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イェーナ・フリードリヒ・シラー大学

ドイツで体験した生命の危機

ドイツ語・ヨーロッパ文化専攻2年 大場莉子
2024/02/24
   こんにちは。 私は、イェーナ大学に 10 月から留学をしているドイツ語専攻 2 年の大場莉子です。 突然ですが、皆さんは「耐えた〜!!」と感じた瞬間はなんでしょうか。私は、主に課題です。いつもギリギリにならないと開始しないタイプなのですが、焦りを感じ始めるとそこから一気にエンジンを入れ出し、集中しすぎて気付いたらぶっ倒しで4時間経ってる、なんてこともしばしばあります。中学の頃から懲りずに何度も繰り返しているので、もはやギャンブルと同じドーパミンなのかもと思っています。暴論すぎますね。 話は脱線しましたが、今回はそんな私がドイツで耐えることが出来なかった。絶望を感じた瞬間を3つご紹介致します。これから留学を考えている方、留学が決まっている方へ励ましとはちょっと違うかもしれませんが、ぜひこれを読んで少しでもなにか感じとって頂ければ幸いです。
   実は、初日から事件を起こしていました。それは、フランクフルト空港に着いてからドイツの SIMを入れたのですが、外で携帯が使えなくなりました。結論から言うと、まず別のSIMを使用する場合、設定からローミングと言われるものをONにしなければ Wi-Fi外での操作ができなくなってしまいます。それによって生じた出来事が、私はフランクフルト中央駅からFlixbusで約3時間かけてイェーナに到着しました。ですが、携帯が使えないため現在地から寮までどのようなプランで向えばいいのか分からなくなってしまいました。幸い、近くに旅行会社を見つけIch möchte〜と寮の名前を教え、私はここに行きたいんだ!と全力で伝えました。当時のリスニング能力ではとりあえず電車に乗るとしか聞き取れず、調べていなさすぎるのですが、そこで私は初めて電車を使うことを知りました。 一旦、電車には乗ることが理解できた小さな進歩に喜びを噛み締め、術繋ぎで路面電車を待っていた別のお姉さんにも同じ質問をし、反対車線の次の電車に乗れば着くよと教えて頂きました。駅に着いて、本当にたまたま同じ電車に乗っていた友達と会うことができました。奇跡です。あの感動は、私にとって忘れられない思い出になりました。
   カウントダウンには、こちらもイェーナから約3時間ほどかけてベルリンへと足を運びました。日付が変わる前から、既に年が明けたような雰囲気があちこちに広がっていたのを覚えています。カウントダウンの方法が日本と大きく違う点は、花火を打ち上げてお祝いするということです。私は、人生でもしかしたら最初で最後のカウントダウンの瞬間に立ち会えることかもしれない!と日本とは正反対の年越しに、期待を大きく膨らませていました。実際にベルリンの花火で肌で感じた感想は、ただひたすらに音が強烈だということです。破裂音というか、もはや爆発音のような音が自分の真後ろからずっと聞こえてくるような感覚に恐怖を覚えました。花火を打ち上げる方向も上には上げますが、彼らは左右に上げたりもします。日本での花火は見せ物ですが、ドイツはまるで遊具です。1 年に 1 度しか上げることができないということもあり、花火に対する捉え方の違いにも凄く驚きました。人と花火との距離は関係なく、平気で無鉄砲に打って遊んでいる無法地帯のような姿を目の当たりにして本当に怖かったです。
   また、ベルリン中央駅に帰る途中で、脛を負傷して運ばれてる人を友達が見つけたこともありました。カウントダウン前から普段通れる場所が封鎖されていたり、予め救急車が何台も用意されたりしていました。怪我人を出してまで花火を打ち上げるんだ、と友達と気が引けて事前に予約していた電車の時間まで約4時間ほど駅内で待機していました。足がすくむほどの体験は生まれて初めてでしたが、もう生涯大丈夫かもと思うほど迫力のありすぎる体験だったので気になる人は是非戦場だと思って覚悟して足を運んでみてください。
そして最後は、歯磨き粉についてです。え、歯磨き粉?と思うかもしれません。現に、私は日本から歯磨き粉は持参せずにドイツに来ました。ですが、1月の中旬から口内に異変をきたしていました。水を飲むことさえも激痛な上に、歯茎がどんどん落ちていくような感覚がずっと続き、睡眠も十分に取れないほどでした。不安になり、海外生活で歯に困っている方はいないのか、と調べてみるとこのように出てきました。日本では禁止されている成分や日本人の肌には合わない成分が海外の歯磨き粉には含まれている場合もあるらしく、その影響によりアレルギー反応を引き起こす方も稀にいるらしい。と記されていました。確かにドイツのドラッグストアを見ると、ドイツの歯磨き粉は日本よりも遥かに豊富であるということ。尚且つ、歯に対する意識やホワイトニングの対策が進んでいることを思い出しました。私は、幼い頃からアトピー性皮膚炎を持っているため、昔から肌が弱いです。ですが、歯磨き粉が原因で悩まされるとは思っておらず正直盲点でした。本当に激痛すぎて学校を休んだ日もありました。またある日は、麗澤大学でイェーナ大学担当の先生がドイツに来るのを知っていたので、せめてもの足掻きでヘルプメールを送ったなんてこともありました。海外での生活は本当に何が起こるか分かりません。大袈裟とは思わず、歯茎がこれ以上大荒れしないためにも、特に私と同じ症状を持ってる人は、ぜひ日本から歯磨き粉を持参して行くことを強くオススメします。
   これを踏まえて、今回なぜ私がこの題材を使用したかというと、自分がネガティブな気持ちになったり崖っぷちな経験をした時こそ、一生涯の財産(エピソード)が得られると今回の 留学で確信できたからです。また、未来の自分がいつか困った時、その助けはもしかしたら留学をしていたことで解決ができる可能性が広がるのも留学の1つの強みだと思っています。私は、何となく現状を変えたい!というアバウトすぎる理由でしたが、どんな結果であれ勇気を出してドイツに飛び込んでみて本当に良かったと思っています。自分でも驚くほどの経験を、この先もどんどん増やしていきたいです。
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