【前編】実践型学習が"苦手"を変えた――バナナシフォンケーキ開発から広がる挑戦
経営学部の増田加恋さんは、引っ込み思案だった性格が麗澤大学での学びを経て大きく変化。未利用バナナを活用した商品開発、学園祭実行委員会でのリーダー、オープンキャンパススタッフといった様々な挑戦を通じて、「自分にもできる」という確かな自信を掴んでいきました。前編では、苦手なことにあえて飛び込んだ進路選択や、「バナナシフォンケーキ開発プロジェクト」での挑戦と成長について伺いました。
※取材時、2年次生
「好き」よりも「苦手」を選び見えた世界

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小学1年生から中学3年生まで9年間器械体操を続けていましたが、高校では初めてのことに挑戦したいと思い、弓道部に入部しました。先輩たちがまっすぐな姿勢で弓を引く姿がかっこよく、憧れを抱いたのです。
同級生11人と切磋琢磨し、最終的には全国大会の団体戦に出場できました。優勝はできませんでしたが、仲間との絆が深まり、充実した3年間を過ごせました。初めてのことでも、夢中になれば続けられる。その実感を得た弓道の経験は、私にとって大きな自信になりました。
進学を考えた時、お菓子づくりや動物が好きだったので、それらに関わる専門学校に進む選択肢もありました。しかし、好きなことを仕事にして、もし嫌いになってしまったら悲しい。だからこそ、好きなことは"好きなまま"大切にしたいと思いました。
その一方で、将来の選択肢を広げるためには、苦手なことにも向き合っておきたいという気持ちがありました。そこで選んだのが、英語です。社会に出る上で英語は避けて通れないと感じていたからこそ、苦手を克服したいと思い、グローバル教育に力を入れている麗澤大学を選びました。英語と経営が同時に学べる経営学部に魅力を感じ、さらに、パソコンやIT分野にも苦手意識があったことから、あえてAI・ビジネス専攻を選びました。
入学後は、先生とも距離が近く相談しやすい少人数制の環境の中で、学びがスタートしました。英語やITの基礎・応用を繰り返し学ぶうちに、触れてみると意外と楽しいと感じるようになり、苦手意識も少しずつ薄れていきました。「苦手だからこそ挑戦したい」と選んだ進路が、だんだんと"面白さ"に変わっていったのです。
規格外バナナから生まれた実践型プロジェクト
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ちょうどその頃、経営学部の学部長である近藤先生から、「バナナプロジェクトに加わってみないか」と声をかけていただきました。近藤先生と先輩方は、SDGsの「1.貧困をなくそう」をテーマに活動していました。フィリピンから輸入されるバランゴンバナナには、輸送や選別の過程で規格外となり、行き場を失ってしまうものが多くあります。その課題に向き合うため、未利用バナナを活用したクラフトビール「バナナ de ビール」を開発するプロジェクトに取り組んでいたのです。

せっかく声をかけていただいた機会なので挑戦してみようと思い、私を含め女子6人でプロジェクトをスタートしましたが、当時未成年だったためビールを扱えないという問題に直面しました。近藤先生からは、「自分たちが好きなこと、できることを取り入れてみよう」と助言をいただき、クッキーやマフィンなど検討を重ね、最終的にシフォンケーキに決定。シフォンケーキであればバナナの食感を抑えやすく、バナナが苦手な方にも手に取ってもらえると考えたからです。こうして、"誰もが手に取りやすいバナナスイーツ"というコンセプトで、私たちの挑戦が始まりました。
理想に向かい試行錯誤! 初販売は悔しい結果に

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起業志望の先輩2名、そして柏市の「シフォンケーキ工房 ぱんのみみ」さんにご協力いただき、ついに開発がスタートしました。どれくらいの量で、どのようにすりつぶせば甘みが加わり万人受けする味になるか。食感はフワフワか、モチモチか。「ちょっと苦い」「甘すぎる」「もう少しフワフワがいい」──皆で何度も試作を繰り返し、理想に近づけていきました。そうして完成したのは、モチモチ感がありつつふんわりとしていて、口の中で溶けるような食感のバナナシフォンケーキでした。
初めての販売は、2024年6月の麗澤大学「伝統の日」の集いでした。どうすれば買っていただけるかを考え、1個600円で500個を用意しましたが、実際に売れたのは3分の1ほど。想定していたほど売り上げは伸びず、悔しさの残る結果となりました。
次に向けて、なぜ売れなかったのかを皆で分析したところ、価格設定や認知度不足などの課題が見えてきたのです。最初は「価値があるものだから、値段は下げたくない」という想いもありました。しかし、買っていただかなければ意味がありません。次こそは目標を達成するために戦略を練り直し、価格は400円に改定。認知度アップのために積極的にチラシ配りを行い、SNSでの発信も行うことにしました。
学園祭で念願の完売! プロジェクトをさらに広げるために
2025年は伝統の日に加えて、学園祭でも販売する機会をいただきました。伝統の日では前年にはなかった、「バナナプロジェクトだよね」「知ってるよ」という声をいただくことができ、大きな手ごたえを感じました。
学園祭では2日間で300個を用意。わかりづらい場所での出店だったため、お店までの道順を動画で撮影してSNSに投稿し、学園祭実行委員会にも協力をいただいてチラシ配りやPOPの設置も行いました。人の動きや会場の立地を踏まえた工夫の結果、 1日目は20個ほど残りましたが、2日目はなんと完売。「おいしかったよ」という声をたくさんいただくことができ、大きな達成感とともに、これまでの努力が報われたような嬉しさが込み上げました。
学園祭の成功を経て、現在は次を見据えて商品を改良中です。見た目もかわいいオムレット型にしたり、片手で持ち歩きながら食べられる丸い形にしたりと、試行錯誤しています。
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今はたくさんの方に協力を得ていますが、いずれはシフォンケーキのつくり方を習得し、梱包から販売まで自分たちですべてできるようになりたいです。
さらにその先の目標は、SNSなども活用し、大学内だけでなく柏市、さらには千葉県全体にも広げていくこと。多くの方にバランゴンバナナのことや、麗澤大学の学生がSDGsに取り組んでいるということを知っていただけたら嬉しいです。




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