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2009/04/03

『大学生のための道徳教科書』完成!

皆さんもご存じのように、今年は麗澤大学開学50周年を迎え、それを祝う記念事業が目白押しであるが、またひとつ記念すべき事業が完成した。麗澤大学の 教養教育のコア科目であり、建学の精神を理解する授業である「道徳科学」の教科書、道徳科学教育センター著『大学生のための道徳教科書-君はどう生きる か?-』が4月1日に上梓されたのである。翌2日の入学式の後、いよいよ新学期が始まり、実際に新教科書が授業で使用されることになるが、学生諸君がどの ような感想を抱くのか、不安と期待に胸が膨らむ。

本書は、大学教育における「初めての試み」としてのモラルの教科書ではないかと自負している。倫理学、宗教学について論じた大学のテキストはあるだろうが、モラルそのものを真正面から学問的に扱った大学のテキストは、私の知る限り、本書以外にはないように思う。

また一般に大学のテキストといえば、大学の先生が執筆するものと決まっている。特に「モラル」がテーマとなると、えてして上の目線から見た、一方通行的な お説教になりがちだ。しかし、本書は「学生の視点」をできるだけ取り入れて、教条的な修身書にならないように留意した。具体的には、つぎのような作業手順 に従った。まず、「道徳科学」を受講した学生の中からモニターを依頼あるいは募集し、彼らをグループに分け、グループごとに、同科目ですでに使用していた 教科書『道徳科学へのいざない』(平成20年度)の担当箇所を割り当てた。学生たちに前もって担当箇所を熟読玩味し、疑問点や問題点をすべて洗い出しても らうためだ。ワークショップでは、それぞれのグループごとに教員がはりつき、内容はもとより仔細な表現に至るまで徹底的に検証し、話し合いがもたれた。

どのワークショップも、まとまった十分な時間が必要だったので、授業のない日をそれにあてた。ワークショップは、1日がかりのロングランだったけれども、 疲労感や重圧感は微塵も感じられなかった。それどころか、とても有意義で充実していたからだろう、瞬く間に時間が過ぎていったような気がした。参加した学 生たちも同じ感想を抱いたらしく、いつものミーティングとは違う知的刺激と充実感を満喫できたと好評であった。

そこで最後のワーク ショップは、新教科書の初校を再度検討するため、群馬県みなかみ町の麗澤大学谷川セミナーハウスで1泊2日の合宿を行うことにした。セミナーハウスには、 病弱だった創立者廣池千九郎自身が、身体に良いといわれる温泉を全国各地90箇所以上も行脚し、万人を肉体の病気から守りたいという一念で、昭和12年に 開設した名湯がある。今回のような知的作業を行うには、また創立者の建学の理念や道徳思想に触れるには、まさに申し分のない自然環境と温泉施設が完備して いる。今まで以上に成果があったことは言うまでもない(詳しくはhttp://cmse.reitaku-u.ac.jp/)。端的にいえば、本書は、教師と学生とのコラボレーションの産物に他ならない。

本書を構想して完成するまでちょうど1年かかったが、比較的短期間で形になったのは『道徳科学へのいざない』という、すでに内容の充実したテキストがあったからであり、同書は新テキストの基盤を構成している。

道徳科学教育センターを活動拠点とする私たちの試みは、本書の上梓をもって終わるわけではない。本書は「理論編」であり、これに続いて大学生のための「道 徳実践編」のテキストを作れないだろうか。麗澤大学では、授業以外にも、寮長セミナーやリーダーセミナーなどの学生支援活動、キャンパス内外での課外活 動、地域社会との連携、留学制度など、様々な自己発見、自己啓発の機会が提供されている。それらの実体験をモラルの視点で見直し、意味づけてはどうか。ま た現在の教科書の執筆は「道徳科学」を担当する教員が中心であったが、大学教育がグローバル化への対応を求められている現在、麗澤と同じように道徳教育に 力を入れている海外の大学と共同で、国際的な視点を積極的に盛り込んだテキスト作りに挑戦してはどうか。私たちのセンターの夢と構想はさらに膨らむ。

※『大学生のための道徳教科書』は麗澤大学出版会から出版され、平成21年4月9日から 定価1500円(税別)で販売される。
詳しくは麗澤大学出版会ウェブサイト(http://www.rup.reitaku.jp/)をご覧ください(4月10日に更新予定。

新テキスト『大学生のための道徳教科書』

新テキスト『大学生のための道徳教科書』