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Wuppertal留学体験記

ドイツ語・ドイツ文化専攻2年 矢野満太郎
2020/03/02
    今回、私はドイツ西部、Wuppertalという地に半年間の留学をしている。そしてこれが私の初めての留学である。また、私はこれまでに家族で二ヶ国へ行ったことがあるのだが、一人で海外へ赴くのも初である。そのようなこともあり、最初は不安でしかなかったが、一ヶ月、二ヶ月と過ぎていく間に、だんだんと自分が順応していることに気が付いた。また、初めの頃は同じ日本人同士で集まろうとしていたが、同性の日本人が他に居ないこと、ルームメイトが日本人ではないことも相まって、より現地に順応するのを手伝ったのではないだろうか。
    現地に入り、一ヶ月が過ぎたころ、私は、よく耳にする「日本人はシャイで、自分の意見を言わない」というイメージを払拭したくて、同じドイツ以外の国からの留学生と積極的にコミュニケーションをとったり、授業内で発表するように努めていった。その結果、トルコ人やシリア人といった海外留学生たちとも仲良くなることができ、一緒にWuppertalからほど近い、Düsseldorfと呼ばれる、ヨーロッパの中でも、とりわけ日本人の多い町まで、授業終わりに昼食を摂りに行ったり、プエルトリコ出身の留学生とMensa(ドイツの学生食堂のこと)に行ったりするようになった。
   Düsseldorfには日本食を取り扱っているスーパーマーケットやレストランが多数存在している。私は、早くも1ヶ月程度でドイツの食品に飽きていたので、Düsseldorfのスーパーマーケットで大量の日本食や日本米を購入し、毎月Düsseldorfまで買い出しに行くような生活を今日(十月上旬~二月下旬)まで続けてきた。なのでこのWuppertalに滞在していれば、値段の方はかなり高額なのだが、まず間違いなく日本食に困ることはないだろう。
    とは言え、地図を見てみれば明らかなのだが、ドイツは日本のように海に囲まれた国ではない。従って、魚介類などはそうそうスーパーマーケットでは見かけないのである。Düsseldorfまで、足を延ばせば、寿司や刺身などの生の魚も食べられなくはないが、とてつもない金額になってしまうことは明らかだろう。その代わりに、日本に比べ圧倒的に肉の値段は安い。ドイツでは日本の魚と肉の値段をひっくり返したようなイメージである。しかしながら、日本のように肉の薄切りがあるわけではなく、ブロック状の肉が多いので、鍋やすき焼きなどの日本料理を自炊したい場合には一工夫必要である。
   日本に居た時には、いつも誰かが様子を察して助けてくれていたことを、ドイツでは助けが欲しいのであれば、自分から助けてほしいと言わなければならないので、日本にいた時よりも、明らかに自立できていることに気づいた。ドイツ語の語学能力においても日本にいたころとは、比較にならないほど伸びたということも実感している。例えは、日本にいたころなどは、わからない単語があれば、日本語ですぐに話して、理解していたところを、ドイツでは例を何度か出してもらって、ようやく理解できるなど、ちょっとしたことでも、かなり多くのドイツ語とふれあうことになるのだ。
    また、スーパーマーケットでの買い物などにおいても、ほぼすべての商品がドイツ語表記なので、必然的に自分の知っている単語のボキャブラリーが増えていくのである。さらに、全員ではないのだが、親切な人も多く、こちらから尋ねていけば、快く教えてくれたり、日本人よりも良くも悪くも、感情を素直に表に出すので、所謂、腹の探り合いなるものがなく、私は日本に住んでいた時よりも、人間関係の面で気楽に感じた。
一方でやはり不便に感じることも、もちろんあった。その一つが日曜日になるとほとんどの店が閉まってしまい、買い物などが、ほとんど一切、できなくなるという点である。また自動販売機や24時間営業のコンビニなども見当たらなかったので、うっかり日曜日に飲み物や食べ物を切らしてしまえば、Wuppertalでいえば中央駅周辺の日曜日でも営業しているような店まで買い出しに行く必要性が出てくるのである。次に、このWuppertalという街はTal(谷の意味)に囲まれているせいか、非常に雨が多い。体感的には七~八割は雨といった感じである。そのため乾燥機を使わなければ洗濯物は、まずきれいには乾かないだろう。
    上記で述べたように、Wuppertalはドイツの西部に位置するので、私はフランスしか行かなかったのだが、フランスやオランダ、ベルギーといった周辺諸国まで旅行のために足を延ばすのにも最適であるといえる。また、Wuppertalはかの有名なケルン大聖堂まで電車で三〇分弱程度なので観光にも優れている場所である。そして、ほかの州に遠出しようと思えば、先ほど述べたDüsseldorfにも空港があるので、楽である。私の場合は、1月下旬に家族がドイツのMünchenを訪れる機会があったので、その際に、このDüsseldorf空港を利用した。その際には、Münchenのほかにかの有名なノイシュバンシュタイン城や、リンダ―ホーフ城、他にも、鞭うたれたキリスト像が涙を流したという伝説で知られているヴィース協会などにも立ち寄った。
   さらに、観光といえば、私が留学した期間が十月から三月中旬という、およそ半年という期間ということで、ドイツのクリスマスマーケットなども体験することができた。クリスマスマーケットはドイツで行われるイベントで十一月下旬からクリスマスのおよそ一か月間の間、開催される野外型のマーケットである。私はこれほど長期間、開催されるイベントには参加したことがなかったので、驚きを覚えることとなった。この他にも、タンデムで仲良くなったドイツ人の友達にSoestという街で毎年、開催される祭りにも参加させてもらう形となった。このイベントでは普段はごく普通の通りが祭りの期間になると大掛かりなジェットコースターのような絶叫系のアトラクションが多く設置され屋台なども多く出店するという祭りだった。このようなことから、ドイツ人は祭りなどのイベントを好む傾向があるということが分かった。
    最後に、私はこの半年間の留学を経て、自分を大きく成長させることができたと自信をもって言うことができる。自立出来ず、思い悩んでいる人や、自分を大きく成長させたいと思っている人が身近にいれば、留学を進めたいと思う。

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