ロストック大学

Reitaku University International Exchange Center Reitaku University International Exchange Center

Universität Rostock

ロストック大学

ロストック大学

Sprachenzentrum Ulmenstraße 69, Haus 1 18051 Rostock

http://www.uni-rostock.de/

プログラム概要

ドイツ語
沿  革 ・1419年創立。バルト海沿岸のハンザ都市ロストックにあるドイツで三番目に歴史の古い大学。麗澤との提携は東ドイツ時代の1987年に始まった。
・北ドイツの森とバルト海の自然に囲まれた美しい都市は勉学に理想的な環境。
特  色 ・基本的に語学学校Study in Germanyで提供される授業に参加する。集中語学講座なので、1年間で語学力の大幅な向上が期待できる。
・学期開始前にクラス分け試験が行なわれ、各自のレベルに応じた語学コースで学ぶ。B2レベルを証明できれば、特別研修費が半額になる。
・同大学では麗澤大学の概説科目の単位に相当する授業を特別に委託していないので、選択科目に関してはチューターや担当教員に自分で相談しなければならない。英語の授業はレベルが高く、麗澤大学の学生は履修できないこともある。科目によっては、追加料金がかかる場合がある。
・ドイツ語専攻以外の学生は、英語で行われる学部授業にも参加できる。
・留学開始までにドイツの生活環境に慣れるため、9月にドイツ各地で行われる語学研修に参加することを推奨する。
費用と期間はプログラムによって異なる。
費用概算:約725€~1025€(講座費用+宿泊費+1ヶ月定期)
宿  泊 ・学生寮(個室)は市の中心と周辺に散在しており、それぞれ特色があるが、教室に徒歩で通える寮もある。
生  活 ・街の中心にある大学本館とそれに続く複合棟の他に多くの大学の建物が市中に散在し、路面電車を使用して各棟に移動する。大学に徒歩で通える寮もある。
・港町なので魚が食べられるレストランが多く、食生活は日本人に理想的な環境である。大きな町ではないが、生活に必要なものはすべて揃う。
・学生課や国際交流課に当たる部局で授業、生活面とも充実したケアが受けられる。
条  件 ・ドイツ語専攻:ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)A1レベルのドイツ語力があると認められること(検定試験の合否、授業成績などから総合的に判断する)。留学前に「ドイツ語基礎演習ⅢまたはIV」を修了していること。
・他専攻:留学前に「ドイツ語III」または「ドイツ語IV」を修了していること。
留学時期 1年留学:2年次第2学期から1年間(定員5名)
(冬学期10月~2月/夏学期4月~7月)
担当教員 シュッテレ
特記事項 麗澤大学海外留学奨学金・日本学生支援機構奨学金

