2014年度 都市中心部のサイクリング・モビリティの経済分析

 都市中心部は,多様な交通手段が多様な目的で集中発生する空間である。自動車交通の整序についてわが国では,駐車場の整備,駐車場案内システム,通行規制,駐車場共通利用券などの体系化を通じて今日一定の成果を見ている。それと比較して自転車を中心としたサイクリング・モビリティの整序についてはまだいくつかの問題を残している。

 ● 通勤通学の自転車交通向けには駐輪場が整備されて量的には問題の一部解消を見ている。これについてはむしろ駐輪場の利用の経済性という観点から,駐輪料金の設定が適切かどうかが問われている。特に行政側の設定する料金が画一的すぎるという指摘である。民営駐輪場が登場してくるとますますその格差は無視できないものになる。

 ● 一方買物交通など私事目的の交通を対象とした整序方策はなかなかこれという決め手がなく,依然として放置自転車が路上を占めている。それを撤去するには費用を要する一方で完全には放置がなくなるものではない。つまり限界費用の増大の割には限界効果は限られている。経済合理的な撤去策が問われている。

 本研究では,柏市柏駅周辺地区の自転車を中心としたサイクリング・モデリティの整序策の一部として,上の2つの問題について経済合理性の観点から有効な対策を検討し提案することを目的としている。具体的には次の2つのサブテーマについて対策を考察し提案することを目的とする。

(1) 駐輪場利用料金の入札方式による決定方法
(2) 放置自転車のランダム撤去の方式

 

◎高辻秀興 経済学部・教授