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フォンティス応用科学大学
- オランダ留学を通して伝えたいこと
- 杉山蒼真
- グローバルビジネス専攻4年
- 2022年8月~2023年7月
2022年の8月23日私はオランダのフェンローに着いた。初めてのヨーロッパ。問題なく準備はしたものの、私自身の心情には問題があった。当時の私は英語が全然話せなかった。振り返ると、初めの方は簡単な英語でさえ携帯電話に入っている翻訳ソフトを利用していたのを覚えている。そんな中1年間のオランダ留学が始まったのだ。
一年を通して取っていた授業は英語系とビジネス系、文化系の授業。英語は発音の基礎からビジネスにおいての英語までやってくださり、特に発音については大いに役に立った。文化系の授業はヨーロッパの文化を中心に世界の文化を取り上げて(人間性・性格・ビジネスにおける作法等)授業を行なっていた。そんな中一番大変だったのはビジネス系の授業である。専門用語が多くあり、頭が真っ白になった。これが留学なのかと思い知らされた。
それでも、必死になって追いつこうとした。授業も生活も不安な中、授業を受けていたり、会話をしていた中で分からないことがあったら「質問する」「調べる」ことを意識した。そしてそれを会話で「使ってみる」というのを繰り返し行った。机に向かう学び方よりも私にはこれが合っていたし、実際にこれで身についたものの方が多かった。これが私の英語学習法だった。ここでアウトプットが学ぶ上で重要なことに気づかされた。
ある一人の先生は、秋セメスターも春セメスターも授業を担当してくれた。ビジネス系と文化系の授業を担当してくださり、一年間大いにお世話になった。その先生へと帰国時にお礼のメールをした時に、長文で私のことについて書いてくださり、返信してくれた。その中の一つにこのような言葉があった。
“I am proud of you and progress you made, seeing you grow and develop gave me personal and professional satisfaction, also because I saw your dedication, motivation and determination. “((私はあなたを誇りに思いますし、あなたが成し遂げた進歩を誇りに思います。あなたが成長していくのを見ること(献身性・モチベーション・決意)で、先生も仕事において満足できました。))
そのメールのこの文は今、自分のモチベーションを上げる一つのモノとなっている。一年を通じて私を見てくれた先生が、このような言葉を私にくれたのは本当に嬉しかったし、客観的に成長を感じさせてくれた一つである。
さらに春セメスターにおいて英語系の授業を担当してくれた先生は、私にスピーキングスキルとオランダ・ヨーロッパでの“経験”を与えてくれた。とにかく話すことを中心に授業を行い、自分に話す機会を多く与えてくれた。発音も鍛えられた。英語4技能の中で、一番伸びたのはスピーキングだと思う。また地元のビールの製造場や酪農場、国立公園にも連れって行ってくれた。先生は「英語も重要だけど、ここ(オランダ・ヨーロッパ)にいるなら、色々なものを見て、感じて経験することが重要だ」といつも言っていた。その言葉に感化され、最終的には留学中に色々な場所に旅にも出た。その数22カ国と約50都市。夢であったヨーロッパでのフットボールを観戦したり、バルカン半島に歴史を学びに行ったり、モロッコにあるサハラ砂漠に行ったりもした。誰にも真似できない多くの経験が出来たのは、背中を押してくれた先生のお陰でもある。
一番仲が良かったのは、秋セメスターは韓国の子で春セメスターは台湾の子だった。共に同じ授業で一緒になった人である。特に韓国の子は、初めは日韓関係の事情もありクールな反応だったが、話していくうちに気づけば大親友になっていた。最後には毎週韓国人のグループと日本人のグループでよく自国のご飯やお酒を持ち込み、パーティーをしていた。一方台湾の子は、彼が日本語を練習していたので、私が日本語を教えて、私は彼から英語を教わっていた。
ここで学んだのは「お互いを理解し、尊重する」ことである。説明は後ほどしたい。彼らのおかげで留学は華やかなものとなった。本当に感謝している。そして絶対に韓国と台湾にまた会いに行く。
この1年間で一番成長・変化したのは「オープンマインド」になったことである。様々な国の人と関わり、様々な文化・バックグラウンドの人と関わってきた。その中で実際に人種・宗教・LGBTQ等の姿を見ることができ、日本では感じられないようなものをこの目で見てきた。そして自分のバックグラウンドも隠さずに伝えることができるようになり、自分とは違う意見や考え方も、素直に受け入れられるようになった。これが先ほど「お互いを理解し、尊重する」という言葉にも繋がる。やはり会ってみないとわからないこと、話してみなければわからないことがそこにはあった。留学をしなければ、このオープンマインドは絶対に手に入れることはできなかった。現在では、自分の特徴の1つになるとも思っている。
1年間は本当に短かった。ただこんなに短かった1年間も今まで無かった。それは充実しすぎていたから。多くの学びと多くの経験を得たこの1年間は濃密すぎたのだ。まだまだ英語も奥深いし、まだまだ「世界」を見てみたいとも思った。
最後に伝えたいのは「感謝」である。この留学において、先生方や両親はもちろんのこと、友達・オランダでの生活をサポートしてくれた人たちなど、など数え切れないほどお世話になった人がいる。その中で、自分はそのような人たちがいなければ、生活できないと実感させられた。これは悪く言っているのではなく、私たちは皆“支え合いながら生きている”ということを、この留学を通して非常に実感した。その中で「感謝をする」ことの大切さや必要性を大いに大いに感じた。何気ないひとコマでも、「ありがとう」や「Thank you」という言葉は非常に重要な言葉だと思った。だからこそこの言葉を大切に使いたい。
このレポートにおいて1年間を約2400字で表現すると言うのは、記したいことが大いにありすぎて、非常に困難なことであった。ただここでは私の伝えたいことや、特に得たものをこの2400字で表現し切りたいと思った。皆さんに感謝をしながら、1年間の学びをここに記したい。
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