる者、英語圏地域・EU地域・東アジア地域をはじめ世 界各地の企業で活躍する者、そして今後益々国際化する日本の市町村で、異文化コミュニケーションの橋渡しを担う者の輩出を期したい。

(2)経済学部(高 巖次期学部長)

①教育方針
経済学部における教育は、国際性と倫理性を備えた、社会に貢献し得る人材、すなわち「国際公共人」の育成を目的とする。それは、経済学・経営学に関する基礎的な専門力を身につけた、「持続可能な社会」の構築に資する人材を、世に送り出すことである。
麗澤教育では、目指すべき人物として、第1に「大きな志をもって真理を探究し、高い品性と深い英知を備えた人物」、第2に「自然の恵みと先人の恩恵に感謝 し、万物を慈しみ育てる心を有する人物」、そして第3に「自ら進んで義務と責任を果たし、国際社会に貢献できる人物」を掲げている。これを、経済学・経営 学の場で具体化することが、本学部の中核的なミッションである。

②3つの力を育む
麗澤教育にいう3つの人物像は、言い換えれば、①「物事を公平にみる力」、②「つながる力」、③「実行する力」を備えた人材ということになる。それぞれの力が「持続可能な社会の構築に資すること」は容易に理解できるはずだ。
第1に、歪んだ目で世の中をみていては、問題は解決できない。志もなく、言動に筋が通っていなければ、自分自身が問題を引き起こす可能性さえある。周囲の理解を得、協力を引き出し、物事を成就するには、どうしても「物事を公平にみる力」が欠かせない。
第2に、世の中には、いろいろな利害を持った人たち、異なる文化や発想の人たちが多数いる。現実の社会は、むしろ多様なのが常態と思って間違いない。「国 際公共人」として、この多様性を受けとめ、各々を活かす方法を構想する必要がある。また構想からさらに一歩進み、多様性を通じて新たな価値を創造していか なければならない。これを可能とするのが「つながる力」である。
第3に、この社会には、理屈だけ述べて、行動しない人、自らの責任を全うしな い人が多数いる。社会が本当に欲しているのは、自らのやるべきことを考え、率先して行動できる人だ。建学以来、麗澤大学には「人が見ていようがいまいが、 正しいことであれば、また人がよろこんでくれることであれば、率先して実行していく」(義務先行)という道徳律がある。そうした人材は、難問が山積する 21世紀社会においてこそ、益々、強く求められるはずだ。

③皆さんへの約束
麗澤大学開学50周年の記念すべき年にあたり、 経済学部は、改めて、この麗澤教育の理念・基本に立ち返り、これまで以上に、これら3つの力を備えた人物の育成に力を集中していく。麗澤大学の麗澤大学た る「ゆえん」を再認識し、これを新たな形にして、今に蘇らせる。それが、経済学部の最も大きな社会的責任であり、価値ある「ミッション」(使命)である、 と考えるからだ。
麗澤大学経済学部には、他大学にない「圧倒的な競争力」がある。それは、教職員スタッフが目標や課題に果敢にチャレンジして いく「機動性」であり、全員が心を一つにして物事にあたる「一体感」と「結集力」だ。経済学部は、組織のこの強みを存分に発揮し、「物事を公平に見る力」 「つながる力」「実行する力」という3つの力を備えた人材の育成に、計画的・体系的に取り組んでいく。


大空へ羽ばたく鳥のように、両学部長のリーダーシップの下、50周年を迎える麗澤大学が、そこに学ぶ若人ともども飛び立って、この日本を導びいてゆく恵みを切に祈りたい。