教育理念・「麗澤」の語義/創立者 廣池千九郎

麗澤教育の理念

麗澤教育は、創立者廣池千九郎が提唱した道徳科学「モラロジー」に基づく知徳一体の教育を基本理念とし、学生生徒の心に仁愛の精神を培い、その上に現代の科学、技術、知識を修得させ、国家、社会の発展と人類の安心、平和、幸福の実現に寄与できる人物を育成する。

モラロジーとは?

「道徳」を表すモラル(moral)と「学」を表すロジー(logy)からなる学問名です。日本語では「道徳科学」と言います。
当法人の前身である道徳科学研究所の創立者廣池千九郎(法学博士)が、著書『新科学モラロジーを確立するための最初の試みとしての道徳科学の論文』(昭和3年)の中で使った学術語(合成語)です。(公益財団モラロジー研究所HPより抜粋)

麗澤教育のめざす人間像

一、大きな志をもって真理を探求し、高い品性と深い英知を備えた人物
一、自然の恵みと先人の恩恵に感謝し、万物を慈しみ育てる心を有する人物
一、自ら進んで義務と責任を果たし、国際社会に貢献できる人物

『麗澤』の語義

『麗澤』の語義
「麗澤」という語は、中国の古典『易経』の「象(しょう)に曰く、麗(つ)ける澤は兌(よろこ)びなり、君子以て朋友と講習す」という言葉から取ったものです。この言葉は、「並んでいる沢が互いに潤し合う姿は喜ばしい。立派な人間になろうとする者が志を同じくする友と切磋琢磨する姿は素晴らしい」と説明されています。
また、「日月は天に麗(つ)く。百穀草木は土に麗(つ)く。重明にしてもって正に麗(つ)く。すなわち天下を化成す」、つまり「日や月は天に付着しているから萬物を照らすことができ、穀物や草木は土に付着しているから花を咲かせ実を結ばせることができる。また、明徳をもって正しい道にしっかりと付着して政治を行えば、天下を正しく教化できる」とも説明されています。
本学の創立者廣池千九郎は、これらの精神を「麗澤とは太陽天に懸りて万物を恵み潤し育つる義なり」と説明しています。 したがって、「麗澤」という校名には、私たち人間にとって、思いやりの心を育てることが何よりも大切であるとの願いが込められており、本学は、太陽のような光明(知恵)と温熱(慈悲)とを併せもって、公平無私な態度で万物を育てることができる人間の育成を目標としています。

創立者 廣池千九郎と麗澤教育のめざすもの

廣池千九郎
本学の創立者廣池千九郎(法学博士、1866年~1938年)は、人類の平和と幸福の実現には民族・宗教を超えた普遍的な道徳の確立が不可欠であると考え、人類の遺産とも言うべき東西の聖人の思想をはじめ、当時の発達した諸科学の学際的研究によって「新科学モラロジー」の創建をめざし、『道徳科学の論文』(1928年)を著しました。 その中で『論語』等の中国の古典やプラトン、アリストテレス、ペスタロッチ等の研究によって、教育の根本原理について考察を深めました。「大学の道は明徳を明らかにするに在り」(『大学』)、「天爵を修めて人爵これに従う」(『孟子』)や、「富の獲得とか体力の養成とか知性や正義に関係のない単なる才気とかを目的とした教育ではなく、徳の教育こそが教育の名に値する」(プラトン『法』)という言葉に示されるように、創立者は人間性を高める教育こそ真に教育の名に値するものであると考えました。 このような考えに基づき、1935年に道徳科学専攻塾(本学の前身)を創立し、単なる知識だけではなく全体的な英知(ウィズダム)を身につけた「知徳一体」の人間の育成をめざしました。また、進取の気性に富んだ創立者は、教育方法についても常に検討を加えて、その時代の最善の方法を採用し、学生の能力を引き出すことに努力しました。創立以来、開架式によって書物に接することができる方式を採用し、現在も最新の設備を整えた図書館には「経をもって経を説く」(王鳴盛)が掲げてありますが、これは注釈によらずに自ら原典にあたる自修法に重きを置いて、学問的基礎を身につけるとともに自ら学び続ける力の養成を重視する創立者の教育観に基づくものです。創立者は、学生が将来は師を越える人物に育つ「出藍の教育」(『荀子』)をめざしたのです。 このように、心豊かな人間性を育てるとともに各種の専門知識を有し、実践的語学力によって国際社会に貢献できる人材の育成をめざす「知徳一体」の教育こそ麗澤教育の根幹です。