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2009/11/18

今年度を締めくくる大学開学50周年記念行事

これまでも本学のウェブサイトやブログで度々取り上げてきたが、今年は開学50周年を記念する行事を精力的に開催し、多くの参加者から好評を博してきた。 たとえば、本年、文化勲章を受章された本学の速水融名誉教授(慶應義塾大学名誉教授)がパネリストとして参加された国際人口学セミナー、本学の創立者廣池 千九郎の倫理・道徳思想をテーマにし、世界の著名な学者がその業績の評価を論じ合ったモラル・サイエンス国際会議、そして読売新聞社と共催で開催した企業 倫理シンポジウムなどである。これらの周年記念行事に統一テーマとして「知のモラルの再構築-地球と人類の平和をめざして」を掲げたことはすでにご紹介し たとおりである。

これらのメイン行事に加え、去る11月14日、「比較文明文化研究センター・シンポジウム」と「第21回麗澤大学英 語教授法セミナー」がダブルヘッダーで開催された。位置づけはサブ行事ではあるけれども、内容的には本学の研究・教育の特色を社会に発信するにふさわし い、本年度を締めくくる有意義な行事であった。そこで行った学長挨拶の一部をここにご紹介したい。

(1)比較文明文化研究センター・シンポジウム「人類と母なる大地のゆくえ―いま、トインビーが世界に発信するもの―」での挨拶(抜粋)

「・・・・ 統一テーマを『知のモラルの再構築』といたしましたのは、経済至上主義や物質主義に囚われた時代にあって、『持続可能な社会の構築』とともに倫理的、道徳 的理想を追求する姿勢が学問にも必要だと考えたからに他なりません。学問におけます倫理・道徳性の欠如につきましては、経済学一つをとりましても、ノーベ ル経済学賞受賞者のアマルティア・センが、『現代経済学の主要な欠陥は、経済学と倫理学との深刻な乖離にある』と述べている通りでございます。

21世紀は知識基盤社会ともいわれ、大学教育でも21世紀型市民を養成するための『知の再構築』が目標に掲げられてはおりますけれども、その再構築の中身 につきましては抽象的なままでありまして、これを実際にどう構築するかの道筋につきましては、トインビーの言葉を借りれば、まさに“Groping in the Darkness”『暗中模索』の状態にあるのではないでしょうか。本学は創立以来『知徳一体』(知識と道徳は一体であるとする理想)を建学の精神として 掲げておりますので、この周年の機に原点に立ち戻り、その建学の精神を現代的に展開しようと考えました。本日、これから開催されます比較文明文化研究セン ター主催のシンポジウムも、そのような本学50周年記念行事の一環として位置づけたいと存じます。

本学の比較文明文化研究センター は、1995(平成7年4月)年の創設以来、14年にわたり、一貫して世界の諸文明・文化の比較研究と、諸文明の共生の道を探って参りました。まさに周年 行事のテーマの副題のごとく、『地球と人類の平和をめざして』学術的研究を進めてきたわけでございます。その学問的姿勢と情熱は『一をもってこれを貫い て』おりまして、先ほど廣池理事長のご紹介にもございました初代センター長の伊東俊太郎先生、アメリカ文学で博士号を取られトインビー研究においても深い 学識をお持ちの第二代センター長の川窪啓資先生、そして、日本思想史、アジア文化論を基盤にして独自の比較文明論・文化論を展開しておられます現センター 長の松本健一先生に至るまで連綿と受け継がれております。本日、このような本学の誇りとする学問的成果を、志を同じくする他大学の研究者の先生方と協力し て社会に発信できますことは、本学にとりましても、まことに意義深いことでございます。

『人類と母なる大地のゆくえ―いま、トインビーが世界に発信するもの―』と題する本シンポジウムの成功を祈念して、私のご挨拶といたします。」

(2)第21回麗澤大学英語教授法セミナー「これからの英語教育」での挨拶(抜粋)

「・・・  本日、これから開催されます第21回の英語教授法セミナーも、本学の周年記念行事の一環に位置づけられています。その関係もありまして、いつもより特色 あるものにすべく、NHK教育テレビでもお馴染みの大西泰斗(おおにし・ひろと)先生と、本学でも特に学生に人気の高い教授、ポール・クリス・マクベイ先 生を講師にお迎えし、『これからの英語教育』という題目でお話をしていただくこととなりました。

では、『これからの英語教育』という テーマと周年記念行事の『知のモラルの再構築』という統一テーマは、どういう関係にあるか、私なりに考えてみますと、イギリスのマナーの歴史の解説書には よくでてくる、今から300年近く前のイギリスの政治家・文人が脳裏に浮かびます。皆さんは、フィリップ・チェスターフィールドという人をご存知でしょう か。このチェスターフィールドは1千万人以上の人々に読み継がれているという世界的名著、『息子への手紙』(Letters to His Son 1774年)の著者であります。本日のマクベイ先生と大西先生もオックスフォードで学問を修められたそうですが、この『息子への手紙』は、イギリ スでは、マナーの古典としてよく知られている本で、内容は父親が息子に書き送った処世訓が中心となっています。当時のイギリスは重商主義で、経済的発展を 謳歌し、ある意味では今の経済大国の日本と国情が似通っているところがありました。チェスターフィールドは、経済の繁栄を支える基盤としてマナーや道徳が 必要だと説いているわけです。そのチェスターフィールドの処世訓の中には、話し方、書き方、表現法など、いわゆる語学力アップについての具体的アドバイス もいろいろと述べられております。これを国際化の波が押し寄せている現代の日本の学校教育に当てはめれば、グローバル・リテラシーをどうやって効果的に身 につけるかということになるでしょう。もちろん、日本でグローバル・リテラシーと言えば、国際共通語の英語でございます。

そのような意味でも、どのようにして効果的な英語教育を実践するかについてお話を伺うことは、まさにチェスターフィールドの手紙にも劣らぬ現代版のアドバイスを伺うことに匹敵するであろうと期待に胸が膨んでいるわけでございます。

今回の英語教授法セミナーをもちまして、本年を締めくくる最後の周年行事になりますので、きっと有終の美を飾っていただけるものと信じて疑いません。簡単ではございますが、このセミナーの成功を祈念してご挨拶と致します。」

『息子への手紙』(Letters to His Son 1774年)

『息子への手紙』(Letters to His Son 1774年)