イェーナで暮らしてみて
- ドイツ語・ヨーロッパ文化専攻2年 井上恵利
- 2025/03/05
皆さん、初めまして。2024年10月からドイツのイェーナ大学に長期留学しているドイツ語ヨーロッパ専攻2年の井上恵利です。ドイツに来て6カ月が経った私のこの6カ月間についてお話していきます。
ドイツ生活は、私にとってかけがえのない成長の機会となっています。私は生まれてこの方一度も一人暮らしをしたことがありません。今まで三食ご飯を作ることや一週間分の食材を買出しに行ったことがありませんでした。今思えば苦労することは分かりきったことでしたが、私の中で留学=言語の勉強であり、他の日常生活について一切考えていませんでした。私は楽観的な性格のため、なんとかなるという気持ちでドイツに来ました。
私がこの6カ月間で一番苦労したことは一人でドイツ語の大きな壁に立ち向かったことと自炊です。そして、私は話せる言語が多ければ多いほど勝るものはないと思った出来事についてお話していきます。
留学中、1人でドイツ語の大きな壁にぶち当たった日がいきなりやってきます。5カ月間の中で私は2回壁にぶち当たりました。初めはフランクフルトからイェーナに移動してきた初日です。私は路面電車に乗り自分の寮の最寄りまで移動することが正しい行き方でしたが、私はトラムという存在を知らず普通列車に乗ってしまい全然知らない町に行ってしまいました。ドイツ語でとにかく沢山の人に自分の行きたい所、どうやってそこまで行けば良いのかを聞きました。その際、ドイツ人はとても優しく私の下手なドイツ語を聞き理解し分かりやすいように説明してくれました。しかし、ドイツ人は基本早口なため私は100%完璧には聞きとれませんでした。私は聞き取れた単語を頼りに駅のホームに行き、来た列車に乗り無事にイェーナに戻ることが出来ました。その後、路面電車の乗り方を教えてもらうために近くにいた女性に話しかけました。その女性は私の寮とお住まいが近かったのが分かったため、荷物を部屋まで運ぶのを手伝っていただきました。その後、お姉さんの部屋でお昼と夜ご飯まで食べさせてもらいました。それに加え、私の携帯にWiFiを繋げてくださり家族に連絡をとるように勧めてくださいました。ズタボロだった私にとってこのお姉さんとの出会いには感謝しかないです。
2回目は、税関に日本から送ってもらった荷物を受け取りに行った際の事です。ある日、税関から私の家族から送られてきた荷物が税関で止まっているという手紙が送られてきました。その日はちょうど授業が終わり午後に予定のない日だったため、税関の事務所に荷物を受け取りに行きました。当時の私はドイツに来て身に着いた度胸と楽観的な性格が前面に出ており、事務所に行けばなんとかなるだろうと安易に考えていました。税関の職員の方達は顔が怖いおじさんばかりで少し怖かったです。当たり前の事ですが職員の方はドイツ語で話すため、話をしっかり聞き会話をすることも頑張りました。書類の手続きを終え無事に荷物を受け取ることが出来ました。しかし、荷物を自分の手で持って帰らなければいけない現実に気付き、急遽友達を呼び私の部屋まで運ぶのを手伝ってもらいました。お読みの皆さんも税関に荷物を止められた際は注意してください。
次は自炊についてです。留学に来た当初は、最初に作りたいメニューを決めてから食材を買いに行くということをしていました。しかし、お金がかかることと何度も買いに行くことは大変なため週に一度、一週間分の食材を買うようになりました。この方法はとても良く食材を一週間で終わらせるように料理をするようになり、お金を抑えることも出来るため今後も続けていきたいです。私は食べることが大好きです。しかし、ドイツに来たばかりの頃は何を作っていいのか分からずご飯を作ることも嫌になってしまい、一日1食や2食しか食べない時もありました。しかし、このままでは駄目だと気付き、家族や一緒に留学している友達にアドバイスを求めました。自分の食生活を見直しました。今では色合いを気にするまでに成長することが出来ました。授業で疲れた日や体調を崩した時にお茶漬け、ふりかけ、鍋の素やあえるパスタソースなど日本食があると手間がかからず美味しいご飯を食べることが出来るため、沢山持ってくることをお勧めします。
そして、私はドイツに留学に来たことにより友達の輪が広がりました。日本に住んでいた頃から私は外国人が大好きでした。しかし、日常生活で外国人と会話することは麗澤の授業またはアルバイトの際に来る外国人のお客様しかないため、留学は私にとって楽園でした。ドイツに来てからは様々な国の方と話す機会がありました。今一番仲の良い友達は3つ上の韓国人のお姉さんです。私は大学1年生の頃に韓国語の授業を取っていたので単語の会話をすることが出来ます。しかし、私の韓国語のレベルでは全然会話をすることが出来ません。普段は留学に一緒に来ている先輩が韓国語で沢山会話をしてくれます。先輩は、韓国語で会話をしている際に私が理解出来ないところは和訳をしてくださいます。また、私が言いたいことを韓国語に言い換えてくれたりと先輩がいなかったら韓国人のお姉さんとは仲良くなれていないと思います。先輩には本当に感謝しています。私は韓国語の他にも英語を話す機会があります。私にはルームメイトが2人います。その2人とは英語で会話します。しかし、私は英語もあまり話せません。当初は翻訳機を使って完璧に会話しようとしていました。しかし、翻訳機を極力使わずに自分の実力で会話をした方が良いと思い、今では自分の実力で会話するように心がけています。こういった出来事から、私はドイツ語もそうですが韓国語、英語や他言語を勉強することの大切さを感じました。話せる言語が多ければ多いほど勝るものはないと思います。そのため、日本に帰国後は韓国語の勉強を再開しようと思いました。英語については留学中にドイツ語の次に使うため、こちらも引き続き勉強を続けます。
この6カ月間で私は人間的に大きく成長することが出来たと思います。留学に行こうか考えている方は思い切ってチャレンジしてみてください。留学に来てから私の座右の銘は“人生なんとかなる”になりました。私にとって留学は成長の日々であり、人として成長する良い機会です。残り4ヵ月程ですが1日、1日を大切に過ごしていきたいです。
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