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台湾コロナ感染記

中国語・グローバルコミュニケーション専攻3年 渥美駿士
2023/01/25
どうもみなさん。台湾・淡江大学に留学中の、外国語学部中国語・グローバルコミュニケーション専攻3年、渥美駿士です。
留学中といいつつ、あと1週間ほどで帰国なのですが(笑)。台湾は「春節」と呼ばれる旧正月(普段私たちが使っている太陽暦ではなく、月の暦である太陰暦と呼ばれる旧暦の正月)を迎え、脅威の10連休の真っ只中の留学最終節の台湾を満喫しております。そんな春節についても軽く3,000字ほどお話ししたいところではありますが、それはまた別の機会に。この現地レポートでは、年末・クリスマス1週間前になんと私が、未だ流行中の新型コロナウイルスに感染してしまった時のことをお話しして、今春から異国に飛び出していく後輩たちに向けて、未だに流行している新型コロナウイルスの脅威と注意喚起も含め、ご紹介させていただきます。楽しい楽しい留学の生活のおはなしについては、他のみんなの現地レポートをぜひ見てくださいね♪

 台湾に渡航した2022年9月段階では、まだ台湾は3+4の7日間のホテル隔離を余儀なくされていました。台湾では2020年初期から感染者を押さえ込むことに成功しており、2022年3月までは1日の感染者数は10人以下、0人の日も多かったのです。それが、2022年4月中旬から感染者が急増、5月下旬には1日に9万人以上も感染者が出るほどにまでなってしまったのです。とはいえ、それまでにワクチンの供給や医療体制もかなり整えられていて、大きなパニックやロックダウン・緊急事態宣言の発令までに至ることもなく、渡航した8月頃には、1日平均2万人強ほどにまで押さえ込まれました。
 10月中旬に、台湾へのノービザ渡航、観光ビザの申請開始、そして外出禁止隔離が不要になり、7日間の自主防疫の体制となり、コロナ前とほぼ同じ状況で台湾に入国することができるようになりました。台湾での大学の授業もほぼ全て対面での授業。席も隣同士などになることが多くなり、マスクはつけているものの、生活スタイルはコロナ前とほぼほぼ同じ台湾での留学生活を送っておりました。
 ですが、女子寮では一部フロアで感染者が発生、同専攻の女子たちも一時3日間の濃厚接触者隔離が余儀なくされたと聞きました。もちろん男の私たちも耳にはしており、状況なども詳しく聞いていましたが、男子寮と女子寮は全く別。しっかりとマスクをつけ、手洗いうがい・アルコール消毒をしておけば大丈夫だろうとたかを括っていました。
 
