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2009/05/23

国際人口学セミナー開催

―麗澤大学開学50周年記念学術行事、第一弾!―

去る5月23日、廣池千九郎記念講堂にて、麗澤大学開学50周年記念行事の国際的学術行事である国際人口学シンポジュウム「私たちは歴史から学べるだろうか:気候・飢饉・疫病」が開催された(詳しくは麗澤大学HPを参照)。麗澤大学を代表し、下記のような開会挨拶をした。

「ご紹介にあずかりました麗澤大学学長の中山理でございます。

さて、今回、私どもの麗澤大学は、国際人口学会(IUSSP)歴史人口学パネル主催・日本人口学会協賛の国際セミナーをホストしたわけでございますが、その成果報告をもとに、本日こうして公開シンポジュウムを開催できますことを大変光栄に存じます。

本日のシンポジュウムには、世界的に著名な先生方にご参加いただいております。スウェーデンのルント大学で経済史学・人口学がご専門のトミー・ベントソン 教授(Tommy Bengtsson)、比較経済史、歴史人口学がご専門の斎藤 修一橋大学名誉教授、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で社会学がご専門のキャメロン・ キャンベル教授(Cameron Campbell)、そして文化功労者で、今年、日本人として初めてフランス学士院の「倫理・政治学アカデミー」客員に選ばれ、国際日本文化研究セン ター、慶應義塾大学、そして本学麗澤大学の名誉教授でもあられる速水 融先生、最後に台湾の中央研究院・副院長の劉 翠溶先生でございます。高い所からで はございますが、麗澤大学を代表いたしまして先生方のご尽力に心から御礼申し上げます。

さて、今年、平成21年は、麗澤大学にとりま しては特別の年でございまして、本学は開学50周年を迎えました。麗澤大学の前身である道徳科学専攻塾まで遡りますと、来年の平成22年には廣池学園創立 75周年を迎えます。このエポック・メイキングな記念年にあたり、本学では、さらなる教育と研究の充実および発展を目指すべく、様々な記念行事を計画いた しました。記念行事の統一テーマは「知のモラルの再構築―地球と人類の平和をめざして―」でございまして、本学の建学の精神、「知徳一体」を現代的に展開 し、「持続可能な社会」の構築を目指す上で、知とモラルではなく、知のモラルとは何かを、モラルハザードが蔓延し、環境破壊が進行している現代社会に問い かけてみたいと考えております。

本シンポジュウムは、その中でもとりわけ重要な記念行事でございます。と申しますのも、本学と歴史人 口学研究とは学問的にも人材の面でも深い関係にあるからでございまして、2006年、先ほどご紹介いたしました本学名誉教授の速水先生より膨大な歴史人口 学研究の資料と書籍を寄贈いただきました(※1)。それを歴史人口学アーカイブとして受け入れ、本学の黒須里美教授を代表者とする歴史人口学研究のプロ ジェクトが発足したわけでございます(※2)。まさに文字通りの麗澤アーカイブができましたことは、本学の創立者廣池千九郎が 日本で最初に「アーカイブ ズ」の設置を提唱した民間の学者であったことを思い起こしますと、すこぶる意義深いことでございます。廣池は明治24年、1891年、当時としては画期的 な九州中津の地方史『中津歴史』を執筆しましたが、その際、古文書や古記録の保存は劣悪だったことから、アーカイブズを設置すべきだと提言したのでした(../essay/2009020910290047.html)。この創立者のアーカイブズ設立の願いは、それから115年の年月を得て、本学で歴史人口学の分野において達成されたことになります。

本日のシンポジュウムのテーマは「Lessons from the Past: Climate, Famine, and Disease ~私たちは歴史から学べるだろうか:気候・飢饉・疫病~ 」でございまして、日本人にとって最も近い過去における「飢饉」と「パンデミック」に焦点をあて、長期的・比較的視野から興味深い議論が展開されると思い ます。ドイツのビスマルクは「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言ったそうでございますが、自分の経験からすべてを学ぶと信じているのは愚かでござ いしまして、私たちは、自分の誤りを避けるため、他人の経験からそして歴史から学ばなければなりません。折しも日本では新型インフルエンザに対し一部過剰 と思えるまでの対応がなされておるように思えることがございますが、このような時こそ、「私たちは歴史から何を学べるか」を自問するという、このような冷 静な学びの態度が必要なのではないでしょうか。

本シンポジュウムの成功を心より祈念いたしまして、ご挨拶といたします。」

公開シンポジュームの前夜には、貴賓館で学長主催のパーティーを開催し、法人側からは廣池幹堂理事長も参加し、打ち解けた雰囲気の中にも、活発な交流が行 われ、会場は大いに盛り上がった。海外からの参加者と親しく話をする機会があったが、口々にキャンパスの豊かな緑、環境の素晴らしさ、そして学園職員の献 身的な協力が話題に上り、満足されていたようだったので、主催者として嬉しく思った。

(※1)
速水先生の寄贈図書・史料の概 要を紹介すると、①歴史人口学関連図書 1,440冊 ②府県統計書(マイクロフィルムから分析しやすいように紙焼きしたもの)明治~大正 4,350冊  ③資料画像情報 マイクロフィルム 1,732リール、CD25本、DVD 19本(約1,520ヵ村、約14,539村・年)幕末期には約300町村に及ぶ。江戸時代の町村数は6~7万といわれているから、全国にならせば 0.5%に近い ④画像資料の紙焼き 約3,700冊(約690ヵ村) ⑤BDS(Basic Data Sheet)オリジナル資料を解読し分析のために個人をリンクしたシート(約400ヵ村、約8,660村・年)⑥BDSを入力したデジタルデータ  940,682人・年

(※2)
2006年、経済社会総合研究センターのプロジェクトの一つという位置付けでスタートした(http://ripess.reitaku-u.ac.jp/project/2008051911285933.html)。現在、麗澤大学の図書館4F「人口・家族史研究プロジェクト室」において、上記寄贈資料の整理を継続中である。

満席の会場

満席の会場

開会の挨拶

開会の挨拶

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子