PICKUP留学体験記

一足先に留学を経験した麗澤大学の先輩たちが、留学先でのさまざまな体験談を語ってくれた「留学体験記」

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ロストック大学

ロストック留学体験記
森本柚香
ドイツ語・ドイツ文化専攻3年
2018年10月~2019年7月

   留学へ行く前、10ヶ月間はとても長いと思っていたのですが、今終わってみるとやっと終わったというよりかは終わってしまったという感覚で、あっという間に感じます。私はドイツへ行くのは初めてだったのもあり、さらにそこに住むには不安が多かったためか生活に慣れ、一人ででかけるのにも時間がかかりました。ドイツでは日本では体験できないことを多く体験できました。とくに一人暮らしもしたことがなかったのにいきなり、かつ日本人以外の人と寮で生活をするのは大変なこともありましたが、楽しかったです。    私のルームメイトはフランス人の子が2人、イタリア人の子1人とみんな女の子で優しくて明るく、それぞれの誕生日は一緒にお祝いをしたり一緒に出かけたりもしました。彼女たちは日本について興味を持ってくれたのでお互いの国の文化について教え合うのが楽しかったです。また、フランス人の子たちは私よりもドイツに住んでいる期間が長いのでドイツ語もとても上手に話すので、わからないことがあれば助けてくれました。    語学学校の先生はみんな本当に親切にしてくれて、一緒に勉強をしていたクラスメイトもみんな仲良くしてくれました。ドイツ人の先生たちは日本について興味を持っていろいろ質問をしてくれ、ときどき日本についての印象や時には不思議な偏見を持たれていることを知りました。色々な国からドイツ語を勉強しにきている人がいて、それぞれ生活環境も違うので授業のなかで異文化を学べることができてすごく楽しかったです。それとともに他の国の人たちの英語力に圧倒されることもあって自分の英語力の低さに悔しく感じることもありました。日本人の私たちよりも圧倒的に授業中に発言する回数も多く、やはりリスニング力も高く感じました。テストの最終日にはみんなでバーベキューをしてとても楽しかったですし、家に招いてくれる友達もいたり、日本が好きで日本語を話せるドイツ人の友達もたくさんできたりしました。冬にはクリスマスマーケットに一緒に行って、夏には海に行ったりバーベキューをたくさんしたりしました。彼らとはこれからもコンタクトを取り続けてまたお互いに会いに行きたいです。    実際に生活をしてみると小さなことでも日本との違いをより感じられることができると思います。ゴミの出し方や、スーパーなどでの買い物の方法、ドイツ人の休日の過ごし方などとても面白く興味深いです。ドイツは環境大国といわれているくらい日本に比べてゴミの分別が細かいです。そして日本にはないテポジットというのがペットボトルやビンについています。スーパーでは袋は有料が当たり前でみんなエコバッグを使っています。またスーパーなど買い物ができるお店などは日曜日になると当たり前のように閉まっていて、従業員は完全に休みです。    ドイツに来たばかりの最初の頃は手続きをしなければいけないことが多く、市役所や銀行で拙いドイツ語を使って手続きをする毎日が辛かったのを覚えています。しかしこれは言語が違うだけで、日本で生活していても変わらないので今思えばそういった苦労を経験してよかったと思います。手続きなどをする時にすごくカルチャーショックを受けたことがあります。それは特にヨーロッパの人は仕事であろうと関係なく感情を表情に出すので、面倒なことがあるとすぐに溜め息をつきますし、遠回しに言わずストレートに感情をぶつけてきます。未だに覚えているのは、ドイツに到着して空港からバスに乗ったときに私の大きいキャリーケースが座っていた女性にぶつかってしまい、嫌な顔をされて舌打ちまでされました。日本人のように細かく気を遣わないのでよく言えばコミュニケーションを取りやすいかもしれないと思います。ドイツ人にはよく、私は最初の頃はそういった相手の態度に悩ませることもありましたが、こういう人もいるのだなと受け入れることができるようになったと思います。    また生活をしていてとても感じたことは多様性です。ひとことで多様性と表すと簡単に感じるかもしれませんが、日本に帰ってきてみて感じることが多いです。道を歩いているとヨーロッパ以外の国から移住してきている人をよく見かけます。そしてレストランなどには当たり前のようにベジタリアンやヴィーガンのメニューが用意されています。そして最近日本で何かと話題になる同性愛者の方もたくさんいます。普通に歩いていても見かけますし、学生の方たちも見かけました。彼らの堂々とした行動や、ヨーロッパでの多様性の受け入れ方を見て日本でも多様性の受け入れの幅を広げていくべきだと思いました。    私たちの語学学校は比較的長期休暇が少なかったのですが、休みの日はいろいろなところへ旅行をしました。いろいろな地域へ行くほど知れることは多いですし、日本からに比べたら圧倒的に近くて行きやすかったですしヨーロッパをより好きになりました。驚いたことにドイツ内でも日本人観光客が多い地域もあり、そういうところにあるレストランには日本語のメニューがありました。機会があればいつか家族や友達にヨーロッパを案内紹介してあげたいと思います。    はじめは長期留学をするのにはとても勇気がいりましたが、自分から長期間公用語がドイツ語である国でドイツ語を学べるという環境が私には合っていたと思います。そしてこの10ヶ月の留学は勉強面だけではなく、精神面でも成長することができた本当にすばらしい貴重な経験となりました。この経験を無駄にしないでこれから何かに生かせるようにしたいと思います。そして、遠くからでも充実した留学を支えてくれた両親には本当に感謝をしたいです。

