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2014.06.30|最終更新日:2020.07.24|

エバーグリーン・グループ総裁の張榮發氏へ名誉博士号を授与

麗澤大学は、平成26年6月25日、長栄海運やエバー航空等を擁する国際運輸企業のエバーグリーン・グループ総裁、張榮發氏に名誉博士号(経営学)を授与いたしました。本学の名誉博士は、建学の精神に則り、学術・文化の向上、国家・社会の発展および人類の安心・平和・幸福の実現に顕著な貢献をした者に授与することとしており、第1号を孔子第77代裔孫の孔徳成先生に、第2号を世界の難民支援に従事した犬養道子先生にそれぞれ授与しており、今回の張榮發氏が第3号となります。

張榮發氏は、1968年にエバーグリーン・マリーン(長栄海運公司)を設立され、その後僅か17年の間に同社を世界一のコンテナ船隊を擁するまでに急成長させ、さらに1991年にはエバー航空を設立され、エバーグリーン・グループを陸・海・空運輸を総括する世界的な企業に育てあげられました。また、張榮發氏は、世界各地に重大な災害が発生した際には、いち早くグループを総動員し、国際緊急救助隊や緊急救援物質を被災地に輸送されています。中でも、2011年の東日本大震災の折には、グループ傘下の海運や航空会社に指示を出され、毛布などの緊急救援品の提供のほか、各国政府、国際救援組織の要員や物資を被災地まで無料で運搬され、さらに個人名義で十億円相当もの救援金を拠出されています。こうした企業経営及び世界的な社会貢献活動が評価され、現在までに、15の勲章を受章され、中でも2006年には大英帝国コマンダー勲章を受章され、我が国においても2012年に旭日重光章を受章されています。さらに、世界各国から名誉博士の称号を受けられておられますが、日本の大学としては本学が初めてとなりました。

また、張榮發氏と本学とのご縁で特筆すべきは、2012年10月、中山学長が鍾氏と対談を行い、その様子を掲載した月刊誌『れいろう』(モラロジー研究所発行)1月号がエバー航空の台北・日本間の全機に機内誌として設置され、これが、月刊誌『道徳』(張榮發基金会発行)2013年3月号で紹介され、台湾で大きな反響を呼んだことがあげられます。また、2012年11月、第4回台湾モラロジー基礎講座で中山学長が教養講話を行い、それを聴講した同基金会の方が講話内容に賛同され、台湾での道徳啓蒙活動に協力することで合意しました。その後、月刊誌『道徳』の2013年6月号に、講演内容の一部が「世界上唯一的白玫瑰」(世界にただ1つだけの白いバラ)として掲載されました。これは、本学の卒業生が本学に寄贈した新種の白バラ「アレン&アイリーン・ミラー」(Alan & Eileen Miller)にまつわる話で、国境を超えた心のつながりを象徴するものとして評価されたものと考えられます。

※【アレン&アイリーン ミラー】に関するエピソードはこちら

今回の授与式は、張榮発氏がご高齢であるため、台北の財団法人張榮發基金会ビルで開催されましたが、あいにく張氏の体調がすぐれず、張榮發基金会総執行長の鍾徳美氏の代理出席という形式で執り行われました。授与式には、張榮發基金会から、鍾総執行長のほか、柯文玲文教部執行長、黃敬中訪查部執行長、劉益志慈善部執行長、張逸士長榮交響樂團長、田本源長榮海事博物館長をはじめ多くの関係者が出席され、日本側からは廣池幹堂理事長、中山理学長、小野宏哉副学長、中野千秋経済研究科長、渡邊信外国語学部長、一般財団法人日本道経会及び公益財団法人モラロジー研究所の多くの関係者が出席しました。

開会に先立ち、「鉄の意志と柔和な心~エバーグリーン・グループの創立者~」と題した映像が上映され、張榮發氏のこれまでの功績が紹介されました。

廣池幹堂理事長

廣池幹堂理事長による祝辞

開会後の祝辞の中で、廣池理事長は、「張榮發氏が創立した財団法人張榮發基金会は、麗澤大学の姉妹法人である公益財団法人モラロジー研究所と同じく道徳教育を推進することを自らの責務としている。張榮發氏は、実業界において極めて偉大な足跡を残してこられたことに加え、社会慈善活動や道徳普及運動にも積極的に取り組まれてきたことは、本学の創立者が提唱した「道経一体」という理念をまさに実践されてこられた方である。したがって、日本の大学として初めて名誉博士号を贈呈出来ることは本学にとって大変光栄なことであるが、それ以上に誰よりも一番喜んでいるのは、本学の創立者の廣池千九郎であると思う」と述べ、この度の授与を機に日本と台湾が道義国家として世界の模範となることへの期待を語りました。

