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生涯教育プラザ落成・大学院開設10周年記念式典式辞

麗澤大学 第4代学長 梅田博之

【はじめに】

本日ここに、まことにご多用の中、千葉県私立大学短期大学協会会長の高倉翔学長、柏市の本多晃市長をは じめ、多数のご来賓のご列席を賜り、本学の生涯教育プラザ落成ならびに大学院開設十周年記念式典を挙行できますことは、私の大きな慶びでございます。高い ところから誠に恐縮でございますが、衷心より厚く御礼申し上げます。
おかげさまで、麗澤大学生涯教育プラザが完成いたしました。その間、ご協力をいただきました関係の皆様、地域の皆様に心から感謝もうしあげます。
この建物は大きく分けまして、三つの機能をもっています。四階、五階には大学院と研究センター、三階は情報システムセンター、そして一、二階が麗澤オープ ンカレッジであります。そして、この“研究と社会貢献の新しい拠点”の門出にあたるこのとき、大学院が開設10周年を迎えました。
さて、現今の社会は、国際化と世界化、情報化がますます進む一方、経済危機、企業倫理や環境問題などの歪みを抱え、また文化摩擦や先住民言語の消滅の危機などの問題を生じております。高等教育と学術研究を担う大学の役割と責任はきわめて重大だと思います。
麗澤大学は、創立者 廣池千九郎(法学博士)の「高い品性と専門性を備え、自分の考えを国際的に発信できる人材の育成が大切である」との考えを基に、建学以来「知徳一体の教育」・「専門技能の尊重」の二点を教育の柱として、教育・研究の充実を図ってきました。

【大学院の構成と役割】

本学の大学院は、平成8年に大学院言語教育研究科(日本語教育学専攻)と国際経済研究科(経済管理専 攻・政策管理専攻)の二研究科(修士課程)を設置し、平成10年に両研究科に博士課程を開設し、さらに平成13年には言語教育研究科に比較文明文化専攻 (博士課程前期・後期)を増設し、今年度からは英語教育専攻(修士課程)を加えて、拡充と深化に努めてまいりました。
グローバルな社会での共通語となった英語の理解と運用能力の必要性が高まる一方で、国際化がもたらした多言語多文化共生社会に対応するためには互いの言語 を学び、互いの文化や歴史的伝承、多元的な価値観を理解し尊重することが必要であります。外界の認識と密接な関係にあり、民族形成の中枢をなす言語の研究 と教育はきわめて大切です。また、地球上の多様な文明・文化の比較研究は、異なった文明・文化間の相互理解と望ましい共存のあり方を追求することによっ て、国際社会に貢献するところが大きいものと信じます。
また、経済および経営活動のグローバル化に対応し、国際的かつ学際的視点に立って、先端的な理論の展開と実践的な政策の立案を行うとともに、豊かな人間性と道徳性の上に立つ経済活動の原理を確立することは、まことに現代的な課題だと思います。
本学大学院は、少子化傾向にもかかわらず志願者が多く、優秀な学生を院生として迎えております。また、社会的・国際的に開かれた大学院として、多くの社会人、留学生、外国人研究員を積極的に受け入れており、それぞれの分野で着実な成果を挙げています。
博士学位取得者については、平成10年の博士課程開設以来、今日まで、言語教育研究科で10名の文学博士を、国際経済研究科において4名の経済学博士と1 名の経営学博士を出しています。学位論文の内容は、『捷解新語』を資料とする日韓対照言語学、中国語の敬語表現、中世日本語の条件表現、あるいは新渡戸稲 造・タゴールの思想や中国文明の多元性に関するもの、歴史人口学・人口統計学等に関するもの、台湾の経営理念の形成の歴史を論じたものなど、多岐にわたり ます。
学位取得者の多くは、母国の大学教員、高度の実務専門家、あるいは日本語教育専門家として、国内外の諸方面で活躍しております。
また、論文博士を国際経済研究科で1名、名誉文学博士を言語教育研究科で1名お出ししました。名誉文学博士は孔子第77代裔孫の孔徳成先生のご功績に対するものであります。

【研究センターについて】

本学には、付置研究機関として、経済社会総合研究センター・企業倫理研究センター・比較文明文化研究センター・言語研究センターの四つの研究センターが設置されております。
経済社会総合研究センターは、経済社会の諸問題をグローバルな視点で総合的、学際的に研究しています。特に計量モデルの開発や経済政策の諸課題に関し、内外の研究者とともに共同研究を行っています。
比較文明文化研究センターは、様々な文明・文化を比較研究し、21世紀の人類の文明文化共存のあり方を考えることを目的としています。
企業倫理研究センターは、建学の理念の中の「倫理」を企業領域にポイントを絞り、ビジネス・エシックス(企業倫理)について様々な面からの研究と活動を行い、CSRやコンプライアンスのマネジメント・システム等をウェブ上に公開しています。
言語研究センターは、本学の有する言語教育の伝統と実績を踏まえ、個々の語学研究と、各語学の枠を超えた横断的研究を行うとともに、研究資源となる大規模コーパスの整備、特に日本語教育資料のデータベース構築に取り組んでいます。

【大学の社会的責任】

ただいま申し述べましたように、本学は、学部教育はもとより、大学院と研究センターにおいて高度の教育と研究を行い、学術の発展と人材養成を図ってまいりましたが、それと同時に大学の社会的責任(USR)についてもその意味を充分認識して努力してまいりました。
大学の社会的責任としては、まず教育・研究を誠実に行って成果を上げることが第一ですが、同時にいろいろな社会問題や環境問題への対応についても考えていかなければならないと思っています。
社会貢献は教育・研究に次ぐ大学の第三の使命であると言われておりますが、麗澤大学は、地域の小中学校のネットワーク作りのためのNPO法人柏インター ネットユニオン(KIU)の中心的役割をはたしております。 また企業倫理研究センターのCSRやコンプライアンス等に関する研究と活動はそのまま社会的 貢献にあたりますし、会社内の企業倫理確立のための教員の指導、地域社会の各種審議会等への教員の参加、「柏環境ステーション」運営への参加と環境専門エ キスパートの養成計画等々、多くの活動を行ってまいりました。

【社会貢献としての麗澤オープンカレッジ】

今回、この新しい教育研究の場で新たに麗澤オープンカレッジを開校し、100講座に及ぶ講座を社会に提 供するにいたりましたのも、現代の知識社会(知識基盤社会)の形成に貢献すべく一翼を担おうとするものであります。これからの時代は、高度な知識や情報 が、社会の、政治・経済・文化をはじめとする、あらゆる領域での活動の基盤として、飛躍的に重要性を増す時代であります。そのため、学問や技術の新しい展 開について学ぶ必要や、社会が新たに提起した問題の解決策を考える必要が、より一層増して来るに違いありません。生涯教育の意義もますます高まっていま す。

【オープンカレッジの開かれた特徴】

オープンカレッジの講座は、様々な方々のご協力を得ておりますが、その中のコンピュータ・情報関係の講 座をボランティアの方々が担当してくださっています。このように市民の方々が習うだけでなく教える側に回るということもあり得る、双方向参加型とでもいっ た、たいへん開かれたカレッジであることも特徴のひとつであります。さらに、学部との連携はもちろんですが、将来は大学院との連携による高度な内容の講座 も考え、大学の知の蓄積を社会に還元するような計画も考えております。

【最後に】

麗澤大学生涯教育プラザ落成・大学院開設十周年にあたり、本学の教育・研究と社会貢献活動について述べさせていただきました。今後ともご指導、ご鞭撻を賜りたいと存じます。
本日は、まことにありがとうございました。