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ロストック大学留学体験記
渥美翔大
ドイツ語・ドイツ文化専攻3年
2018年10月~2019年7月

   ロストックでの生活も10ヶ月に及ぶ留学生活も、人並みの感想ではありますが、一言では表しきれないほど多くのことを経験し、学ぶことができたと思います。特に、住民登録やビザ申請・受け取り、銀行口座開設などは非常に苦労しました。これらは、ロストック留学前から先輩方の説明を聞き、事前に情報を仕入れていましたが、実際にそれらの問題に直面すると、事前の情報とは若干変わっているところや受付、担当者によって対応が異なるといったこともあり、かなり苦戦しました。恐らく、窓口で何かしらの申し込みをした際に、スムーズにことが進んだことはかなり少なかったと思います。    授業は大学の講義のようなものではなく、文法や会話を中心とした実践的なもので、Pennyというスーパーと同じ建物の上にある“Study in Germany”という場所でした。主にロストック大学に入学したい非ドイツ語話者、または大学に入学しなくともドイツ国外から移住していてドイツ語の学習に意欲のある人向けの授業なのでレベルも高く、進行スピードもかなり早いです。教材はレベル別(A2~C1)の教科書を中心に、ゲーテ・インスティテュート対策のプリントや、童話等でした。教科書はレベル別に購入する必要がありますが、細かくテーマ分けされていてわかりやすいだけでなく、日常生活でよく使う単語や言い回しが場面ごとに載っているので覚えやすかったです。テストはゲーテ・インスティテュートの模擬試験(A2~B2)で、筆記と口頭試験があり、合否は本試験と同様、会話、読解、作文、聞き取りの各分野60%以上で合格という扱いでした。    祝日による連休や教室の近所で第二次世界大戦時の不発弾が見つかった影響で休みになった日はありましたが、長期休暇はほとんど無く月曜日から金曜日まで、平日は毎日授業がありました。A2~B2クラスは午前、午後のコースに分かれていて、筆者は午後のコースの授業を受けていました。クラスは、麗澤生の日本人だけではなく、他大学の日本人、台湾、中国からの留学生、シリア、エジプト、アフガニスタン、ペルー、ボリビア、ウクライナ、フィリピン、インド、アメリカ等の様々な国籍の人で成り立っていました。B2の模擬試験後には打ち上げとして、フィリピン人の生徒主催のホームパーティーに招待されました。ドイツ式のホームパーティーで、参加者各自が食べ物や飲み物を持参し、庭で盛大に行われました。C1.1のクラスは、希望者が少なかったため、午前中のコースだけになりました。そして、その影響もあり、授業はC1.1レベルまでとなり、C1の模擬試験もなくなりました。Study in Germanyの授業とは異なりますが、Hochschule Sportの授業としてサッカーの授業も受けることができました。この授業は、大学生だけでなく社会人も参加していて、申し込みはWebで行い、参加料はロストックの学生であれば割引があり、時期によって変わりましたが10~15€でした。    寮生活では3人で1つのキッチン付きの共有ユニットとトイレ付きシャワールームをシェア、寝室は各個人に割り当てられていて、家賃は日本円でおよそ2万五千円程度でした。冷蔵庫も共同であまり大きくないので使用スペースについては同居人と相談しました。また、掃除当番なども相談し交代制で担当することになりました。同居人の1人はドイツ人で、もう1人はシリアからの留学生でした。10ヶ月間を通して、シリアからの留学生とは、一緒に料理したり、お互いの国について話し合ったりしました。また、退寮時には壁のペンキ塗りを手伝ってくれました。ドイツ人の同居人は寮にいること自体が少なく、残念ながら話す機会がほとんど無かったため、あまり交流できませんでした。自分のいた学生寮は他の学生寮よりStudy in Germanyまで距離があり、基本的にS-Bahnをつかった電車通学でした。冬の2ヶ月間は線路工事があったため、Straßen Bahnで通学していました。ロストック大学の学生証を所持していれば、ロストック市内でバス、S-Bahn、Straßen Bahn等の公共交通機関は乗り放題でした。しかし、新学期になり、新しい学生証が手元に届くまでに少し時間がかかり、学生証を所持していない期間の交通費は自己負担でした。    住民登録や学生ビザなどの各種申請や銀行口座の開設については上記の通り非常に苦労しました。住民登録自体はStudy in Germanyの先生方の手助けもあり、授業の時間を利用して済ますことができました。次に解決したのは、銀行口座の開設でした。学生ビザの取得には銀行の閉鎖口座の開設、720€(2018年10月)×滞在月数10ヶ月分の資金証明書が必要不可欠だったため、住民登録と並行して進めていました。ただ、閉鎖口座の開設のために住民票が必要だったため、住民票発行後に開設を行いしました。資金の方は、日本の郵便局から家族に送金して貰いました。海外送金にはおよそ10日ほど掛かりましたが、無事に閉鎖口座の開設、資金証明書の発行を済ますことができました。その後、閉鎖口座は家賃の自動引き落としや、学費の振り込みができないことが判明したため、普通口座を開設しました。それまでは、学生寮を管理しているSt. Georg Straßeにある事務所の窓口で直接家賃を支払っていましたが、自動引き落としに切り替えることができました。    上記の体験は筆者の将来の考え方に対して大きな影響をもたらしてくれました。なぜなら、筆者が留学する以前は将来的にドイツで生活できるようになりたいという漠然とした目標しか持っていませんでした。それは、筆者自身が一度も海外に行ったことがなく、ドイツという国の文化は知識の中だけのものだったからです。しかし、留学を終えた今は以前よりもはっきりとした将来の目標を持つことができました。留学前は、大学卒業後にドイツで就職活動をして就職できればいいと思っていましたが、現在は麗澤大学卒業後、日本で就職し、働きながらゲーテ・インスティテュートのC1レベルを3~5年以内に合格し、ドイツの大学に入学したいと考えています。その後は、ドイツの大学生活を通して現地で就職するか、帰国して就職するかを決めたいと思います。そして、今回の留学には自分の力だけでなく様々な人によって支えられたものであり、この留学に関わってくれたすべての人に感謝したいと思います。