 そして、その日はやってきた。
 12月に入り、台湾北部では異例の寒波。12月の台北市の平年平均気温は18℃前後。しかし、今年の12月の台北の平均気温は15℃。台湾では天気によって体感気温が-3〜-5℃ほど。天気がコロコロ変わり、さらに雨が多い新北市・淡水。体感温度は10℃ほどでした。めちゃめちゃ寒い中で、そこまで厚着を持ってきてこなかった私。体調を崩すのは必然でした。ルームメイトや同じフロアの友人が次々と体調を崩していく中、12月12日、それは喉の痛みと違和感からでした。
日本でまだコロナにならなかった私。恐怖を感じるのは必然でした。異国の地、勉強しているとはいえ、マトモに通じるかわからない異国の言葉。翌日朝の体温は平熱。とりあえずこの日の授業には出るが、寒気と身体のだるさで耳に入ってこない。授業が終わり、夜21時に帰寮。体温を測ると、37.7℃。終わった。発熱してる。ただ、ここでコロナの簡易検査をしても、まだ陰性となってしまうだろう。この夜は窓全開で換気。厚着をして布団にくるまって耐えた。翌朝14日、37.6℃。変わってない。ここで入境時にもらったコロナの簡易検査キットを使って検査。結果は、陽性の線がそれはもう濃く、はっきりと表示された。ああ、もうだめだ。ワクチンを3回打っているとはいえ、絶望と失意にのまれた。
 とはいえ、何もしないわけにはいかない。すぐにLINEで淡江大学の留学担当に連絡。同時に寮事務所にも連絡。寮事務からは、「低層階の隔離部屋に必要な荷物と着替え・布団等を全て持って隔離するように。ルームメイトはすぐに寮事務室に向かい、同様の簡易検査を実施すること」と指示を受け、留学担当からは、「隔離用タクシーを手配した。隔離次第すぐにコロナ専用の病院へ向かい、受診せよ」と。ただでさえ熱と身体のだるさ、そして頭痛と喉の痛みでマトモに考えられない中で、もう半分言われるがままに動いた。荷物をまとめ、隔離部屋に向かい、病院へのタクシーを待つ中で、ルームメイトが一人陽性だったとの連絡を受け、二人でタクシーで病院へ。下ろされた病院は総合病院。ただし、外。専門のコロナ外来の施設が外に設置されていました。なんとか手続きをして、診察。ただし、外、寒い。医療用語の中国語なんてわかるわけが無い。なんとか二人で知恵を振り絞って耐える。無事に薬をもらって、帰寮。もうへとへとでした…
隔離部屋に入って、最低限の環境を整えて、寝ようとしたが、まだやることは多かった。この日の授業の欠席の連絡。さらに5日間は外に出れないので、その期間の欠席も連絡。淡江大学ではMicrosoft Teamsを主に使用しているので、これで連絡。日本側にもGmailで連絡。親にも電話、保険会社にも電話。さらにさらに大学はテスト2週間前。いくつか進めていた共同のプレゼンに関しても、チームメンバーに報告。もう…疲れたよ…パト○ッシュ...
この日の台湾の感染者数は19,141人、そのうちの1人になってしまったのでした。
 そこからの2日間は記憶に無い。中国語の授業だけオンラインで参加したが、頭には入ってこなかった。そして寒い。さらに気温が下がって1桁台。寒さと辛さと喉の痛みに耐え続けました。食事に関してはUber Eats、そしてFood Pandaと呼ばれる同じようなサービスを使って、注文し、届けてもらいました。その他必要なものも同じようにスーパーの商品を購入し、届けてもらいました。台湾の衛生福利部へのオンラインでの報告が必要となったので、指示に従って報告。そして寮事務とも確認を取り続けました。
5日後、ルームメイトは無事に陰性が証明されて、隔離解除。しかし私は偽陰性状態となり、まだまだ身体のだるさと喉の痛み・咳が止まらずに、追加で2日間の隔離となりました。
 結果的になんとかクリスマスイブ前日には復帰できましたが、クリスマスは大事をとって、寮で2日間休むことにしました。翌週、万全の体調を整えて、期末試験、年越しを過ごしました。重症化することも、後遺症も残すことなく、無事にコロナを乗り越えることができたのでした。

 ここまで長々と語ってきましたが、台湾とはいえ海外、そして日本で経験してこなかった感染症、不安でいっぱいでした。ですが、なんとか乗り越えられたのは、台湾の人々の優しい協力と、ルームメイトの支え、そしてオンライン環境が整った現代のおかげだと思っています。協力していただいた方々には感謝の気持ちでいっぱいです。
 そして、これから長いようで短い留学へ向かう後輩のみなさんへは、是非とも感染対策を怠ることなく、マスクの着用、手洗いうがい消毒、そしてワクチン接種などの基本的なことを忘れないでほしいと思います。それでも、感染症は罹ってしまいます。それでも慌てることなく、現地のスタッフ・先生・お医者さんの指示に従って、ゆっくり休み、絶対に無理はしないでください。自分の身体が何よりも大切です。
また、LINEなどのSNSやWebサイトやスマートフォンを使った連絡や報告、申請などもかなり多いです。留学に行く前、留学中、帰る前、どのタイミングでもITを使うことが必須となってきています。使い方を学んで、ITに慣れておくことが、現代の留学の成功の秘訣です。わからないことは先生でも、先輩でも、友達でも、もちろん私でも構いません。どんどん聞いてください。

以上、私の台湾コロナ体験記でした。コロナ禍で留学ができないかもと言われていた中で、感染したとはいえ、無事に留学を終えられそうです。このレポートが、今後の参考になればなと思います。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

1枚目:コロナ簡易検査結果
2枚目:受診した病院「淡水馬偕紀念醫院」
3枚目:外の専用外来
4枚目:隔離通知書
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