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ミュンスターでの生活

ドイツ語・ドイツ文化専攻2年 杉山 櫻子
2018/03/06
  私は今、春期休暇の一か月を利用して、ドイツのミュンスターという街で語学学校に通っています。ミュンスターは日本人にはあまりなじみのない都市だと思いますが、「学生と自転車の街」とも言われるように、活気があって自然の豊かな歴史ある美しい都市です。私がミュンスターの語学研修に参加しようと思ったのは、ホームステイができるからでした。大学でドイツ語を勉強し、異文化に触れるだけではなく、日常の中にそれを取り込みたいと考えたからです。
  今回、この研修に参加したのは私だけでしたので、飛行機から電車、バスまで全て自力で乗り継ぎましたが、これはとても良い経験になりました。日本の交通機関ですら使いこなせない私ですから、もちろんドイツでも迷いました。バスからホームステイ先まで3人くらいの人に道を聞いて40分ほど彷徨いましたが、あとで4分で行ける距離だと気付いた時にはすさまじい疲労感に襲われました。
  ドイツ人は、こちらからしてほしいことを言わないと何もしませんが、伝えることが出来ればとても親切にしてくれます。それが体験できたので道に迷ったのもよかったかなと思います。ドイツについてからの数日間はとても寒く、乾燥していてホストファミリーも「今年はおかしいね」と言っていました。この気候の違いは予想していたよりも体力や精神力を失う原因になったので、ドイツに留学したいと考えている人は、対策を講じてから渡航するとよいと思います。
  私のホストファミリーの家には国籍年齢問わず、下宿生がほかに4、5人いて全員で8人程が共同生活を送っています。家のルールやファミリーたちとの会話には、戸惑うことや上手くいかず悩むこともありましたが、よく考えてみると日本でさえ他の環境に適応することは簡単なことではないのだから、そんなに気負うことはないと途中から開き直りました。
  わたくしごとですが、ドイツで20歳の誕生日を迎えました。ドイツでは10歳、20歳など節目の誕生日は大切にすると聞いたことがあったので、ずうずうしくもファミリーに「もうすぐ20歳になる」と触れ回っていました。それを聞いた風邪をひいて寝込んでいたホストマザーが、誕生日ケーキを買ってきてくれました。そこでやっとまともに顔を合わせることが出来たので、私もお土産を渡したり会話をしたりしました。ファミリーとの会話は早くて聞き取れないことや上手く返せないこともありますが、それ以前に質問される内容に文化の違いを感じました。例えば、卒業したら何をしたいか、職業以外での将来の夢や挑戦したいことは何か、宗教のことなど、自らの価値観に関わる部分を多く聞かれました。一番大切なことであるはずなのに、考えることをどこか避けてしまっていた私は、それを恥ずかしく思い、自分について熟考する機会になりました。
  ドイツで最初に困ったことは、お金のことでした。私は現金とJCBのクレジットカードを持参していたのですが、ドイツではあまりクレジットカードは普及しておらずお会計の時に「JCB?何それ?そもそもクレジットカードは扱ってないよ」と断られることも多くありました。マスターカードやVISAならば駅の周辺なら使用できる店舗が多くありましたが、読み取りが上手くいかないこともあるようなので、やはり現金を多めに持っていくか引き下ろせる設備を整えてから渡航するべきだったと後悔しました。
  本題の語学学校ですが、日本と同じく朝9時から始まり、90分を2コマ行う午前中だけの授業です。学校へはバスを乗り継いでいくのですが(ミュンスター市内一か月乗り放題の定期券を買いました)、バスが遅れることもあります。初めて遅延に遭遇したときは、バスの遅延に喜んでいる小学生の横を大慌てで他のバス停まで駆け抜け、違うバスで学校まで行きました。          私のレベルのクラスは2,3あり、国籍問わず様々な学生がいるクラスもありますが、私は運がないことに日本人だけのクラスになりました。上のクラスはさらに国籍が入り混じっているようだったので、日本人だからというだけでレベルを組み分けられたことで、私は授業が始まる前からもっと勉強しなくてはという焦燥感に駆られました。日本人だけの授業と言っても、先生はもちろん日本語が分かりません。そのため、例えば文法の説明が理解できなかった場合、日本語で解説してもらうという最終手段が使えず、何が理解できていて何が不明瞭なのかをドイツ語で伝えるいい練習になりました。また、同じ国籍のためか発音や文法ミスの傾向が似通っているため、授業中に何度か「日本人のための特別講座」と題してそれらを細かくみてもらうことができました。私は多国籍の学生とドイツ語を勉強することも研修の楽しみの一つにしていましが、日本人だけのクラスでも新たな発見ができました。
 ドイツでの生活はまだ一週間ですが、この一か月が少しでものちに何かの糧になるように、頑張っていきたいと思います。
写真1:ミュンスター中央駅の周辺                                              
写真2:普通の歩道(ミュンスターは自転車の街なので、赤帯の歩道は自転車専用歩道になります。)
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