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サイアム大学
- サイアム留学体験記
- 鈴木 冬華
- 英語・英米文化専攻3年
- 2013年9月~2014年3月
私は、昨年9月中旬から今年の3月中旬までの半年間タイの首都バンコクでインターンシップと留学を経験しました。海外でのインターンシップは麗澤大学初の試みです。麗澤大学卒業生が経営しているお茶屋さんでインターンシップをしました。お店の名前は「Chaho」と言います。会社で働くほとんどの人がタイ語で話します。タイで英語は通じると思っていた私は甘かったです。それでも何とか、少しの英語とジェスチャーでコミュニケーションをとりました。日本の大学の寮にいる間にタイの留学生からタイ語は少し教わっていたものの、リアルな状況になるととても難しかったです。聞き取ることができないのが一番大変でした。お店に出れば接客しなければなりませんでした。今思い返すと、「Chaho」で働く人とコミュニケーションをとるのも大変なのに、お客さんの対応はもっとレベルが高かったような気がします。その当時は毎日「タイ語」という言葉に必死だったのでそんなに大変さを感じることはありませんでした。通勤するときはBTS=バンコクトランジットシステム(電車)を使っていましたが、慣れてくるとよくバスを使いました。バスは日本のバスと違って、自分が乗りたいバスが見えて来たら自ら手を挙げてバスを停車させます。
インターシップを通して感じたことは、待っていることは時に相手を心配させるということです。「遠慮する」という言葉は日本の独特な文化なのではないかなと思いました。日本人は相手を敬う気持があるので常に気を使い、相手を優先することがあると思います。でもタイでは、あまり遠慮することがありません。気になることがあれば何でも聞きます。タイ人は優しい人が多く、親日家なので日本人に対してはとても優しいし、気を使ってくれます。おもてなし精神もあって、なじみやすい人柄なのかなとも感じました。近年、日本人はお茶を飲まなくなっています。海外からの輸入品が多くあるために、コーヒー、紅茶、ウーロン茶などが好まれているようですが、これらはすべて水がきれいじゃない国の飲み物です。どれも黒っぽい色をしています。日本は恵まれており、水がきれいで水道水を飲むことができます。そのため、日本の抹茶はきれいな緑色をしているのです。国によって気候が違うのでその国にあった食生活を知ることは大事だなと感じました。
11月に入ってからは、いよいよ大学生活の始まりです。サイアム大学のインターナショナルプログラム、ホテル&ツーリズムマネージメントという学科に入り勉強しました。履修科目は料理実習、IT、観光企業開発、マーケティングなどでした。私にとってはすべてが新しい科目だったので面白かったです。特に料理実習では、タイ料理を作りました。グリーンカレー、ソムタム(パパイヤサラダ)、ガイヤーン(鳥の丸焼きのようなもの)作り終えた料理は大学内で働く職員に振る舞いました。私も、余ったグリーンカレーやソムタムを食べてみましたが、とても辛くて全部は食べることができませんでした。でも、慣れというのは怖いもので、タイで辛い物を食べているとだんだん感覚が麻痺してくるのか慣れてきておいしいと感じることもでき、ペロッと食べてしまうことがあるのです。食べ物のみに限らず、生活の中でもそのような部分は出てくると思います。日本の学生は質問をあまりしない傾向がありますが、そのようではもったいないと考えます。わからないなら質問をする。一番大切です。わからないまま進むと何もわからないままことはおわってしまうことがあります。サイアム大学での留学中、時間割変更が毎日のようにありました。私は最初の頃そのたびにイライラしてしまうこともありましたが、よく考えれば自分は留学生でこの大学のシステムに従うほかないのです。不満はあってもとりあえずほかの学生に合わせるしかありませんでした。時々ホテル視察に行くことが授業の一環でありました。ヒルトンホテルやアナンタラホテルに行き、授業で習った部分と照らし合わせながら視察をしました。なかなか経験できないことだと思うのでとても貴重な時間を過ごせたと思います。
大学から私が住んでいたアパートまで歩いて10分少々だったので授業が一コマ分空くと友達の部屋に遊びに行き、会話の練習相手になってもらっていました。授業は英語ですが、時々授業の中でもタイ語が飛び出すことがあったのでタイ語の勉強は頑張りました。土曜日と日曜日は授業がなかったので同じ学科の友達と中心地にあるデパート(サイアムパラゴン、サイアムスクエア等)に遊びに行きました。
12月に入ってからは、バンコクでのデモが目立つようになり中心地へは全く行けなくなりましたが、時間を無駄にしたくなかったので同じアパートに住んでいる友達と話すようになりました。タイの食生活は日本と異なっています。日本の家にはキッチンがありますがタイのほとんどの家にはキッチンがついていないので外食になりがちです。自炊したい人はガスコンロを買ってきて調理します。私も、アパート住まいだったのでほとんど毎日屋台でご飯を食べていました。一度だけ、友達が日本食を食べたいと言ってくれたので部屋でお好み焼きを作って食べました。バンコクは割と日本料理屋がたくさんあるのでスーパーに行けばお好み焼きの粉が売ってあったのでとても便利でした。友達を何人か呼んで食べることができて、そして喜んでもらえてとてもうれしかったです。いつか彼らも日本に来てほしいなと思います。
タイではサワディーカまたはサワディークラップのほかにもあいさつがあります。「キンカーオルヤング?」この意味は「ご飯食べた?」です。タイでは一回の食事の量が少ないです。そのため、たくさんの屋台が早朝から夜遅くまであるのです。食事を大切にしています。それからもうひとつ。「パイナイマー?」これは「どこへ行って来たの?」という意味です。これを聞かれた場合はきちんと正確に答える必要はありません。これらはタイ人にとって挨拶なのです。
タイは近年とても進んでいる国です。バンコク内は日本の東京の銀座と思うくらいビルがたくさんあります。私は今回タイのバンコク、サイアム大学に留学することができたことをとても誇りに思います。タイと日本のつながりを保ち、麗澤大学に戻ってからもこのいただいた縁を大切にしながら残りの学生生活を全力で楽しみたいと思います。今回、インターンシップと留学に携わってくださった皆様に感謝いたします。ありがとうございました。
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