K-POPや韓国ドラマの世界的なヒットを背景に、今、韓国語を学びたいという熱意が学生の間で高まっています。その「好き」という純粋な思いを、確かな語学力と文化理解へと昇華させる場所――それが、今年度※から新設された麗澤大学の「韓国語・韓国文化プログラム」です。語学の習得にとどまらず、歴史や文化、社会背景までを深く掘り下げることで、隣国・韓国と真に心を通わせるための「生きた教養」を育みます。後編では、学生たちの学ぶ意欲と、それに応える李先生・森先生の熱のこもった授業現場をレポートします。
※2025年取材
「アンニョンハセヨ!」でスイッチON。対話から始まる100分
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午前9時。1時限目の授業にもかかわらず、教室は「アンニョンハセヨ!」という元気な挨拶と笑い声に包まれていました。この日の出席者は18名。印象的だったのは、学生たちの机の上にパソコンが一台も置かれていないことです。画面越しではなく、互いの目を見て話すことを、何よりも大切にしているからです。
授業は、スクリーンに映し出された「本日のひとこと会話」から始まります。この日のテーマは「今日は忙しいですか?(オヌル パッパヨ?)」。
先生の問いかけに、学生たちはスライドに並ぶ「授業」「アルバイト」「課題(クァジェ)」といった単語の中から、自分の状況に合うものを選んで答えていきます。
「はい、アルバイトで忙しいです」
「いいえ、忙しくないです」
ただ教科書を読むのではなく、「自分のこと」を自分の言葉で伝える――このやり取りが、頭と心を一気に「韓国語モード」へと切り替えます。学生たちの表情が次第にほぐれ、生き生きとしていくのが印象的でした。
拍手と笑顔が飛び交う。「間違ってもOK!」のポジティブな空気
「発音、とっても上手ですね!」「その調子!」
授業中、李先生からは絶えず前向きな言葉がかけられます。この授業の合言葉は「間違ってもOK!」。失敗を恐れずに声に出すことが、語学上達への一番の近道だと、先生たちは知っているからです。
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印象的だったのは、テキストの音読練習の場面でした。「『ポ』の発音は、もっと強く。少し大袈裟なくらいがカッコいいですよ」というアドバイスに、学生たちは照れながらも大きな声でトライします。
さらに、「さあ、立って! 違う人とペアになって!」という声かけとともに、次々と相手を変えながら練習が続きます。発表が終わるたび、教室には自然と拍手が広がる――。互いを称え合う温かな空気が、「もっと話したい」「もっと伝えたい」という学生たちの意欲を後押ししていました。
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映像と対話で深める「生きた文化」
授業の中盤では、韓国の歴史的名所を紹介する約3分間の動画を視聴しました。ここで工夫されていたのが再生スピードです。「最初はゆっくり、2回目は通常のスピードで」と段階的に聞くことで、耳を慣らしながら内容の理解を深めていきます。
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ホワイトボードには「景福宮(キョンボックン)」の文字が書かれ、語彙の確認にとどまらず、その背景にある歴史や文化へと話は広がっていきました。
さらに、「韓国のバスや地下鉄にはすべて番号が振られているんですよ」といった、現地ですぐに役立つ交通事情の紹介も。 「数字さえ読めれば、どこへでも行ける」――そんな具体的なエピソードが、学生たちの「いつか行ってみたい」という憧れを、「私にも行ける」という現実的な自信へと変えていきます。
「なんとなく」で終わらせない、論理的な解説
楽しさ重視の会話練習の一方で、文法や構造の解説は非常にロジカルです。 会話練習の後、先生はスライドを切り替え「本日のポイント」として文法事項を整理しました。
この日 取り上げたのは、手段や方法を表す助詞「~(으)로(〜で)」。
「バスで行きます(手段)」
「鉛筆で書きます(道具)」
「小麦粉で作ります(材料)」
一見すると別々に見える表現も、「手段・方法」という共通のルールでつながっていることを、例を挙げながら丁寧に説明します。仕組みさえ理解すれば、新しい単語が出てきても応用が利くようになります。感覚だけでなく理論でも納得することで、学びはより確実なものになっていきます。
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授業の最後は、先生と少人数で行う会話の時間です。テキストの内容だけでなく、「最近ハマっていることは?」など、学生一人ひとりの興味に合わせて話題が広がります。限られた時間の中で、先生は学生の言葉にじっくり耳を傾け、表現の幅を広げるアドバイスを送っていました。
「読む・書く・聞く・話す」をバランスよく、そして何より「楽しむ」ことを重視した100分。チャイムが鳴ったあとも、先生に韓国語で話しかける学生たちの姿が印象的でした。



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