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教育・研究
2008.09.06

内閣官房参与の西村六善氏が講演

「持続可能性をいかに実現するか-環境と成長・高い生活水準との両立-」を総合テーマとする麗澤オープンカレッジの平成20年度後期の第1回特別講演会 が9月6日に開かれ、内閣官房参与(気候変動問題担当)の西村六善氏が「地球温暖化問題と日本の立場」と題して講演し、300名が熱心に聴講しました。

西村氏は、麗澤高等学校の卒業生。上智大学を経て外務省に入省され、駐シカゴ総領事、外務省欧亜局長、経済協力開発機構(OECD)日本政府代表部大使、 特命全権大使(アフガニスタン支援調整担当、地球環境問題担当兼務)、駐メキシコ兼ベリーズ大使など重要なポストを歴任され、2007年より現職となり、 北海道洞爺湖サミットをはじめ総理の右腕としてご活躍されています。

講演前日にヨーロッパから帰国されたばかりの西村氏は、前夜の東 京の蒸し暑さとからめて地球温暖化の現状から話し始めました。「地球規模では150年前に比べて0.6度気温が上昇している。ヒートアイランド現象も関連 しているとは言え、昨晩のように耐えがたい暑さを感じるようになり、確実に温暖化は進んでいる。今後80年のうちに、いかなる対策を講じても、地球の気温 はさらに1.3度上昇することは不可避と言われており、150年前と比較すると約2.0度の気温上昇となるため、今からその流れを変えなくてはならない。 今まで、日本になかった病原菌が蔓延する恐れがあるなど、温暖化の問題は、政治的にも経済的にも人間生活に直結する深刻な問題である。80年先は自分に関 係ないとするのではなく、子や孫が生きる、次世代の環境をよくするために、今何ができるかを考えてはどうか」と強調されました。

さら に、国際社会においては、豊かな国は経済発展の影で石化燃料を大量に消費した結果、CO2排出による地球の温暖化に直接関与した責任を自覚しており、中で もヨーロッパはCO2排出削減に積極的に取り組んでいる。また、豊かでない国は豊かな国の過去の責任を追及する一方で、アメリカとほぼ同等のCO2排出国 である中国も取り組んでいる自国でのCO2排出削減に向けた行動をとり始めている。一方、京都議定書を離脱したアメリカでは共和党、民主党のいずれの大統 領候補者もCO2削減に向けた取組みに前向きな姿勢を見せており、2009年にコペンハーゲンで開催が予定されているCOP15(Conference of Parties)には参加するものと思われると述べられました。

日本のCO2排出量は全世界の4.5%であり大変な優等生であ る。オイルショック後の「省エネ対応」と日本人のDNAとも言える「もったいない精神」でここまで来たが、洞爺湖サミットを機に2050年には現在の排出 量の60-80%をさらに削減する方針を打ち出した。21世紀における国際社会での生き残り競争に勝つためには、日本はさらに低カーボン社会を進める必要 があり、また石化エネルギーに頼らずエネルギーを自給できる体制をつくるべきであることを指摘し、講演を締めくくられました。

なお、講演終了後の質疑応答では、多くの積極的な質問があり、大変内容の濃い第1回目の講演となりました。

講演する西村氏

講演する西村氏

満員となった会場

熱心に聴講する受講者

質問に答える西村氏

質問に答える西村氏

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