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ロストック大学

ロストックでの11ヶ月
山田有紗
ドイツ語・ドイツ文化専攻3年
2017年10月~2018年8月

  約10か月間の私の留学生活が終わりを迎えました。中学生の頃からずっと夢見てきた留学。「長いようで短かった」とはよく言いますが、まさに言葉の通り、終わってみてしまえばあっという間の10か月だったように感じます。ですが、この留学で得たものは計り知れないほど大きなものでした。語学力はもちろんのこと、世界各地からの沢山の人々と知り合い、大切な友人もでき、精神的にも、自分自身を見つめ直すという意味でとても貴重な時間を過ごすことができました。どれも留学という大きな挑戦をしていなかったら、得ることができなかったものであったと思います。   海外での一人での生活は私の精神力を鍛え上げてくれたように感じます。最も大変だったのはドイツで生活するために行う諸々の手続きでした。これを行うのはドイツに到着して間もなくだったので、びくびくしながら役所や銀行を訪れました。基本的に手続きは自分たちで行わなければならなかったので、慣れないドイツ語で英語を交えながらなんとか相手とコミュニケーションをとりつつ、手続きを進めました。ですが、ここでは私の運が悪かったのか、問題ばかり。言われた書類は用意したはずなのに窓口を訪れるたびに書類が足りないと返され、何度も心が折れそうになりましたが、自分でどうにかするしかありません。様々な窓口を訪ね回ってなんとかビザの申請を終えたのはドイツに到着して3か月も後のことでした。(その後の期間延長の手続きでもひと悶着ありましたが…)この問題は私にとって大きなストレスとなり、スタートから出鼻をくじかれたような思いがしましたが、今となっては、まさに海外生活ならではの良い経験になったと思っています。   授業についてですが、まず、私がロストックを留学先として希望したのは、学習環境が一番整っていると思ったからです。大学が長期休みに入っても私たちが通っていた語学学校では授業が行われていましたし、到達目標として掲げていたドイツ語のレベルも非常に高かったです。授業初日にクラスメイト達と初めて話したとき、ほかの国の人たちとの間に語学力の差を感じました。その後行われたテストでは2つのクラスに分けられたのですが、そう公表はされなかったものの、入ったのはおそらく下のレベルのクラス。自信があったわけではなかったのですが、やはりそれがショックでした。ですが落ち込んではいられないと反骨精神が芽生え、モチベーションへと繋がったので、結果的にはこれは自分にとってはプラスな出来事でした。その後はA2のレベルからクラスはスタートしました。授業では主に文法など、ゲーテインスティテュートのテストに向けた勉強が行われていました。2か月に1回ほどのペースで行われるテストのあと、授業のレベルが上がり、最後にはC1.1を終了させるというのが私たちのプログラムでした。初めは先生の言っていることを理解するのも一苦労で授業中に周りが何をしているのかもわからないという場面も頻繁にありました。ですが、授業に参加したり、友達と会話したりしていくうちに、ドイツ語を話すことにも聞くことにも次第に慣れていきました。最終的には目標としていたレベルまで達することができ、充実した環境で留学できたことをとてもうれしく思います。