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2016.06.15

【開催報告】「文化のプラットホームとしての日本」参議院議員・日本のこころを大切にする党代表、中山恭子氏が講演

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平成28年度も前期後期に分かれ、麗澤オープンカレッジ[ROCK]特別講演会を実施いたします。前期の総合テーマは「日本‼」とし、初回を5月14日(土)に中山恭子氏を招き開催いたしました。中山氏は参議院議員・日本の心を大切にする党代表で活躍されていらっしゃいます。中山氏の世界を舞台に活躍されてきたこれまでのご経験から、「文化のプラットホームとしての日本」をテーマにお話しいただき、朝早くから309名の受講生が来場し、熱心に聴講されました。

冒頭に岩澤カレッジ長から挨拶があり、中山氏の印象は“柔らかな物腰と強い意志の持ち主”とご紹介され、中山氏は岩澤カレッジ長と出会い、「女性が活躍している大学という印象を持ちました」と話され、会場は和やかな空気に包まれました。

はじめに、現職議員である中山氏は、これまでの議員活動を通じて感じていることを党名に込めたと、次のようにご紹介くださいました。

『戦後の日本の政治は自由主義や社会主義など、輸入した「主義」を基本においたやり方で進められています。日本の政治の場において、その“主義”をひとつの柱にするのであれば、日本の人々が長い年月かけて培ってきた文化や伝統、考え方をもうひとつの柱に置くべきであると考え、素直に「日本のこころを大切にする党」との党名にしました。』と述べられました。

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次に、北朝鮮の拉致問題に触れて、拉致被害者5名の帰国にまつわる当時の日本政府の判断やキーパーソンの動きなどを紹介。5名の一時帰国(北朝鮮側は出張)の際に、日本政府が5人を日本に留めるとの政府方針を出すために尽力された中山氏。当時、日本では「国家」という言葉を使うことすらタブーとなっており、日本が独立国家として国民を守るとの「国家の意思」を持たない情けない状態になってしまっていたと振り返られました。

また、中央アジアの国、ウズベキスタン共和国特命全権大使時代に、キルギスにてJICA派遣の日本人鉱山技師がイスラム過激派武装集団に拘束された事件に触れられました。当時の日本政府の方針は、海外で事件が起こった場合、事件が発生した国にすべてを任かせるというものであった。しかし中山氏は、武装勢力につながりのあるイスラム復興党の党首と会談を行い、日本人全員を解放することに成功しました。この事件を通じて、現在の国際社会では国民を守る、国土を守るとの「国家の意思」を明確に持っていなければ、独立国家として信頼されないということを思い知らされたと述べられました。またウズベキスタンでの生活を通じて、国と国のつながりの根底には人と人とのつながりがあると実感されたそうです。

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ウズベキスタンの大統領は、『日本人は監視がいてもいなくても一生懸命働く。その様子をしっかり見ておきなさい』と親から言われ、一生懸命働いたら、大統領になったと述べられたそうです。昨今の手抜きをしたり、弱い者をいじめる事件を見ていると、かつて国際社会に感銘を与えてきた日本人のふるまいが今の日本人にできるだろうかと、危機感を感じていると述べられました。

最後に、日本が古来より受け継いできている、勤勉さ・奥ゆかしさ・和を大切にする心は世界ではまれな素晴らしいものであり、決して失ってはならない文化である。その日本らしさを活かして、世界中の文化が輝き、溢れ、交流する「場」、文化のプラットホームとしての日本を創って行きましょうと提案されました。国際的な文化交流の祭典を日本国内で展開していく予定で、国際社会における日本の役割についての可能性を示され、盛大な拍手とともに講演会は幕を下ろしました。

次回は6月18日(土)10:00より、古森義久氏(麗澤大学特別教授、産経新聞ワシントン駐在客員特派員)を迎え、「アメリカと日本憲法-アメリカは改憲か護憲か-」をテーマに開催いたします。