1. ホーム>
  2. 未分類>
  3. フィリピンの提携校パーペチュアル・ヘルプ大学で講演③

2016/03/05

フィリピンの提携校パーペチュアル・ヘルプ大学で講演③

 実質的な最終日となった24日は、UPHがエクステンション事業として実施している刑務所での更生プログラムの見学からスタートした。ホテルからほど近いニュービリビット刑務所を訪問すると、入口では荷物検査等があったものの、中に入ると刑務所と言う感覚がなくなってしまった。刑務所の囚人が「学生」と呼称され、ペットボトルを利用した飾り物作りや木の板に高熱のニクロム線を押し付けて描画するもの、瓶の中にミニチュアの帆船を製作するもの等々、技術を身に付けて社会復帰を容易にさせることを目指した更生プログラムは、一見すると皆さん楽しそうに取り組んでいた。一通りの見学が終ると、歓迎セレモニーが準備されていた。「学生」によるコメディタッチの演劇、バンド演奏等々、フィリピン人の歓迎の仕方は盛大である。最後にコメントを求められたが、生涯において最初で最後となるであろう、刑務所でのスピーチを経験した。どの人も、決して悪人には見えず、一日も早い社会復帰を願うのみである。

image018

左が河野支店長、右が小林氏

 この日の夕刻、マニラのビジネス街として日本企業が軒を連ねるマカティ市にある伊藤忠商事株式会社マニラ支店を訪ね、河野支店長に面会した。これは、モラロジー専攻塾の3期生で勤務先の駐在員としてマニラに2年ほど在住しておられる小林申孝氏の仲介により実現した。河野支店長は、マニラ日本人会副会長も務められており、先般の両陛下ご訪問の際には、晩餐会に招待された経験をお持ちで、その時の様子を伺うと、拝謁されたご体験が大変感動的であったことが実感された。また、フィリピンと日本のこれからの関係に話が及ぶと、脱中国の動きが加速していることや、日本との関係強化に対する期待等、日比関係がまだまだこれからであることを随所で強調されていた。

現地におられる日本人・日本企業の立場から見たフィリピンの姿を聞くことが出来たことは大きな収穫であった。

  今回のフィリピン訪問に際しては、パーペチュアル・ヘルプ大学日本代表の出張恵久氏および副代表の石井幸雄氏の多大なるご協力をいただいた。ここに心より感謝申し上げたい。また、先に紹介した小林申孝氏には、河野支店長との仲立ちばかりではなく、事前の情報提供や現地での行動に便宜を図っていただく等、様々なお心遣いをいただき、誠にありがたい存在であった。こうしたバックアップをいただいたお蔭で、大変充実した内容の訪問になったことに、改めて感謝申し上げる次第である。

 最後に同行していただいた溝口哲郎准教授、今村稔学事部長ならびに片山大輔入試広報グループ職員の感想をご披露して締めくくりとしたい。

溝口 哲郎准教授

・ 英語&専門教育についてはレベルも高い。フィリピン独自の訛りはあるが、英語コミュニケーションの教員等は非常にレベルの高い英語を話し、教え方もアクティブ・ラーニングを中心とした授業を展開し、麗澤大学における教育に応用できると考えられる。そのため、内向的な麗澤の学生がUPHの授業を履修することによって、プレゼンテーション能力を高め、英語による積極的な自己主張をすることができるのではないかと考えられる。

・ホスピタリティ・マネジメント学部の授業等を踏まえると、外国語学部も加えた留学提携校にすることを検討すべきであるので、一度外国語学部の教員についても、フィリピンの視察に来てもらうことが望ましい。

・諸外国から留学生(特に発展途上国)が来ており、多文化に触れるという点で興味深いと感じた。ただし人種的な壁が存在しており、彼らは比較的自分の人種で固まる傾向があり、実際に人種によるグループを見ることが多かった。

・ 基本的にアメリカ文化が浸透し、そこにプラス日本の文化がある感じなので、慣れてくるとほぼ貧富の格差がひどい発展途上のアメリカという感覚で生活できるのではないかと思った。またトップダウンでの決定でもあるように思えるので、ある程度トップに話をつけながら提携学部を模索していく必要があるかもしれな い。

・フィリピンの学生はホスピタリティにあふれており、UPHの学生は素直な印象を受けた。本学の学生が接す ることでまた違った何かを得られるのではないかと思う。またASEANの教育システムが今後統合されることもあり、麗澤大学がフィリピンの大学と協力して教育を補完できる可能性が高い。

今村稔学事部長

 フィリピンは二度目の訪問であったが、今回もフィリピンの人々のホスピタリティ溢れる人柄と笑顔いっぱいに明るく生きる姿に好感を覚えた。UPHの校内を歩いていると、最初は好奇の眼で見られていることを 感じるが、目が合うと、微笑みとともに挨拶の言葉が出てくる。また、授業に臨む姿勢も積極的であり、先生から質問を求められると大変積極的に手が上がる。 こうした様子は、日本との違いを最も感じたところであるが、アジア人特有のシャイな人柄も感じることができるし、日本の大学では見られないが、制服があ り、学生は概して礼儀正しい。フィリピンの教育制度は、元々世界標準からすると2年短かったが、現在はASEAN全域で標準化に取り組んでおり、経済的な発展とともに、海外との交流も一気に拡大するのではないかと感じられる。

 またフィリピンは、ともすると衛生面や安全面で危険であるという見方が日本では多いように思う。実際にそういう地域も存在するのであろうが、今回訪れた空港や大学、ホテル、ショッピングモー ル等を見る限りでは、そうした心配は杞憂であると思わざるを得ない。とくに、マニラの中心地であるマカティや開発が進むボニファシオ、ホテルが所在したモ ンテンルパ等の地域においては、街路樹がきれいに整備された静かな町であった。こうした新しい側面を見ても、今後のフィリピンの発展の可能性を感じた。

 本年5月から、本学学生のフィリピンへの留学が本格的にスタートする。大いに刺激を受け、たくさんの学びを通して成長し、次の留学希望者へつながっていくことを期待したい。

片山大輔入試広報グループ職員

 グローバル化が進む現代の日本社会において異文化コミュニケーションや異文化理解、そして、英語力の向上は非常に重要な事項である。小中高の教育現場におい ても「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能の育成が始められており、英語力の水準は上昇することが想定される。このような社会背景を踏まえた時、本学の強みとしている「国際性」は時代の最先端に届いているのだろうか。4技能を備えた学生の入学を目指した時に、彼らが満足できる教育内容や留学プログラム は充実しているのだろうか。「国際」というキーワードを掲げる以上、今後、世界に基準を合わせた取り組みが必要だと考える。そして、私たち職員にできる第 一歩は主体的な英語の学修習慣や海外の出来事に興味・関心を広めていくことではないだろうか。

最後にこの度のフィリピン視察は日常業務では滅多に経験することができないことに加えて、私自身のモチベーションを高める機会となり、派遣を認可していただいた事務局、職場には改めて心より感謝申し上げたい。