大学の授業
2016.09.27|最終更新日:2022.03.31|

【大学の授業シリーズ】遊び心を刺激する 「ビジネスゲーム」で会社の仕組みと経営学を身につける!

【大学の授業シリーズ】遊び心を刺激する 「ビジネスゲーム」で会社の仕組みと経営学を身につける!
吉田 健一郎
経済学部 経営学科 教授
電子自治体、CSRマネジメント及び情報倫理を研究テーマに活躍。著書には「電子自治体実践ガイドブック」、「CSRマネジメントコントロール 企業と社会をつなぐ3つの仕組み」など多数。
目次

    ゲームを通じて会社経営を体験

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    今回は、吉田准教授による「ビジネスゲーム講義」についてご紹介いたします。吉田准教授は経営情報論を専門とする先生で、このビジネスゲームは麗澤大学の名物講義の一つです。とても人気の高い授業で、経済の仕組みや市場とは何か?また会社で働く役割に加え、様々なシチュエーションを学べることが魅力でゲームを通じて経営や会計を楽しく体験しつつ、チームワークや対応力を養い、マネジメントに必要なスキルや深い知識を得ることができます。

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    講義(上級クラス)では、15名の学生をAとB二つのグループに分けてゲームをスタートします。ビジネスゲームとは『人生ゲーム』の会社版のようなもので、仮想の会社を立ち上げ、相手グループよりも多く利益が出るように競います。サイコロによる偶然性を使って市場の動向が変わるのを楽しみながら、数多くのシチュエーションに対応しつつ、それぞれの会社に所属する学生たちは「社長」や「経理」などの立場に分かれて、互いに意見を交わしながらゲームを進めていきます。資金調達、設備投資、採用費、広告費、研究開発費などを記載したビジネスシートを作成し、自分たちの会社を経営します。ゲームなので楽しい反面、シビアな決断を迫られることもありますが、そこが一番の学びのポイントで、この講義の醍醐味とも言えます。

    チームで笑って、凹んで。そして経営を学ぶ

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    このビジネスゲームでは、仮想の会社の中で色々な役職に分かれてゲームが進行していきます。ゲームと言っても、経営判断や採算を計算するなど、実社会と同じ問題が実によく再現されています。例えば、経営者として、人材を採用したり、開発した商品の材料を購入したりするのですが、製品化のあと、市場の動向に合わせて商品の生産数を調整したり、採算をとりながら販売数を伸ばしていくことは簡単ではありません。その上、ライバルグループと市場を奪い合うことになります。バーチャルな会社体験と言っても、利益や損益を比較しながら、何をどうするか?どう決断するか?ということは実社会と変わりません。マネジメントスキルを問われながら、参加する学生は笑ったり、凹んだりしながら経営学を学びます。

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    ビジネスゲームが終盤を迎えると、グループごとに自社の計算書類を作成します。ゲームの中で使用したお金の収支はすべて記録され、収支報告をすることになります。最終的な決算をもって、グループごとの収支を比較することで、どちらのグループの経営手腕が優秀だったかが明らかになります。収益の大きさ=数字によって評価が決まってしまうのがビジネスゲームの魅力です。ただ、この授業は勝敗だけでは終わりません。

    決算報告書を先生がチェックし、それぞれに経営や会計の問題点についてアドバイスをします。学生は、先生のこの貴重なアドバイスにより、次回の勝利への道を導き出すのです。バーチャルに会社を経営し、ライバルと競い、問題と向き合う中で実践的な経済の仕組みを考えさせられる「ビジネスゲーム講義」。人気の高さは、ゲーム完成度の高さと吉田先生のアドバイスにありました。

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    この講義を担当する吉田准教授は、「社会に出ると必然的にビジネスの世界に導かれます。それは教科書で学ぶ基本的なものだけでなく、時には想定もしない様々なケースが発生するものです。学生時代にゲーム感覚で数多くのケースに触れ、その場で判断するという経験をすることで実際の社会で思いもしないケースに遭遇しても、慌てることなく適応できる、強いビジネスパーソンを育成することに繋がると考えています。」

    皆さんは大学を卒業すると社会へ飛び立ちます。慌てることなく、その時々に適応できる能力もこの授業から学ぶことができます。大学の授業と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、ゲーム感覚で楽しみながら一緒に学びませんか?

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