さらにクラスで出会った友人たちは私の留学生活の中でかけがえのない存在でした。クラスには日本人以外にも様々な国からの学生がいましたが、その中に休日になると家に呼んでくれたり、クラブへ連れていてくれたりしてくれる友人がいました。日本にはクラブに出かけたり、週末にパーティーへ行ったりする文化はあまりないので、彼らとかかわることで、私にとっては新しい世界、文化を知ることができました。日本人だけで固まっていたら、きっと警戒してそのようなところに行く気にはなれなかっただろうと感じるので、そんな壁を打破してくれた彼らにはとても感謝しています。   そして私はドイツ語の授業のほかに、最初の学期には英語、次の学期にはスペイン語の授業をとっていました。英語の授業はそれぞれ自分のレベルに合わせたクラスで行われていました。ペーパーテストでは同じくらいの点数のはずなのに、周りのほかの国からのクラスメイトたちは自分の意見をスラスラと話します。圧倒的な会話力の差に打ちのめされました。最後までその差を完ぺきに埋めることはできませんでしたが、自分の弱点を改めて知る良いきっかけとなりました。スペイン語の授業では、授業はすべてドイツ語で進みました。その上、私たち3人の日本人を除いては全てのクラスメイトがドイツ人。大きすぎるハンデに、初めは授業内容を理解するのにとても苦労しましたが、先生や授業内のパートナーだったドイツ人のクラスメイトに助けられ、何とかついていくことができました。最後のテストにも無事合格することができ、達成感でいっぱいになりました。厳しい環境ではありましたが、ドイツ語でほかの言語を学ぶという貴重で贅沢な経験ができたことは大きな収穫となりました。   最後には一人でプラクティクムを行うために一人でフランクフルトを訪れました。知り合いはほとんどおらず、住む部屋の確保、移動などすべてを一人で行いました。またゼロから生活が始まったように感じました。ですがそこから友達を作り、沢山話をし、次第に一人ではなくなり…。本当に独りぼっちになったような気がしていましたが、そこから自分の生活を作り上げていく力がつきました。今までの私だったらきっと自分の殻に閉じこもり、一人で過ごしていたでしょう。確かにこの11ヶ月で私の心は成長していました。   留学を終えた今、恵まれた出会いへの感謝、自分自身の特に精神面での成長を感じています。11ヶ月の留学の間には、数えきれないほどの出会いに恵まれました。クラスメイト、そこから広がった友人の輪、先生方、スタムティッシュのメンバー、プラクティクムで関わった方々。今までの人生と比べると考えられないほどの沢山の出会いがありました。そこから学んだ様々な文化は私の世界を広げてくれました。そのすべてに改めて感謝したいと思います。   留学をすることが「正義」、などというつもりはありませんが、一度日本から出てみることで、自分の見えている世界、考え方の幅が広がることは確かです。自分の国である日本についての考えさえ変わります。日本での当たり前が自分の中の当たり前でしたが、それがそうでもないのだと気づくことができます。すると世界、さらに日本への興味が湧きます。この気づき、興味は私にとってとても大切なことでした。自分の未来が広がった気がしました。   ここから新たにまた自分の道が始まります。今の気持ちを忘れずに、進んでいきたいと思います。

