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セント・マーチンズ大学
- セントマーチンズ大学留学体験記
- 関根友香
- 英語コミュニケーション専攻3年
- 2019年2月~12月
2019年2月よりセントマーチンズ大学に一年留学をしておりました、英語コミュニケーション専攻3年 関根友香です。友達や家族に見送られ、日本を出た日からもう一年が経つということが信じられないほど、とても早く過ぎ去った一年だったと感じています。麗澤大学入学前から長期留学を視野に入れていた私ですが、二年次修了後からの一年留学という少し出遅れてのスタートでした。こう思う理由としては、三年次のゼミに一度も出席ができないことから生じる卒業論文への取り掛かりの遅れ、そして一番に就職活動の出遅れが挙げられます。もちろん留学先でも下調べや準備ができますが、やはり調べるだけと実際に体験してみるのでは大きな差があり、帰国後の今、慌ただしく就職活動をしているところです。現在はこのように感じている私ですが、この体験記では留学中に経験したこと、悩んだことをお伝えしていきます。
まず留学先、Saint Martin’s University (以下SMU)には沢山の留学生がいました。私たち麗澤生のように英語を学ぶ事を目的とし、ESL(English as a Second Language)クラスのみを受講する人、姉妹校のプログラムとしてESLクラスと並行して学部授業を受ける人、全クラス学部授業を取る人、マスターの資格を取りに来た人など様々です。また、留学生や学部生、先生方も参加するイベントが沢山あるというのがSMUの特徴の一つです。私が経験したイベントは2月Lunar New Year’s Festival、3月 Seattle trip、5月 Farewell party, Graduation Ceremony、8月 Bingo night、9月 Cultural night、10月 Pumpkin Farm & Corn Maze Trip、11月 International Education Week、12月 Winter ball など挙げきれないほど沢山あります。この中でも特に印象深いのが11月のInternational Education Week です。なぜなら各イベントを見学するだけでなく、参加する側、主催する側にもついてみたいと思い、学部生の友人やイベント担当者と話をして様々な経験をしようと決めていたからです。このイベントの目的は留学生や地方出身者が自国の特徴を披露し合いながら様々な国の情報共有や異文化理解を深める事で、約1週間にわたって続きます。もちろんこの週もクラスや部活などは並行して行われる為、自分のスケジュールを確認しつつ参加を決める必要があります。課題や他のボランティア活動に追われながらの怒涛の1ヶ月となりましたが、日本人留学生でソーラン節を披露したり日本語クラスを履修している学部生と日本語の歌を披露したりと、自分のバックグラウンドを知ってもらう機会を存分に生かすことができました。その他にも、麗澤大学からの一年留学で多くの時間を共にしてきた友人と秋セメスターからSMUに来た後輩とわたしの三人が中心となり同月に運動会を企画・主催したことがとても心に残っています。アメリカのではあまり馴染みのない団体競技などを通して、彼らにも新しい文化を体感してもらえました。日本語クラスの先生によると、長年取り組もうとしてはいたものの実行することができていなかったようで、私たちがその第一歩になれたことをとても嬉しく思っています。
次にわたしが受講していたESLクラスについてです。週に5日間あるクラスでは、Grammar, Writing, Leading, Listening, Speaking, Presentation skill などといったジャンルの勉強をすることができます。他国から来たクラスメイトと仲良くなることを楽しみにしていましたが、TOEICの点数で分けられるクラス編成だったというのもあり春セメスターでは日本人8人のクラスに入ることになりました。先生はもちろん日本語を話しませんが、初めの頃は分からない箇所があると日本人の友人に聞いてしまうことが沢山ありました。月日を経ていく中でそのような癖を減らすように努力し、直接先生に質問することに徹しました。すると会話もさらに広がり、英語力の向上にもつながりました。秋セメスターでは台湾人、中国人、韓国人、タンザニア人と同じクラスになりプレゼンテーションやディスカッションのペアワークも始まった為、クラスレベルと同時にモチベーションが大きく上がりました。エッセイやプレゼンテーションのなど少し重ための課題が同時に出た時は夜遅くまでかかってしまうことが多々ありましたが、発表後の達成感が本当に大きく、集中して一つ一つ取り掛かる事に喜びを感じるようになりました。
次に部屋移動交渉でぶつかった困難についてお話しします。SMUでは、“留学生はアメリカ人のルームメイトを持たないといけない“というルールがあります。留学前はルームメイトと仲良くなることで日常会話を通しての英語力向上を図れるいい機会だと思っていたのですが、いざ二人だけの空間にいるとプライベートな時間を持てないことや生活習慣の差にストレスを感じ始めました。ルームメイトはとても良い人でしたが秋セメスターではカフェテリアの利用と同時に自炊生活をするようになり、キッチン用品や日用品、テキストなどで荷物がさらに増えた私は二人部屋では狭く感じた為、プライベート空間の確保希望を含め一人部屋への変更願いを出しました。順調に見えた手続きの途中、先ほどにも述べたSMUのルールを知らされました。しかしそこでは諦め切れず麗澤大学の担当の方ともメールでやり取りをし、希望を通しやすい環境を作っていただきました。しかし何度SMUオフィスの方と話をしても”空いている部屋はない、ルールを変える事は出来ない“の一点張りで結果的には部屋移動をする事は出来ませんでした。空き部屋があることもわかっていた上での交渉だったのですが何度もハウジングオフィス、インターナショナル学生用のオフィス、ルームアシスタントなどを往復しなければならず、言ってしまえば盥回しのような状態でした。その時期は自分の英語力の至らなさにはもちろん、状況を理解して受け入れてもらえないことに落ち込み、とても悩みましたが、様子に気付いた友人が”いつでも部屋に遊びに来ていいよ“などと声をかけてくれ、安心することができました。この時、”I don’t care“ の精神を学べたような気がします。細かいことや悩みだけに囚われず、視野を広げていくことで新しい物事を見つけ出すこと、次のステップへ切り替えることの大切さを学びました。この時の私はサポートしてもらった側ですが、もしも悩んでいる人がいたらこの経験を活かし励ましの言葉を掛けてあげたいです。
長くなってしまいましたが、留学を応援、後押ししてくれた友人、快く送り出してくれた家族、些細なことも親身になって相談に乗ってくださった大学留学担当の皆様、アメリカ生活でいつも私を支え、そばにいてくれた友人に心から感謝しています。辛かったことも勿論ありましたが、新しくできた沢山の友人、失敗から学ぶことの喜び、そして何よりも数え切れないほど新しい経験をしたこの一年は、生涯忘れる事はないと思います。心から“充実した、楽しかった。”と言える年になりました。
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