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2011/09/13

今でも届く海外からの善意

麗澤大学とアメリカ合衆国マサチューセッツ州のボストン大学とで学術交流協定を結び、同大学の人格・社会的責任センター(Center for Character and Social Responsibility)と、本学の道徳科学教育センター(Center for Moral Science and Education)とで、人格教育の研究および教材開発を行うための共同プロジェクトを立ち上げていたが、今年度中にようやくその成果が共同執筆書、 Happiness and Virtue beyond East and West: Toward a New Global Responsibilityの出版となって実を結びそうである。本学が共同プロジェクトに取り組むことになったきっかけは、今から2年前、平成21年の 秋に、本学の創立者廣池千九郎の『道徳科学の論文』の英訳書、Towards Supreme Morality(全3巻 約1530ページ)を携えて、ボストン大学を訪問したことだった。
共同プロジェクトに協力するボストン側の教授陣は、ケヴィン・ライアン博士、カレン・ボーリン博士、ベニース・ラーナー博士の3人で、どなたもアメリカの道徳・倫理教育、特に人格教育の研究分野を代表する学者である。
日 本の高等教育で道徳教育や人格教育というと、「それは価値観の強制だ」とか、「それは小学校や中学校で行うものだ」とか、否定的な意見をしばしば耳にする けれども、現在のアメリカの高等教育では、21世紀における知の再構築を目指し、再び道徳・倫理教育が復活しつつあり、道徳や倫理を研究するセンターやそ れに関連するプログラムは、全米でゆうに100を超える。とりわけ、道徳・倫理の学問・教育分野は本学のブランドでもあるので、グローバルなネットワーク を構築し、国際的に貢献したいと考えているわけである。
さて、本書の序文を誰に書いてもらうかということが話題になったとき、アメリカ側も日 本側も諸手を挙げて賛成したのが、発達心理学・教育学の著名な専門家、ニューヨーク州立大学教授のトマス・リコナー博士だった。リコナー博士は、序文を書 くに当たり、本書の全原稿を熟読玩味しただけでなく、奥方にその一部を声に出して読んで聞かせて、感想を分かち合ったという。その上で、先の東日本大震災 の犠牲者のためと本書紹介のために原稿料の全額を寄付したいとの申し出があった。
リコナー博士の言葉と行為に勇気づけられ、純粋に学問を通して 社会的に貢献したいというその心意気に感動した私は、もし渡米した際に機会があれば、ぜひ奥方ともどもディナーに誘いたいとメールを送ったところ、今度は 逆に自宅に遊びにきてほしいというお誘いまでいただいた。アメリカで「一流人」のことを “class act”というが、まさにこの言葉はリコナー博士のためにあると言っても過言ではないだろう。
来年の4月にはボストン大学で本書をテーマにしたシンポジウム開催の話も出ている。博士のご厚意に報いるためにも、何とか成功させたいものである。この場を借りて、リコナー博士に心より感謝の意を表したい。

Thomas Lickona, Ph.D.,serves on the Board of Directors of the Character Education Partnership and the advisory councils of Character Counts Coalition and Medical Institute for Sexual Health. He has been named a State University of New York Faculty Exchange Scholar and is the recipient of the Distinguished Alumni Award from the State University of New York at Albany. His most recent books are Character Matters: How to Help Our Children Develop Good Judgment, Integrity, and Other Essential Virtues (2004) and Character Quotations (2004, with Matthew Davidson). His recent work includes directing a two-year study of high school character education and co-authoring Smart and Good High Schools: Developing Excellence and Ethics for Success in School, Work, and Beyond (2005) with Matthew Davidson. Professor Lickona wrote the introduction to this volume.</em>