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結局は「人」
山村 愛
ドイツ語・ドイツ文化専攻3年
2017年10月~2018年7月

  結局は「人」。これが、私が約一年の留学を通して出した一つの結論である。もう少し詳しく言うと、二つの意味に分けられる。一つは、国籍、性別、年齢などは人を形成したり第三者として判断したりするのに影響を及ぼしてはいるが、その人自身の人柄が最終的にはその人を表しているということ。もう一つは、どんな仕事をしようがどこに住もうが何をして遊ぼうが、一緒に時間を過ごす人こそが一番重要であるということである。   留学期間中、私は本当に人に恵まれていた。ただ単に運が良かっただけなのかもしれないが、行く先々で素敵な人たちに出会いたくさん助けていただいた。例えば、留学先のロストックという田舎の港町に初めて到着した日に、早くも忘れられない出来事が起きた。その日私は、麗澤大学からの留学生と共にベルリンからロストックへ移動した。しかし一本目の電車を乗り間違えてしまい、全員予定よりかなり遅い時間にロストックに到着することとなった。ロストックに到着後、各自自分の寮に向かったが私は同じ寮の人がいなかったため一人で寮を探すことになった。最寄りの駅を降り地図を見ながら進んだものの道が分からず、途中で三人のドイツ人に話しかけた。一人は私のドイツ語が通じず諦め、別の人は快く教えてくれたが遠回りになってしまうルートで、結果的に最後に尋ねたおばあさんの言う通りに来た道を引き返すことになった。引き返す途中、留学初めから全くうまくいかないこの状況を嘆いたり無理やり自分を励ましたりし、半分泣きながら「この気持ちは絶対に忘れたくない」と思ったことは今でも鮮明に思い出せる。こうして道に迷いつつも何とか寮にたどり着いたが、寮の部屋の鍵を渡してくれる担当の方は既におらず、その後も連絡を取ろうと試みたが返信はなかった。ところが、たまたまごみ捨てのために玄関を通った男子学生が声をかけてくれ、泣きながら事情を説明する私を見かねて色々と手を尽くしてくれた挙句、長期休暇中の彼の恋人の部屋を数日貸してくれることになった。            彼のおかげで私は宿無し生活を免れ、数日後無事に自分の部屋に入ることができた。彼はイスラム教の国の出身で、留学前は宗教の違いなどから漠然と彼らとの間には大きな壁があるように感じていたが、その人の所属しているものだけでなく「人柄」にもっと目を向けなくては、その人の芯の部分は見えてこないのだと実感した。日本人全員が時間にとても正確なわけではないように、一般的なイメージと個人との間にあるギャップは想像しているよりも大きなものであると思うし、きちんと「その人」を見ようとする姿勢は日本で生活するうえでも必要な力だと思うので、この留学を通して改めてその重要性を確認できた。   時にはアジア人という理由で心無い言葉を言われることもあり、世界には根強い偏見があることを肌で感じたが、ほとんどのドイツ人や私が留学期間中に関わった人たちはとても優しく親切だった。特に寮で同じ部屋だったドイツ人とパキスタン人、日本人留学生と日本が好きなドイツ人との交流会に毎週参加していた人たち、後期から参加した大学の合唱団のメンバーには、出会えてよかったと心の底から思っている。彼らがいたからこそ私の留学生活は充実していたし、もし、もう一度同じ場所で同じ期間留学ができるとしても、彼らがいないのなら留学する気にはならないと言っても過言ではない。   留学という通常ではなかなか体験することのできない出来事が多く起こる中だからこそ、このようなことに気づく機会が多かったが、留学を終えた今、私が人に恵まれているのは留学期間中だけではなかったと感じている。留学前はあまり意識していなかった当たり前のことを、特に人とのかかわりを、今後はもっと大切にしていきたい。また留学を通して気づいたことを生かすことで意味のある留学だったと言えると思う。

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体験者による留学先紹介

ロストック大学への留学経験者が留学先をご紹介します。