卒業生からのメッセージ (長崎県平戸市長・黒田成彦氏)
2015.4.25

本学英語劇グループの卒業生で、現在長崎県平戸市長の黒田成彦さん(昭和58年外国語学部イギリス語学科卒業)が、英語劇グループOB会誌『ARIEL』(エアリエル)にご寄稿くださいました。転載の承諾を得て、本学ホームページにもご紹介させていただきます。

社会で役立つ「ディレクターズ・アイ」

                長崎県平戸市長 黒田成彦(麗澤大学42期生)

黒田市長(26.12.12)私は在学中、所属するESSと英語劇グループ主催の演劇では飽き足らず、ドイツ語、中国語のクラスの仲間にも呼びかけロシア文学の『どん底』を自ら戦後日本に書き換えて日本語劇としてプロデュースしたほど大学生活4年間はほとんど演劇活動に没頭し時間と労力を費やしました。

そんな経験が現在の仕事に実は大いに役立っています。その理由は演劇活動が政治や行政の仕事とよく似ているからです。

まずどんな政策を打ち出すか(演目の選択)、どのようにポスター掲示など広報活動を行うか(パブリシティなど宣伝活動)、何を訴えるか(台詞や表現方法)、どうやって見せるか(ステージ演出)、いかに支持者や後援会員を増やせるか(ファンクラブ会員獲得)など立候補するための基本的なことだけでも類似点が多いといえます。

現在私は長崎県平戸市長として地方行政に携わっていますが、この仕事も演劇に共通する要素が多く感じます。市民の賛同を得る場合は市民を観客として向き合い、市民に官民協働への参画を呼びかける時は市民が主役の演者としてお願いするため、市役所職員を鼓舞し脇役になってもらったり楽屋裏のスタッフになってもらったりしています。

お陰様で市長就任して6年目となりますが、様々な分野で平戸市が劇的に変わりつつあります。「ふるさと納税」では日本一の寄附額14億円を集め、また全国初の公認アンテナ居酒屋『平戸漁港六次朗』を上野駅にオープンするなど、それぞれの演目が感動をよび成功に導くことができました。結局、あらゆる仕事は一人で抱え込むのではなく「劇団」という総合力で感動を広げていくことが重要です。

最近でも国会議員の記者会見をテレビ等で観ていて、首を傾げたくなるところが目に付きます。あの不器用さは自分がどう映っているかという「ディレクターズ・アイ」が欠けているから記者団や視聴者を失望させるのです。

そういう私も過去に職員の不祥事や地元漁協所属の漁船沈没事故などで記者会見する場面も数多くありましたが、総じて記者団からは理解頂きお褒めの言葉もいただいています。また実際に道路建設に必要な用地交渉にも出向き地権者へのご理解をお願いしたりします。そんな時、いつも演出家バントック先生のご指導が甦ってきて、最高のアクターとして振舞うことを心がけています。もちろん賛同を得られるよう心を込めて「本気の言葉」で語ります。常に「ディレクターズ・アイ」を忘れずに。

※麗澤大学英語劇グループ OB会誌『ARIEL』(エアリエル)より転載
平戸市ホームページ「市長の部屋」はこちらをご覧ください。
英語劇グループの紹介動画は、こちらからご覧いただけます。