麗澤大学教授 梅田 徹氏が講演
2012.6.11

麗澤オープンカレッジ特別講演会(後援:千葉県教育委員会、柏・流山・松戸・我孫子・野田 各市教育委員会および柏商工会議所)の平成24年度前期第2回目が6月9日に開催され、麗澤大学教授の梅田 徹氏が講演されました。テーマは「市場の進化とデジタル化は何をもたらすか」と題する講演で、雨天にもかかわらず232名が来場され聴講しました。

梅田教授はまず、ご自身の車に傷がつけられ修理したが自損事故として扱われたことにより、保険がおりなかった実体験から、事業者側が責任を免れる「免責」について言及されました。

さらに、ハーバード大学のマイケル・サンデル氏の著書『それをお金で買いますか――市場主義の限界』を紹介。その本には、臓器売買や代理母、野生動物をハンティングする権利など、現代はあらゆるものが金で取引されている実態が述べられています。梅田教授はこの本の内容に共感し、「売り手と買い手が合意し双方がメリットを得ていても、こうした市場主義は道徳的規範意識を追いやってしまう」と言及されました。

また、空港の入国審査の順番待ちの列に割り込むための料金が設定されていたり、生命保険を代わりに受取る権利を買い取る業者が欧米では当たり前になっていることなどに触れられ、様々なことが商品化され、市場が社会を支配する時代であると、梅田教授は警告されました。

また、梅田教授自身の体験を織りまぜながら、パソコンにまつわるトラブルを分かりやすく紹介。近年コンピュータ化による膨大なデジタル情報の蓄積により、個人情報の流出や、コンプガチャにみられるようなネット上での問題など、これまで考えられなかった課題に直面しているとも言われました。

聴講者からは活発な質問が出され、梅田教授は「現代に生きる私たちは、”リバタリアン(自由至上主義)”ではなく”コミュニタリアン(共同体思想)”の発想が必要ではないか」と発言され、盛大な拍手と共に締めくくられました。