中山理学長

中山理学長による学位記授与の主旨説明

続いて、名誉博士記授与の趣旨説明の中で、中山学長は、「張榮發氏は、海運業において世界一周の東西双方向コンテナ航路を開拓する等、画期的な海上輸送システムを作り上げたのを皮切りに、陸上、航空を含む総合的輸送企業を育て上げた経営理念とその実践的手腕は高く評価されるものである。その一方で、後進の育成のための助学金制度設立や、財団法人張榮發基金会による慈善公益活動など、社会の道徳性の向上に真摯に取り組んできた輝かしい実績は、台湾国内のみならず国際的にも高く評価されるべき高邁な志を実現する社会貢献活動である。特に、2011年に日本を襲った東日本大震災においては、配下の企業を総動員し緊急物資等の輸送に貢献したばかりではなく、個人名義で極めて多額の救援金を拠出されたことは日本人の記憶の中に末代まで深く刻まれる功績であり、日台友好の象徴といえる。このように累積された幾多の業績は、本学が追求する道経一体の経営学の理想と合致し、その目的である「世界の平和と人類の幸福の実現」にも多大な貢献をしたと評価されるものである」と述べ、名誉博士記が授与されました。

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名誉博士記の授与

名誉博士記の授与

本学からの記念品

本学から張博士への記念品贈呈

研究所から張総裁への記念品

モラロジー研究所から張博士への記念品贈呈

張総裁からの御礼の品

張博士からの御礼の品

張総裁から大学への御礼の品

張博士から大学への御礼の品

張総裁から研究所への御礼の品

張博士からモラロジー研究所への御礼の品

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総執行長の鍾徳美氏

総執行長の鍾徳美氏による謝辞

授与式最後の謝辞で、基金会総執行長の鍾氏は、「張総裁は麗澤大学から名誉博士号が授与されることを大変光栄かつ感謝しており、本日、名誉博士記をご自身で受け取ることが出来ないことを申し訳なく思っている。長榮グループは、張総裁の指導の下、国際企業に成長した後、張榮發基金会を設立し、長期にわたって国内外の慈善事業や文教公益事業を行い、さらには無料で『月刊道徳』を発行・配布し、さらには長榮交響楽団及び長榮海事博物館を設立した。これらのことを全て実現出来たのは、張総裁が堅持している企業の存在の究極の目的は、「人々にサービスを提供し、社会に貢献する」ことがあったからである。そして、2013年5月に中山学長から恵贈された著書『幸福と社会的責任』の中で、東西文化の隔たりを乗り越えるものは、「勇気、正義、慈愛及び感謝」であると言及され、これからは、国境なく、友好、協力の新時代を築くことを期待するとあり、このことはまさしく、『月刊道徳』の主旨と合致していて、各人がそれぞれの持ち場で安定した力を求め、調和のとれた社会の構築を願うという両者の精神が一致している」と述べられました。

張榮發基金会関係者との記念撮影

張榮發基金会関係者との記念撮影

日本道経会関係者との記念撮影

日本道経会関係者との記念撮影

モラロジー研究所関係者との記念撮影

モラロジー研究所関係者との記念撮影

本学関係者との記念撮影

本学関係者との記念撮影

授与式後には、世界3大テノール歌手との共演実績もある長榮交響楽団による祝賀コンサート「幸福道徳演奏会」が開催され、それに引き続く祝賀会食では、心のこもった数々のオリジナルの創作料理をご提供いただき、その素晴らしさに日本から参加したメンバー全員が感動を受けました。

長榮交響楽団による祝賀コンサート

長榮交響楽団による祝賀コンサート

幸福道徳演奏会

幸福道徳演奏会

素晴らしい演奏に参加者一同が感動

素晴らしい演奏に参加者一同が感動

全員で記念撮影

全員で記念撮影

001祝賀会

祝賀会

002祝賀会で懇談

祝賀会で懇談

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この度の張榮發氏への本学名誉博士号の贈呈を新たな始まりとして、日台関係の益々の発展と社会の道徳化に相互に協力して推進してまいります。
※「学長スモールトーク」はこちら。(学位授与主旨説明が全文掲載されています)

【張榮發氏についてご紹介】