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モスタルでの二つ目の顔は「サッカーコーチ」

国際交流・国際協力専攻4年 山口 紗都美
2018/03/06
  こんにちは! 私は現在ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルというところで留学生活を送っています。モスタルでの生活もあっという間に5ヵ月が経過しました。
  私は麗澤大学のプログラムを通してではなく、「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」(通称トビタテ)という文部科学省が実施しているプログラムを通して留学しています。以前のレポートでは大学生としての留学生活を紹介しました。そして今回は、とあるスポーツアカデミーのインターン生としての留学生活を紹介したいと思います。

  「サッカー×民族和解」の可能性を求めて
  私はここモスタルで地元の大学に通いながら、市内のスポーツアカデミー‘マリモスト‘でインターンをさせてもらっています。こちらのスポーツアカデミーのコンセプトは「民族和解」。スポーツを通じた民族和解の可能性を信じて活動しています。先日、私のモスタルでの活動をよくまとめた記事が公開されたので、興味のある方はご一読ください。
     http://college.nikkei.co.jp/article/109820413.html
  私は幼い頃よりサッカーに親しんできて、他の何よりもサッカーが好きです。また同時に、幼い頃より「国際協力」という分野に関心を寄せていました。大学進学を決める際もその関心がきっかけとなり、国際協力を思い切り学べるところとして麗澤大学を選びました。学部在学中は国際協力に関して様々な方面へ関心を伸ばし、興味を持ったものはとりあえず経験してみるようにしていました。フィールドでの経験と机上での学問を通じて、色々なジレンマも感じてきました。しかしそのような時間があったからこそ、自身の関心とやりたいことにハッキリと気づくことができました。その結果、「サッカーを通じた国際協力」という分野に身を置きたいと目標を定めることができました。トビタテに応募しようと思ったのはその目標が定まったからです。

  現地だからこそ得られたもの
  そして現在私はマリモストにて、サッカーコーチの一員として活動に携わっています。平日は練習、土日は試合等で子どもたちの活動をサポートしています。またマリモストでは子どもたちに多様性を学んでもらうため、英語でのワークショップも行っています。そこで私自身が日本について紹介したり、私の外国人の友達をゲストとして呼んだりしています。私はまだ現地語がままならないため指導に難はあるものの、試行錯誤しながら楽しんでいます。
  実際に活動に携わっているからこそ、得るものは非常に多いです。「サッカーを通じた国際協力」という分野での活動にあたって、この分野の特徴・利点・課題等も見出すことができています。利点で言えば、サッカーはどこの国でもある程度の人気があり、「ボールさえあればどこでも誰でも楽しむことができること」、「サッカーのフィールドに立てば誰もが平等でそこに肩書や性別、人種といった壁は取り払うことができる」等。また、サッカーはチームスポーツであるためチームメイトとは、必然的に言葉やコミュニケーションを交わさなければなりません。そのようにチームとして戦っていく中で自然と仲間意識が芽生えます。そこにはチームメイトという括りが存在し、それ以上も以下も必要ないのです。私がインターンをしているマリモストでは、そのような利点を生かしモスタル市内に残る民族間の軋轢を緩和していこうと努めています。
  しかしながら、この分野での活動にはもちろん課題も多くあります。資金・財政面、広報面、さらに目標の達成基準を設けるのが難しいこと、ある程度の結果を出すまでに何年もかかることなどが挙げられます。このような課題をどのように克服していくかは今後団体として、そして私個人としての挑戦です。私はマリモストのように、サッカー(スポーツ)の可能性・利点面をより感じるからこそこの分野で勝負したいと思っています。その思いを形にするべく、今後はそのような課題にどう向き合い・工夫していくべきかをマリモストの活動を通して探っていきたいと思っています。
  モスタルでの生活は残すところ6か月ほどとなりました。1年間の留学生活も折り返し地点です。一日一日、二度と戻らないこの時間を無駄にしないよう、この環境を全力で楽しみたいと思います。
  次回は、モスタルの女子サッカーチームに所属できたこと、語学学校での日本語教師として雇ってもらえたこと等、モスタルで暮らしている中で広がった世界について紹介したいと思います。お楽しみに!
写真1~3: スポーツアカデミー“マリモスト”での活動
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